医療サービス海外進出における“武器”として期待される医療機器
「アニメ」や「和食」などに続き、今、世界中から注目されているのが「日本式医療サービス」だ。 |
◆官民一体で海外進出を推進する「MEJ」 |
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全体像 |
医療機器向け組込みシステムソリューションを提供 |
すぐれた医療機器を開発するのには、自社開発だけにこだわらず、医療機器メーカーだけにかぎらず、ITなど異業種も含め他社のすぐれたテクノロジを積極的に採り入れていくのが“基本”であり“近道”でもある。
ITソリューションベンダであるNECもこうした“他社”の1つである。 1966年、日本初(※自社調べ、2014年2月)のコンピュータレセプト(NEC汎用機)に始まり、49年間にわたる医療情報システムへの取り組みの歴史を誇る。
同社の『医療機器向け組込みシステムソリューション』では、携帯電話などで培った小型化技術や医療機器分野の品質マネジメントシステム規格「ISO13485」認証取得、グローバルサポート力などのノウハウ(強み)を活かし、“裏方”としてよりすぐれた医療機器開発を支援するソリューション・サービスを提供している。
以下では、同ソリューションの多彩なメニューの中から特長的なサービスをピックアップしご紹介したい。
<様々な領域に拡がるNECの組込みシステムソリューション>
NECの組込みシステムソリューションは、医療機器領域のみならず、産業用機械/工作機械、複合機/プリンタ、環境・エネルギーなど幅広い領域に拡がっている。
単なる開発支援/受託や技術の切り売りではなく、NECの持つリソース(技術やノウハウなどの総合力)を活用したトータルサービスとして提供、更にサービスまで見据えたパートナーシップによって日本の“ものづくり”を支えている。
付加価値向上 |
人間工学に基づいたユニバーサルデザイン / 電子カルテ連携など |
▼ユニバーサルデザイン
付加価値向上ソリューションの1つが、人間中心設計(ユーザ視点で設計を行うプロセスや手法)によって実現されるユニバーサルデザイン(UD)やユーザインターフェース(UI)だ。
少しの操作ミスが人命にかかわる可能性もある医療機器だけに、迷わず直感的に操作でき、ミスを未然に防止するUDやUIは非常に重要。金融機関端末のUIなどで培われた豊富なノウハウを医療機器に応用、アクセシビリティ/ユーザビリティにすぐれ、誤操作や人為的なミスを防止するUD/UIを実現している。
▼電子カルテとの連携
NECが提供する、国内の大・中規模病院でトップクラスシェアの電子カルテシステム「MegaOakHR」との連携により、医療機器の測定データを電子カルテにデータ転送することも可能だ。これまで看護師・検査技師の負担となっていた測定データの記録・入力作業が省略でき、誤入力などのミス低減につながる。
機能向上 |
画像圧縮技術 / ジェスチャー認識技術 / 高信頼性サーバ |
▼画像圧縮技術(StarPixel)
NECが独自に開発した静止画像の高速画像圧縮コーデック「StarPixel」は、可逆/非可逆、両方の圧縮方式に対応し、最新規格JPEG2000と同等の圧縮率と、JPEG2000に比べ最大40倍(可逆圧縮時)の高速圧縮処理を両立。独自規格であるがゆえの高いセキュリティ性とその性能・信頼性などが評価され、金星探査機「あかつき」に搭載されたほか、小惑星探査機「はやぶさ2」への搭載も決定している。
これらの特長を活かし、医療機器及びシステムにおける高精細画像の高速圧縮・蓄積・伝送を可能とするほか、「医療機器、システムにおける撮像画像のストレージ容量圧縮」「撮像画像の伝送時間高速化、及びネットワーク負荷軽減」「独自規格による撮像画像のセキュリティ性向上」といったメリットをもたらす。
▼ジェスチャー認識技術(フィンガージェスチャー)
外科手術の現場では、執刀医が声で指示を出して、周囲のスタッフに機器を操作させるのが一般的だが、この場合、聞き間違いなどによる操作ミスのリスクがある。機能向上ソリューションでは、手や指による簡単なジェスチャーを認識する技術を応用して、例えば医療画像の画面を拡大縮小したり、画像送り(表示画像の変更)したりなどの操作が可能だ。
▼高信頼性サーバ
大量の画像データをリアルタイムで表示・高速処理する現代のハイテク医療機器。こうした画像データの増加やカルテの電子化などにともない、バックエンドのサーバやストレージは、高性能/高信頼と大容量化が求められている。
この点NECは、ハードウェアレベルでの冗長設計により、障害発生時にもシステムを止めない高可用性サーバや、コンパクトな筐体に信頼性を備えたスリムサーバ、膨大なデータを保管する高信頼性ストレージなど、バックエンドを固める製品群が充実している。
生産効率化 |
高品質な生産体制で製造プロセスをまるごと受託 |
▼製造受託サービス
NECグループ各社の特徴を生かし、大量生産のコンシューマ製品から多品種少量生産まで高品質・高信頼性の製造受託サービスを提供。特に長野日本電気は、医療機器分野の品質マネジメントシステム規格「ISO13485認証」を取得、製造だけでなく評価・修理を含めたフルサービスEMSにも対応している。
事例 |
倉敷中央病院における、ジェスチャー認識技術の活用例 |
地域の中核医療機関として、毎日多数の患者や見舞客が訪れる倉敷中央病院では、下記の通り「患者向け」と「医療従事者向け」の両方において、高精度専用センサ(Microsoft(R) Kinect(TM) for Windows(R))とフィンガージェスチャーエンジンを活用したジェスチャー認識システムを開発・導入している。
▼患者向けシステム(双方向型デジタルサイネージ)
・玄関の近くにジェスチャー操作で知りたい情報にアクセスできるデジタルサイネージを設置
・近づいて正面に立つとメニュー画面が表示され、人差し指の単純な動作によってコンテンツが次々と表示される仕組み
・大画面で表示され、キーボード操作などが必要ないため、小さなお子さんやお年寄りでも操作できる
・タッチパネル方式と異なり、非接触方式のため、院内感染防止にも効果的
▼医療従事者向けシステム(非接触での医療画像操作)
・手術中、術者は直接機器に触れて操作することができないため、サポートスタッフに口答で指示を出し代わりに操作してもらっていたが、聞き間違いや操作ミスのリスクがあった
・そこで、術者本人の手・指による簡単なジェスチャーを認識し、医療画像ビューアを操作できるシステムを開発
・システムは、ジェスチャーを認識するKinect for Windowsと、医療画像を映し出す47インチのカラーモニタで構成される
・拡大縮小、画像送り(表示画像の変更)、調整、選択、移動といった操作が可能で、操作系の異なる主要医療画像ビューアに対応可能
製品名(サービス名) | 医療機器向け組込みシステムソリューション |
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サービス提供会社 | NEC |
サービスメニュー(提供可能な製品群) | 組込みシステムソリューション ・人間工学に基づいたユニバーサルデザイン ・画像圧縮技術(StarPixel) ・ジェスチャー認識技術 ・高信頼性サーバ ・製造受託サービス |
動作環境 | - |
オプションサービス | - |
その他特記事項 | - |
製品サイトURL:http://jpn.nec.com/embedded/ |
製品・サービスの取扱い企業
NEC
部署名:組込みインテグレーション事業推進部
TEL:03-3456-8408
e-mail:info@embedded.jp.nec.com
掲載企業
NEC
部署名:組込みインテグレーション事業推進部
TEL:03-3456-8408
e-mail:info@embedded.jp.nec.com