サーバ統合、多拠点通信の課題を解決するのは、WAN回線の最適化
現在、企業の拠点間で大容量データをやり取りする必要性は一層高まっており、WAN回線の遅延やレスポンスタイムの悪化などがネットワーク管理の大きな課題となっている。特に中国をはじめ、海外での展開を行う企業にとっては、日本国内での場合と違い、回線帯域を拡大させるのが難しいため、WAN回線の高速化が現実的な解決策となっている。
日本国内においては、災害時に備えたディザスタリカバリや監査対策としてのメールアーカイブなどのために、複数拠点のデータをフルバックアップする企業も増加している。また、WAN回線を利用する多拠点を持つ企業にとっては、管理コストの抑制やデータベースの一元化などを目的にサーバ統合の必要性も高まっている。こうした企業では、常に拠点間での大容量データ通信が発生するため、WAN回線の速度維持が求められている。
この解決策の1つとして、一般的に「回線帯域の拡大」が挙げられるが、多大なコストをかけて回線を太くしても、目覚ましく通信速度が向上するわけではなく、満足のいく導入効果を得られないというケースが多々あるという。そこで、ディザスタリカバリ、アーカイブ、サーバ統合などに有効な結果をもたらすのが、WAN高速化アプライアンスだ。
ソリューションベンダ企業である日本ビジネスコンピューター株式会社(以下JBCC)も、サーバ統合の際に、回線拡大は行わず、WAN回線の高速化を選択した企業の1つ。その際に、JBCCが選んだのがWAN高速化アプライアンス Riverbedだ。この導入によって、東京、大阪、名古屋の3拠点を集約する2000人規模の広域イーサ網を構築し、サーバ統合を実現させたという。そこで今回は、JBCCの担当者にRiverbed導入の経緯とその効果について詳しく聞いた。
選定理由 |
キャッシュ機能による驚異的なファイル転送速度が導入の決め手に |
JBCCではグループ全体の情報統合とディザスタリカバリを図るため、全国68拠点のサーバを東京のデータセンタに集約させる大規模なサーバ統合を計画。 |
日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC) |
導入作業 |
システムの停止による業務ストップの必要なくサーバ統合を完了 |
一般的なサーバ統合の場合、各拠点のシステムを一旦止めて、テープでデータを移行させる方式で行われる。
だが、Riverbedの採用により、そのサーバ移行の手法を改善できたという。
その方法とは、まず事前に各拠点のサーバの中身をデータセンタにRiverbed経由で一気に送信しておく。次に、サーバ統合時には、数日間の通常業務によって蓄積された各拠点の差分データを転送するというもの。これはRiverbedの差分データのみを転送するキャッシュ機能を活用しており、これにより統合当日にはわずかなデータ量のみを移行するだけで統合を完了できたという。
「通常、サーバ統合といえば、ユーザにあらかじめ知らせておいて、その日は業務をストップさせるなどの負担を強いることになりますが、Riverbedの採用でその必要がなくなりました。」(高浜氏)
更に、各拠点のサーバをデータセンタに移設しても、遠隔地のクライアントのレスポンスに変化は見られなかったという。
導入効果 |
トラフィック量8割減のWAN最適化がNotesの動作速度にも好影響 |
|
Riverbedにより、WAN回線の通信データが最適化されたことで、グループ全体での回線に流れるトラフィック量は80%も削減されたという。更に、このトラフィック量削減はJBCCが利用していたグループウェアのLotus Notesにも良い影響を及ぼした。 |
今後の展開 |
各拠点での規模/ユーザ数に合わせて段階的にモバイル連携を導入 |
JBCCでは今後、Riverbedのモバイル連携を全拠点で展開することを予定している。中小規模の拠点などには、モバイル用のソフトウェアを展開することも考慮しているという。
Riverbedのモバイル連携は、アプライアンスよりも導入が容易であり、モバイルPCからの高速WANアクセスを必要とする人から導入できるというメリットもあるため、PCが数台しかないといった小規模拠点での利用にも対応している。
「ただ、複数ユーザがいる場合は、キャッシュの有効利用上、アプライアンスの方がメリットがあるため、そこのバランスを見て、拠点ごとに展開方法を考えていきます。」(浜口氏)
このモバイル連携では、拠点規模や必要とするユーザ数など、各拠点の環境に合わせて適切な導入を行えるという点が大きなメリットといえる。
大規模導入 |
複数拠点でのデータの重複を防ぐことで大規模ネットワークに対応 |
Riverbedは、センタ側機器のキャッシュは全拠点で利用可能。従来タイプの場合、各拠点にキャッシュを置き、センタ側でも拠点ごとにデータを分けて管理するため、大規模ネットワークになると、拠点数に応じてキャッシュが重複してしまい、蓄積データが倍増するという問題がある。
だが、Riverbedは、センタ側のみでキャッシュを管理することで、複数拠点でのデータ重複を防ぐことができる。これにより、常時的な大容量データ通信にも対応でき、複数拠点を持つ大規模企業でのストレージやバックアップに利用できる。
また、Riverbedはディスクの暗号化(AES128/192/256bit)をサポート。接続可能な機器数は4000以上をサポートしており、大規模ネットワークに適した仕様といえる。
キャッシュ |
トラフィックキャッシュ機能により、同一データの送信を制御 |
Riverbedの備えるトラフィックキャッシュ機能は、トラフィックデータ単位でキャッシュし、同一データはWANに転送しないため、データ転送量を劇的に削減することが可能。
また、ファイル名などの属性に依存したファイルキャッシュではなく、ディスクベースのトラフィックのため、ファイル変更を行ったデータの場合は、トラフィックデータの差分のみをWANに転送。
加えて、データ通信の方向やアプリケーションに依存しない、WANに転送する際はLZ圧縮を行うといった機能を備えており、更なるトラフィック削減効果をもたらす。モバイル製品からのアクセスでも、同様のトラフィックベースのキャッシュ技術を採用している。
最適化 |
多様なアプリケーションプロトコルに対応し、各通信を最適化 |
様々なアプリケーションプロトコルをサポートしており、CIFS/NFS/MAPI/HTTPプロトコルに対応。これらの各通信におけるトランザクション予測を行うことで、遅延影響の軽減化を実現できる。更に、プロトコルの通信回数を削減し、応答時間を短縮するので、スムーズな利用が可能だ。
また、MAPI2007、Oracle e-Business Suiteにも対応。Mobile Softwareでは、CIFS/MAPIをサポートしている。
シンプル設定 |
設置するだけの簡単導入&シンプル設定で運用管理の手間を軽減 |
Riverbedは、導入の手間もかからないという特長を持っており、コンソール(CLI)にて、IPアドレスなどの基本情報を入力するだけでセットアップ終了。また、オートディスカバリ機能により、対向のSteelhead情報を個別に登録する必要もない。
運用管理面ではシンプルさが特長となっており、WebGUIにより詳細な設定/管理が行えるので、運用管理者の負担を大幅に削減することができる。
製品名 | Riverbed Steelhead 5520 |
---|---|
メーカー | 米国 Riverbed Technology |
寸法 | 45.0(幅) × 64.7(奥行) × 13.2(高さ) cm |
質量 | 40kg |
電源 | 100-240V(50-60Hz) |
筐体タイプ | ラックマウント(3U) |
プロセッサ | 非公開 |
メモリ容量 | 非公開 |
内蔵ドライブ | (キャッシュ容量)700GB |
機能 | - |
インターフェース | 10/100/1000BASE-TX(バイパスNIC、管理用インターフェース) |
OS | - |
その他特記事項 | WAN最適化容量 150Mbps 拠点規模、ネットワーク構成に応じて多様なラインナップがあります。 |
製品・サービスの取扱い企業
株式会社ソリトンシステムズ
部署名:法人営業本部
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿 2-4-3
TEL:03-5360-3809
e-mail:netsales@soliton.co.jp
URL:http://www.soliton.co.jp/
掲載企業
株式会社ソリトンシステムズ
部署名:法人営業本部
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿 2-4-3
TEL:03-5360-3809
e-mail:netsales@soliton.co.jp
URL:http://www.soliton.co.jp/