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サーバ移行の第4の選択肢、IaaS最新事情徹底解説IT導入完全ガイド(3/5 ページ)

» 2014年05月26日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

IaaS知名度上位20サービス一覧

 現在ではIaaSを提供する業者が多くなり、サービスを選ぶのに一苦労するようになった。大規模導入であれば業者から提案を募り、最適なものを選べばよいのだが、テスト導入や小規模導入では必ず対応してもらえるとは限らない。

 キーマンズネットは014年3月にIaaSとPaaSに関するアンケート調査を実施した。その中で認知度が高かった20社を下表にまとめているので、各社Webサイトを調査してみることをお薦めする。なお、無料のサービス体験を提供している業者も多いので、まずは登録し、体験してみるのが一番だ。

IaaS知名度上位20サービス一覧 表1 IaaS知名度上位20サービス一覧

 では、選び方の視点としてどんなポイントがあるのか、次に見ていこう。

サーバ移行のしやすさで選ぶ

 冒頭に記したようにWindows Server 2003ベースのサーバの移行先としてIaaSを検討している企業は多いことだろう。既存のAD連携やファイル共有などの環境を継承し、社内既存システムとの連携を図る場合にはMicrosoft Azureは第一の選択肢になりそうだ。

 さらにマイクロソフトではSQL Server同等のSQLデータベースをIaaSのオプションの1つとして提供しており、SQL Serverのデータが単純に移行できる。また、Oracleとの提携により、社内DBをそのまま(自社保有のライセンスを利用して)Azure環境に移行することも可能だ。

 SIer各社が移行サービスを提供しているが、ある試算では4コア、50GBのDBを移行する場合でオンプレミスで新サーバへの移行を図ると、ハードやソフト購入と移行作業合計で570万円かかるが、Azureへの移行の場合はVMを1カ月間常時起動して最低120万円(参考価格)で済むという結果になっている。DBバックアップや災害対策を組み込んでもその倍程度という試算もあり、単純移行プラスアルファの移行がかなり安上がりにできることになる。

Microsoft AzureのDB移行サービスの例 図2 Microsoft AzureのDB移行サービスの例

 他のIaaSでもWindows OSの提供は行われており、SQL ServerやOracle DBなどRDBをオプション提供するものがあるので、データ移行さえできればオンプレミスより低コストに移行することは可能だ。

 なお、マイクロソフトのソフトウェア製品の企業導入ではSA(ソフトウェアアシュアランス)制度で購入している場合が多いが、SAではライセンスモビリティが保証(ISV向けのライセンスは除く)されていて、オンプレミス利用かクラウドでの利用かを選ぶことができる。

 既存サーバのソフトを削除してクラウドで利用することに問題はない。既に利用しているIaaS業者があれば、そのサービスに移行して管理を集中しやすくする選択もあり得る。

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