Eugrid SecureClient

　「Eugrid SecureClient」は、データと環境設定情報をサーバ上で一元管理するため、PC側のOSやアプリケーションのバージョンが変わっても現在の利用環境をそのまま継承でき、PC間でのデータの移動は不要。PCやユーザが入れ替わっても、Eugrid SecureClientサーバ上でポリシーの割り当てを変えるという簡単な設定変更だけで対応でき、管理が非常に簡単だ。ポリシーの割り当てを変更すれば、ユーザは新たな部署にあるPCにログインした際に、その部署にあった環境で利用することができる。

　このように、本ソフトウェアを導入した環境では、PC間でデータを移動する手間がなくなり、そのサポートにかかる運用コストをカットすることが可能だ。

　同じことはPCの廃棄時にもいえ、データの消去なども一切不要で、これらもコストの大幅カットにつながる。

　PCが故障すると、トラブル対応には多くの手間と費用がかかる。仮にPCが2000台ある場合、統計上、毎日2〜3台の割合で不具合が発生するため、その対応にかかるコストは意外に大きいものだ。また、PCのトラブルが長引くと、PCが使えないことによる機会損失も発生してしまう。

　「Eugrid SecureClient」を導入していると、例えばPCのハードウェアが故障した場合でも予備機を準備しログインするだけで、故障前のそのままの環境で業務を続けることができるため、トラブル対応のステップと時間を大幅に減少させることができる。従来のPC環境では、PCユーザ約50人に対して1人のサポート要員が必要だといわれているが、その人件費を大幅にカットすることが可能だ。

　「Eugrid SecureClient」の“データをPC上に一切保存せず、サーバで一元管理する”という構成はまさにシンクライアントの発想だが、本製品の場合は既存PCのマシンパワーを有効活用するため、導入にかかる費用はシンクライアントに比べて非常に低コストである。

　しかも、データをPC上に保管しないため、シンクライアント同様に情報漏洩のリスクを回避でき、情報が漏洩してしまった場合に想定される対応コストもカットすることができる。このように、本製品を導入すると、PC運用管理コストを大幅に削減し、更に情報漏洩のリスク軽減など見えないコストも削減することが可能である。

　すべてのデータがセンタのサーバに収納されるので、データにアクセスできれば、どこにいても社内同様にPCを使う仕事ができることになる。例えば、新型インフルエンザなどでパンデミックが起きて社員の移動が不自由になり、企業活動が停滞するような状況になっても、遠隔からデータにアクセスできる環境さえあれば、業務を継続することも可能である。

　オプション製品を利用すれば、オンラインとオフラインの両方の利用が可能で、しかも安価なUMPC(Ultra Mobile、ミニノート)を活用できるので、パンデミック対応も非常に安価に実現できる。

　では、実際に「Eugrid SecureClient」を導入すると、どの程度PCの運用管理コストが削減できるか、PCが2000台ある場合のコスト削減効果を試算してみよう。

　野村総合研究所が試算したデータ※によれば、PC1台当たりにかかる運用管理コストは2万3000円/1年。これを2000台分にすると、年間約4600万円の運用管理コストがかかる試算となる。

　それに対して、「Eugrid SecureClient」を導入すると
　　　・ 故障対応コスト：1536万円/年が不要
　　　・ 組織の統廃合や異動に伴うコスト：240万円/年が不要
　　　・ PCの導入と廃棄にかかるコスト：400万円/年が不要
　トータルで2176万円/年の運用管理コストが削減可能だ。

　それに加えて、情報漏洩が発生した場合のリスクを金額試算すると約6億9000万円で、PC上にデータを一切保存しない「Eugrid SecureClient」導入環境下では、リスク発生時にかかるこの見えないコストも大幅に削減することが可能である。

※出典元：日経コンピュータ 2009/01号