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» 2014年01月06日 22時28分 公開

IT導入完全ガイド:消費増税と販売管理システムの関係 (1/3)

2014年4月から8%に増税される消費税。2015年には10%に上がることも計画されるが、システム変更を余儀なくされるのが、会計はもちろん請求書発行や仕入管理などを行う販売管理システムだ。果たしてその影響とは?

[西山 毅,レッドオウル]

 2014年4月1日から消費税率は現在の5%から8%へ引き上げられることが決定し、さらに2015年10月には10%へのアップが予定される。一方で、2014年4月以降も現行税率の5%が適用される「経過措置」が設けられ、さらには「軽減税率」導入の議論も進む。

 今の企業にとって重要となるのが、お金を扱う社内システムの改修であり、中でも販売管理システムの見直しは最優先で取り組むべき課題の1つだ。情報システム部門としても、税率変更がシステム上どんな影響を与えるのかを事前に把握する必要がある。

 今回は、消費税率の引き上げに対応するための販売管理システムに求められる要件や機能について詳しく紹介する。

「販売管理システム」とは

 販売管理システムは、見積書の発行から受注、納品、請求書の発行、入金確認に至る一連の販売管理業務を一元的に管理し、効率化を図るためのシステムで、いわば注文を受けてから商品を納め、お金をきちんと回収するまでの業務を管理するためのシステムだ。

 基本機能は、見積管理、受注管理、売上管理などの販売管理機能と、請求管理、入金管理、入金消込などの売掛管理機能が挙げられる。この他、製品によって詳細機能は異なるものの売上データの集計や分析機能などが提供される。

 ただし、お金の流れはモノの流れとも密接に関係することから、ベンダーによっては仕入管理や在庫管理の機能までを含めて販売管理システムと定義するところがある。一方、サービス業など業種によってはモノの仕入れが発生しないユーザー企業もあり、その場合には当然在庫管理という発想もない。そこで仕入管理や在庫管理機能を別製品で提供し、必要に応じて販売管理システムと連携させて使うことを前提とするベンダーもある。

仕入管理、在庫管理システムと連携した販売管理システムの概要例 図1 仕入管理、在庫管理システムと連携した販売管理システムの概要例(出典:オービックビジネスコンサルタント)

消費増税関連の販売管理システム機能

 消費税対応については、基本的には税率の管理が重要だが、税率を決める大きな要素に日付がある。例えば、経過措置に関して具体的に見てみると、工事の請負に関しては契約日のフィールドが必要だし、資産の貸し付けについては契約日だけでなく貸付開始日も必要になる。

 売上返品や貸し倒れなどの際にも、売上計上したときの税率が適用されるため、売上日の管理は重要になる。大前提として日付について詳細に定義できるシステムが望ましい。2014年4月の消費税率アップに対応するために、現在の販売管理システムが提供する具体的な機能について見ていこう。

 今回の消費税法改正では、消費税率アップによる直近の負担を軽減するために、請負工事や資産の貸付など一定の条件に該当する取引は、2014年4月以降も現行税率の5%が適用される「経過措置」が設けられる。いずれにしてもユーザー企業は、5%と8%という複数の税率に対応する必要がある。

 現在の販売管理システムは、システムに登録しようとする取引の税率を伝票の「日付」によって自動判別する機能を提供する。つまり、2014年3月31日までの日付なら5%で、2014年4月1日以降なら8%で自動処理する。

 なお、伝票日付とは違う税率を初期値にしたい場合は、伝票日付とは別に日付設定ができ、その日付時点の税率を初期値にする設定などの方法で対処できるようになる。

 あるいは、2014年3月に消費税率5%で売上を立てた取引の商品が、2014年4月以降に返品されてきたというケースでも、元の売上伝票を呼び出し、ボタン1つで旧税率を自動適用して返品処理できる。

 端的にいえば、改正消費税法に対応した販売管理システムでは、2014年3月31までは税率を5%にするか、8%にするかを選び分けられるようになっており、2014年4月1日以降は基本的に8%で自動処理を行い、2014年4月1日をまたいだ取引についてもユーザーに負担をかけることなく、整合性の取れた処理を図るということだ。

取引日付から消費税率を自動判定 図2 取引日付から消費税率を自動判定(出典:オービックビジネスコンサルタント)
状況に応じて税率選択が可能 図3 状況に応じて税率選択が可能(出典:オービックビジネスコンサルタント)

帳票にまつわるエトセトラ

 工事の請負や資産の貸し付け、そして工事進行基準に関して経過措置を選択した場合、相手方に経過措置の適用を受ける旨の通知が必要になる。これは請求書上に明記するのが効率的であり、これらの文言を入れられるようにしておきたい。

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