「小さく導入して大きく育てる」理想を実現するには…
多くの企業では、ERPの導入に際し「業務に合わせた独自機能追加のための作り込み(カスタマイズ)」という課題に直面することになる。
実際、導入段階においてカスタマイズを行ってしまう企業も多いが、この場合、本稼働までに相当なコストと期間を必要としてしまう。このため、カスタマイズに時間をかけて本稼働にこぎ着けた時には、すでにビジネスにそぐわない(役に立たない)ものになってしまっていた…という“笑えない”失敗例も多いという。
一方、ビジネスにますますスピードが要求されている昨今では、「まずは短期で導入・稼働させ、その後徐々にカスタマイズを加えていく…」という方法を採用する企業も増えてきている。
今回は「小さく導入して大きく育てる」という理想パターンでERPの導入に成功した、ある組立加工・製造企業の“好事例”をご覧いただくことにしたい。
Story.1 |
中国で生産・販売を始めた企業が抱えていた課題とは… |
●企業概要
業種:組立加工製造業 規模:売上80億、社員150名
拠点:大阪本社、東京支社、国内2工場(高度な技術力を要するものや加工度の高い製品など)、
中国2工場(人手による加工の必要がないものや汎用製品など)
製品アイテム数:3000〜4000種(うち、汎用製品は1000種類程度)
●導入前の状況と課題
▼日本と中国のシステムがバラバラ
国内は、自社で開発したオフコンベースの基幹システムで管理、中国では独自の小さなシステムとExcelなどの組み合わせで人的処理主体の管理を行っていた。しかも、日・中間の情報伝達手段は回線の問題もあり、電話やファクスなどアナログ主体であった。
▼中国での生産・販売情報が日本から“見えない”
このため、中国での生産・販売情報を正確かつ迅速に把握することができず、「大幅な納期遅れ」や「部品在庫の過剰や不足」などが頻発。顧客満足度の視点から大きな問題となっていた。
▼オフコンシステム機能の不満・オフコンの老朽化
上記オフコンシステムは営業部門のニーズを優先して開発されたため、生産管理、特に材料管理面が弱いなど課題を抱えており、また、オフコン自体の老朽化による不安も生じていた。
▼経営上好ましくない業界商習慣
さらに、中国での販売現場において「販売済み製品を保管する」といった、経営上好ましくない現地商習慣を引きずっていた。
Story.2 |
EXPLANNER/Jを選んだ理由とは… |
ERPの導入にあたり、まずは既存オフコンのバージョンアップは時間が掛かり過ぎることを確認。更に、併せて比較検討した海外ERP製品は最終製品メーカー向きのものが多く、組立加工を手がける同社は企業規模や業態、取引先などでビジネスモデルが異なり、ジャストフィットしない部分が多かった。 このように数社のデモを比較検討した上で…
【1】 複数拠点を同時に管理でき、運用が簡単なWeb対応システム
【2】 製造業(中でも特に組立加工・製造業)の特長をサポートし、それに合った機能が充実している
【3】 パッケージだけでなく開発フレームワークが提供され、自社に合わせ独自の機能強化が可能
【4】 マルチ言語・マルチ通貨といったグローバル対応
といった選定要件をすべて満たし、自社のビジネスに最もマッチした EXPLANNER/J の導入を決定するに至った。
Story.3 |
2段階のSTEPを踏み、短期導入&じっくり育てる |
導入にあたっては…
<STEP1>カスタマイズにコストと時間をかけずに、パッケージのままスピード導入&運用開始を優先
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<STEP2>その後徐々に、自社の業務に合わせた機能の追加など、カスタマイズを加えていく
という2段階での導入を採用し、結果的に9ヵ月間での導入に成功したという。パッケージの機能に合わせる形で、複雑な業務プロセスの単純化をはかったこともあったが、何より「EXPLANNER/J」が組立加工・製造業に特化して開発され、必要な機能を最初から持つパッケージであったからこそ可能だったと言える。
また、最初から欲張らず、最大の課題であった「モノの生産・販売情報の一元管理」に絞って導入を進め、それが軌道に乗り始めてから「おカネの管理」を進めていったことも成功のポイントであった。
Story.4 |
導入プロジェクトの新人2名が大活躍!業務改善効果も |
●新基幹システムの概要(下図参照)
・大阪の本社にサーバを設置。日・中各拠点で同一システムを使用することで、生産・販売情報の一元管理&見える化を実現
・まず「モノの管理」を実現、その後更に「おカネの管理」を追加する…という段階的アプローチで導入。
・最終的には貿易業務管理システムとも連携、出荷情報をベースとした輸出書類の作成を可能にするなど各種開発を進めた。
●新人2名の活躍により業務改善効果も
導入場面においては、プロジェクトメンバーに参加した新人2名が、既成概念にとらわれない合理的な発想での生産効率化プランや、経営上好ましくない中国での業界商習慣(販売済み商品の保管など)の排除といった問題提起を行い、思い切った「業務改善」を実現するなど大活躍したことも、導入成功に大きく貢献したという。
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ERPソリューション「EXPLANNER シリーズ」の特長 |
上記事例で紹介した製造業向けEXPLANNER/J は、30年に及ぶ開発の歴史、2万本に及ぶ販売実績を誇るNECのERPソリューション EXPLANNERシリーズを構成する基幹業務パッケージの1つだ。
以下では EXPLANNERシリーズの特長について、簡単にまとめておく。
●業種別に特化したWeb対応基幹業務パッケージだからすぐ使える!
EXPLANNERシリーズは、製造業をはじめ、卸売業、建設業など、日本の産業を代表する様々な業種に特化したWeb対応基幹業務パッケージ。大がかりなカスタマイズ不要ですぐに使えるのが最大の特長だ。つまり「導入コストを抑え、短期間で導入〜本格稼働」が可能。もちろん、運用から開発まですべてをWebを介してブラウザ上で行え、生産性が高く、使い勝手も非常に良い。
●独自の付加価値を自由に反映できる開発フレームワークも提供
基本となるパッケージに加え、提供される開発フレームワークを利用したカスタマイズにより、業務に合わせた独自の付加価値反映や既存のアプリや各種ソリューションとの連携が可能。企業の成長やビジネスの変化に応じて柔軟にシステムを育てていくことができる。
EXPLANNERシリーズの開発フレームワークは、Visual BasicやExcelでちょっとしたアドオンを開発したり、データベースへのアクセスを実現するといったレベル・内容ではない。EXPLANNERの開発に使用されたフレームワークそのものを提供するので、すべての部品を利用でき本格的かつ効率的な開発を実現してくれる。
OSのバージョンアップに際しても、開発フレームワーク自体が対応するので、ユーザが開発したアドオン・カスタマイズ資産もほとんど書き換える必要なく利用できるなど、開発場面だけでなく運用場面でのメリットも大きい。
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NECが提供する安心・充実の各種サービスメニュー |
NECでは、全国500名近くのサポート要員を配するサポート/開発センターを開設しており、「業務可視化」や「内部統制強化」といった、今、企業に求められているシステム課題に関するコンサルティングから、教育、運用支援・指導など様々なサービスを提供している。 |
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EXPLANNER シリーズ「設計・製造ソリューション展」に出展!
「第18回 設計・製造ソリューション展」にて、今回事例でご紹介した EXPLANNER/J を含む以下の EXPLANNER シリーズが展示される。 |
<展示会概要> |
製品名 | EXPLANNER/J |
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メーカー | NEC |
クライアント側OS | Windows 2000 Professional / XP Professional |
クライアント側対応プロセッサ | Intel Pentium III 1.0GHz 以上 |
クライアント側必要メモリ容量 | 512MB 以上 |
クライアント側必要ディスク容量 | - |
クライアント側その他動作環境 | Excel 2003、Internet Explorer 6 |
サーバ側OS | Windows 2000 Server (SP4) / Server 2003 (SP1) / Server 2003 R2 |
サーバ側対応プロセッサ | Intel Pentium 4 2.8GHz 以上 |
サーバ側必要メモリ容量 | 2GB 以上 |
サーバ側必要ディスク容量 | データベース容量により異なる システム領域として最低2GBは必要 |
サーバ側その他動作環境 | AP: BEA WebLogic / WebLogic Express Ver 8.1 (SP2〜5) DB: Oracle 9i (R9.2.x以降) または Oracle 10g |
その他特記事項 | - |
製品サイトURL:http://www.nec.co.jp/explanner/ |
製品・サービスの取扱い企業
NEC
部署名:第二国内SI推進本部
住所:〒108-8001 東京都港区芝5-7-1
TEL:03-3798-6844
FAX:03-3798-7169
URL:http://www.nec.co.jp/explanner/
掲載企業
NEC
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URL:http://www.nec.co.jp/explanner/