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SSDの限界を超える「ReRAM搭載SSD」とは?5分で分かる最新キーワード解説(2/3 ページ)

» 2014年04月16日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

ReRAM搭載SSDの新制御技術

 こうした背景の中で登場したReRAM搭載SSDの新制御技術は、図2のような構造を想定したものだ。

ReRAM搭載SSDの構造のイメージ 図2 ReRAM搭載SSDの構造のイメージ(出典:中央大学 竹内研究室)

 NANDフラッシュメモリが多段積層化され、その上にSCMとしてのReRAMが載り、さらにDRAM、全体をコントロールするSSDコントローラーが載る。各層を貫通するTSV(Through Silicon Via)が信号や電源を接続する仕組みだ。

 データの読み書きはSSDコントローラーがReRAMとNANDフラッシュメモリに適切に割り振り、最適なメモリ利用を制御することになる。コントローラー内部の仕組みは図3に見るようなもので、この中に新制御技術が生かされている。

ReRAM搭載SSDコントローラーの内部の機能 図3 ReRAM搭載SSDコントローラーの内部の機能(出典:中央大学 竹内研究室)

特性変化に追従して読み出し検知レベルを動的に変化させる「フレキシブルリード」

 まず注目したいのが図3中左端の「FlexibleR Ref」という部分だ。ReRAMは抵抗値の変化によって0と1とを表現するメモリだが、ビットのセットとリセットを繰り返すとだんだん抵抗値が高くなる特性があることが分かっている。

 大容量ReRAMでは、セルごとの特性のばらつきが避けがたいため、使用回数が多くなるほどエラーの発生率が高まる課題があった。そこで開発されたのが、セット/リセット回数により基準となる抵抗値を読み出し時に動的に変化させ、読み出しエラーを防ぐ「フレキシブルリード」という仕組みだ(図4)。この技術により、エラー発生率は65%の低減ができる。

65%のエラーを排除するフレキシブルリード技術 図4 65%のエラーを排除するフレキシブルリード技術(出典:中央大学 竹内研究室)

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