ギガビットVPNルータ 【FutureNet NXR-155/C-L】

NXR-155/C-Lは、企業向けVPNルータにおいて長年の実績を持つセンチュリー・システムズが、従来のFutureNet NXRシリーズで培った機能をあますことなく搭載した最新の製品だ。VPN機能としてIPsecやGRE、L2TPv3をサポートしており、ワイヤレス環境での強力なVPNネットワークを実現。更に、BPG-4、OSPFなどのルーティングプロトコルやVRRPをサポートし、有線との回線二重化や、ネットワーク経路や装置の二重化を実現した。

内蔵された組込み用LTE通信モジュールは下り最大100Mbps/上り最大50Mbpsの通信性能を備える。3.5Gにも対応しているため、LTEサービスの圏外では3.5Gによる通信が可能。LTEの圏外では自動で3.5Gに切り替わる。

WAN接続用として、ギガビットイーサネットポートと3.5Gデータ通信カードに利用できるモバイル通信用ポート（USB2.0×2）を備えており、これらを組み合わせて利用することもできる。これにより、LTEのエリア外での利用、またLTE/有線のバックアップ回線用としての利用も可能になる。

小規模な拠点ではLTEを利用したルータとハブがこれ1台で実現でき、省スペース化に貢献する。

NXR-155/C-Lは、pingやtraceroute、パケットキャプチャなどの診断機能を備えている。システムモニタ機能では、「メモリの空き状態」「CPU使用率（Load Average）」「NATセッション数」といった状態を、SNMPやSYSLOG、グラフなどの形で確認できる。これらのデータは、USBメモリに保存するか、電子メールで管理者に送信することが可能。

ファームウェアの更新、設定情報の変更はUSBメモリの差し替えで簡単に行える。データ通信を継続しながら、ファームウェアをダウンロードしたり、書き替えることが可能だ。

万が一の障害時には、すばやく現状を可視化し、場合によってはシステムを止めずに対応することができる。ダウンタイムを最小限にとどめ、システムの可用性向上に貢献する。

標準でLTE、3.5G、光回線にも対応しているNXR-155/C-Lならば、これ1台でより可用性の高いVPNネットワークを実現できる。メイン回線に有線の光回線を、バックアップ回線にLTEを利用する構成ならば、メイン回線に障害が発生した際、即時にLTEへと切り替えることが可能だ（下図）。もちろん暗号化処理はハードウェアで実装しているため、高い通信性能を発揮できる。

NXR-155/C-Lはセンチュリー・システムズが提供する「WarpLink DDNSサービス」に対応している。同サービスは、ダイナミックDNSを使ったリモートアクセス機能、ルータの死活監視機能やSYSLOG、運用情報（CPU使用率、メモリ使用率、パケット量等）を定期的に情報収集する機能をASPで提供している。

下図は「WarpLink DDNSサービス」とNXR-155/C-Lを活用したインターネットからのリモート監視サービスの構成図だ。遠隔地に監視カメラを設置し、インターネット上からカメラにアクセスするというケースである。外部アンテナ対応のNXR-155/C-Lなら、本体は保護ケースのような少ないスペースに、アンテナは電波の最も良好な場所に自在に設置できるため、屋外や工場といった環境での使用に極めて適している。

NXR-155/C-Lを活用することで、動画など高解像度の映像データがLTEで快適に送受信できるようになる。これまで高価で導入の手間がかかるとされていた遠隔監視システムだが、NXR-155/C-Lにより、安価かつ回線工事なしの簡単導入が実現する。