Eugrid SecureClient

従来からあるシンクライアントは、コンピュータ機能とデータのすべてをデータセンタで一元化するため、情報漏洩のリスクがない代わりに、導入のハードルが高い。

それに対し、「Eugrid SecureClient」は、データセンタにあるファイルサーバで「ユーザプロファイル」「デスクトップの設定」「アプリケーションの設定」「マイドキュメント」を一元管理し、コンピュータ機能は従来あるクライアントPCのハードとソフトの資産を生かす方式。PCにデータが保存されないため、情報漏洩のリスクが激減するとともに、既存PCを利用するため、現状のPC利用環境を大きく変えることなく導入できる。

通常のシンクライアントはオンラインでの利用が前提で、情報漏洩のリスクが大きな外出先や出張先でのオフラインの利用はできなかった。

「Eugrid SecureClient」は、USBで前記のファイルサーバ内の情報の一部を持ち出すことで、外出先でもPCの利用が可能。設定情報の入ったUSBは管理外のPCや自宅のPCでは利用できず、持ち出したデータが完全に把握できた状態でモバイル利用を許可することができる。 

また、社外からVPN接続し、仮想デスクトップ環境で自席のPCを利用したり、社内アプリケーションを利用することもできる。この場合、社外のPCからログオフすれば社外で利用したPCメモリ上のデータは消えるので安全だ。

専用機器や処理用のサーバが必要なほかのシンクライアント製品と違い、本製品は既存PCのマシンパワーを有効利用するスタイル。データを集中管理するファイルサーバのみで導入できるため、一般的なシンクライアントのように膨大なコストがかかることもなく、低コストに安全なPC利用環境を構築することができる。

PCの台数が増えたため、PCの購入から廃棄までの「PCライフサイクル」の管理や人の移動にともなう「ユーザライフサイクル」の管理負担が膨大になっている。

本製品は、PCが変わっても各個人のIDでログインするだけで、全く同じ環境で作業ができる。人事異動の際も、ファイルサーバでフォルダを移動するだけと、管理の手間も小さい。例えば、退職者のPCもファイルサーバ上でデータを消去するだけ。PCの入れ替えにともなうデータの移動や、PC廃棄時のデータ消去といった面倒な手間がかからない。PC故障時の代替え機の手配も、データ移行が不要なので非常に簡単だ。

このように、PC管理にともなう管理負担を大きく削減可能で、例えばPCが2000台ある場合は、年間約2000万円の運用コストが削減できるという試算もあるほど、その効果は大きい。

PC管理の大きな問題の1つが「OSの移行」。OSは一定期間で入れ替わって古いOSは利用できなくなる。このため、将来のことを考えて、OSの移行はできる限り簡単に行える環境にしておきたいところだ。

「Eugrid SecureClient」でOSの移行や混在環境での利用を快適に
「Eugrid SecureClient」が導入された環境では、OSの移行も容易に行える。本製品はPC内のデータとともに設定情報もサーバで集中管理しているため、OSを入れ替えた際も全く同じ環境で情報の継続利用が可能だ。

Windowsのバージョンが異なるとファイル構造も変化するが、この違いも本製品の仮想化機能が吸収し、データ移行の手間が一切ない。

本製品はWindowsの各バージョンに対応（Windows 7にも近日対応予定）しており、新OSがインストールされた新しいPCを導入した場合も、エンドユーザはすぐに昨日までと同じ環境でPCが利用開始できる。例えば、Windows XP/Vita/7と3種のOSが混在した環境でも、どのOSか区別することなく同一のPC環境として利用可能だ。

このように、「Eugrid SecureClient」が導入されていれば、新OSでアプリケーションの動作検証をするだけでデータ移行の手間をかけることなくOSの移行ができ、今後のOS移行時にも同様に簡単に移行が行える環境が構築できる。

近年、出産・子育て・介護などの理由で在宅勤務したり、地方で働くなど、働き方が多様化する傾向にある。メールやインターネットを利用したビジネススタイルが普及し、今後この傾向はますます強まるだろう。また、パンデミック対策として、会社以外の場所でも働ける環境を確保することが、政府主導で進みつつある。

「Eugrid SecureClient」ならば、自宅など会社から離れた場所でもいつもと同じ環境でPCが利用でき、しかも安全だ。今後、働き方が多様化しても、本製品を使えば安全・安心で便利なPC利用環境を企業として整えることが可能だ。