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掲載日:2006/08/31
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  競争優位実現のためのキーテクノロジとして注目されるRFID。国内でも多くの実証実験が報告され、導入事例も出始めている。先駆者が「この分野で成功するためにはいち早く導入することが大事」と口を揃えることをみても、そのメリットの大きさがうかがえる。今回は、RFIDの基礎をおさらいした上で、導入事例を紹介しながらRFID活用のポイントを見ていこう。 積極的な対応が成功の鍵「RFID」
 A N A L Y S T アナリストファイル #033
株式会社アイ・ティ・アール
株式会社アイ・ティ・アール 取締役/シニア・アナリスト 広川 智理(Tomosato Hirokawa)
取締役/シニア・アナリスト
広川 智理(Tomosato Hirokawa)
電気通信大学 電子計算機学科卒業後、日本電気(株)入社。情報システム部門、NECアメリカ社、本社ERP担当部長を歴任後、2001年4月より現職。NECアメリカ社では、経理システム再構築などを行い、NECソフトウェア品質管理活動世界大会において最優秀賞を受賞。帰国後は、NECグループ内へのERP導入促進、社内体制整備を行う。現在は、SCM、B2Bコマース、ベンダーマネジメントなどの分野を担当。

RFIDとは
 RFID (Radio Frequency Identification)に関する研究は、第二次世界大戦中に米国において行われた敵味方を識別する装置開発に端を発するといわれている。実用化されたのは1980年代前半頃で、核物質管理の必要性から1bitだけの情報を保有するRFIDが開発された。その後、1990年代に入り、機密性の高い建物への入室管理、工場の自動化などを目的とした利用が始まった。RFIDの活用は、特に米国において進んでおり、1990年代後半には既に有料高速道路の料金徴収や、ガソリンスタンドでの支払い自動化などで大きな広がりを見せていた。
 RFIDの仕組みを簡単に図解すると図1のようになる。

図1.RFIDの仕組み
図1.RFIDの仕組み
出典: ITR

 リーダまたはライタと呼ばれる装置から発信される特定の周波数の電波をRFID内にもつアンテナで受信し、アンテナ内に電流が発生することで動作する。電流の発生によって、RFID内に電圧が生じ、その電位差でICが機能して保有しているID (個体認識情報) などを発信したり、IC内に書き込みを行ったりする。この発信された情報をリーダが読み取ることで、個々の物質などを識別するのである。したがって、リーダが接触することなく、被覆された状態でも、複数のRFIDを同時に読み取ることが可能となる。

バーコードとRFIDの特徴
 RFIDとバーコード、あるいは普及が進んでいる二次元バーコードとは、何が異なるのかを比較してみたい。

1)バーコードと二次元バーコードの特徴
 まず、バーコードは光学スキャナで読み取る必要がある。小売り店舗などでは店員がバーコードのついたタグを探し、リーダが読み取れる角度にバーコードを向ける必要があった。またバーコードが汚れていたりすると、なかなか読み取りができなかったり、バーコードに記載してある数値を店員が直接キー入力する必要があった。二次元バーコードも同様であるが、情報が非常に多いため人手によるキー入力はほぼ不可能である。

2)RFIDの特徴
 これに対して、RFIDは電波で読み取るため、基本的にはその貼付位置を確認したり向きを変えたりする必要がない。また、RFIDは電波が届く範囲であれば、箱に入っていたり何かに覆われていても読み取り可能である。さらに、電子的に読み取るため複数のタグをほぼ同時に読み取ることができる。低速であれば移動中でも読み取ることが可能である。RFIDは半導体メモリを内蔵しており、書き込み可能なタグであれば、情報の書き換えや追加記録も可能である。ただし、課題は解決されつつあるものの、金属や水、樹脂が間に入ると読み取りが困難であるという弱点を持っている。

3)活用の幅の広さ
 次に商品ライフサイクルにおけるRFIDの活用について見てみよう。RFIDには単なる商品コードだけではなく、商品1点1点を識別するシリアル番号も記録することができるため、モノと情報を完全に一致させることが可能となる。いわゆる「アトム(物)」と「ビット(情報)」の一致である。(図2)

図2.商品ライフサイクルにおけるRFIDの活用
図2.商品ライフサイクルにおけるRFIDの活用
出典:ITR

 製造工程では、部品や原材料を保管または移動するためのケースなどにRFIDを取り付けて管理する。そして、製品完成時点では、RFIDが個々の商品に貼付され、商品コードと製造番号、製造日時などを記録する。梱包過程ではパレットやケースのRFIDに数量や日時などを上書きし、出荷時点でも情報を付加、更新できる。また輸送用のパレット、コンテナのRFIDにも情報を追加記録することができる。
 流通センタや小売店の入荷ドックにおいては、コンテナ、パレット、ケースのRFIDを読み取り、商品種別や数量を読み取ることができる。小売り店舗では棚の商品の移動を把握し、レジでは購入品のRFIDを読み取って自動精算する。一般消費者の購入後は、自宅の家電などでRFID情報による様々な管理が可能となるであろうし、廃棄時には、RFIDに記録されている情報から、リサイクルの可能性などの判断も可能となる。
 この他、農林水産、建設、飲食、旅館、運輸、交通、医療、レジャー、教育など様々な場面での活用が期待されている。

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