ディザスタリカバリに威力を発揮する「Steelhead」
昨今、セキュリティ対策への高まりなどから拠点に分散されたデータやファイルをデータセンタに集中させる統合化を計画・推進している企業が増えつつある。また、データセンタに集中されたデータへの危機管理として、WAN経由でのリモートバックアップやレプリケーションを使用したディザスタリカバリシステムの構築が注目されている。しかし、実際はWAN回線のスループットがボトルネックとなり、迅速なバックアップ体制を構築できていない企業も多いのではないだろうか。このWAN回線のスループットの問題を解決し、ディザスタリカバリ構築を実現してくれるのが、今回紹介するリバーベッドのWAN高速化装置「Steelhead」だ。以下、ディザスタリカバリにおけるバックアップの問題点と、「Steelhead」導入によって得られる効果を、具体的に見てみよう。
導入前 |
WANを介したデータ転送に時間がかかりすぎる |
多くの場合、ディザスタリカバリのためのバックアップは、拠点でDVDやCDなどのメディアにデータを書き込んで、データセンタへ移送する方法で行っているのが一般的だった。しかし、こうした状況では手間がかかり、コスト面でも無駄が多くなる。さらに、メディアを移送する際に事故や盗難が発生する可能性もある。メディア紛失やデータ漏洩などへと発展し、セキュリティを確保しにくい。
これらの課題を解決するために、拠点からデータセンタへのWAN回線を経由してバックアップする仕組みが検討されてきたが、上記のようにWAN回線の質の問題から、データ転送に時間がかかりすぎるという点がネックになっていた。問題解決には、帯域幅を増強したり、バックアップ専用の回線を追加したりするという手法もあるが、予算的に難しい場合がある。このように、WANを介したバックアップは、要望が高いにもかかわらず、なかなか導入に踏み切れない背景があった。
導入後 |
WAN高速化装置で、遠隔地バックアップも楽々! |
リバーベッドの「Steelhead」は、WANを経由したデータ転送の速度を飛躍的に向上させることができ、帯域拡張をせずとも既存のWAN回線をフルに活用し、実用的なリモートバックアップやディザスタリカバリの構築を可能にする。さらに下記の図にあるように、様々なアプリケーションのパフォーマンスを改善することができる。このことにより、従来かかっていたコストを削減できるだけでなく、データ安全性に基づく企業価値の向上が期待でき、サーバやストレージなども含めたネットワーク強化の統合的な取り組みも加速するだろう。以下、「Steelhead」を支えるテクノロジーについて、その特長を説明しよう。
製品概要 |
WANの通信を高速化する装置「Steelhead」 |
リバーベッドが提唱しているWAN高速化ソリューションは、WDS(Wide-area Data Service)だ。WDSはデータストリームライニング、トランスポートストリームライニングとアプリケーションストリームライニングの3つのコンポーネントで構成されており、TCPを最適化する。「Steelhead」は、そのソリューションを結集して作られたWAN高速化装置だ。
「Steelhead」はアプライアンスなので、ネットワーク内に配置するだけで、容易に導入できる。最短15分程度で導入が完了できるという。また、障害発生時は、バイパス機能により信号をスルーするため、ネットワークの運用は確保される。WANを高速化する手段として、ローコストかつ容易に導入できて、安心して運用できるのが魅力だ。
中心機能 1 |
WANトラフィック量の削減 |
「Steelhead」のWAN高速化を支えるコンポーネントの1つが、データストリームライニングだ。この中心技術は、SDR(Scalable Data Referencing,拡張データ参照)と呼ばれており、同一データの送信がWAN経由で2回以上行われないようにする一連のアルゴリズムだ。たとえば、HTTPでダウンロードしたファイルを編集し、Windows のファイルサーバ(CIFS)にアップロードするときには、「Steelhead」上に保存されたデータを利用することでサーバ/クライアント間のトラフィックを削減し、スピーディな応答を可能にする。WANトラフィック量の削減率は 60〜95%というから、驚きだ。
中心機能 2 |
TCPオーバヘッドの削減 |
トランスポートストリームライニングはTCP のデータ転送を効率化するコンポーネントである。このコンポーネントに含まれるVWE(Virtual Window Expansion)と呼ばれる技術は、WAN高速化を促進するためにSDRと連携して機能し、より大量のデータ送信を可能にする。
また、サーバとクライアント間で発生する頻繁なTCPトランザクションが削減されることになるため、WAN経由で利用されるアプリケーションのパフォーマンスも向上する。このコンポーネントによるTCPオーバヘッドの削減率は 60〜98%である。
中心機能 3 |
サーバ/クライアント間の応答時間を改善 |
アプリケーションストリームライニングはアプリケーションのパフォーマンスを改善するコンポーネントである。これは、Windows ファイル共有(CIFS)、Exchange(MAPI)、MS-SQL、HTTP/HTTPS および NFSなど、特定アプリケーションのサーバ/クライアント間で発生する通信を予測することで、処理を高速化するというもの。これにより、サーバ/クライアント間のトランザクションが最低限ですむことになり、応答時間は65% 〜98%削減できるようになる。Exchange、Lotus Notes、ファイル共有などのよく使われるグループウェアでは最大100倍以上ものパフォーマンス改善になる。
WANの規模に応じて各種モデルを用意
WAN高速化装置の導入が容易にでき、かつ大きな効果を望めることがおわかりいただけただろうか。リバーベッドの「Steelhead」は、WANの規模によって、多くのラインナップを取りそろえている。下の図は大規模オフィス向けの製品を示しているが、他にも小規模オフィス向けや中規模オフィス向けのモデルも用意している。自社のネットワークの規模に応じて、導入を検討してみてはどうだろう。
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製品名 | Steelhead 3020 |
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メーカー | 米国 Riverbed Technology |
寸法 | 13.2 cm(高さ) x 45.0 cm(幅) x 64.7 cm(奥行) |
質量 | 40 kg |
電源 | 100-240V(50-60Hz) |
筐体タイプ | ラックマウント(3U) |
対応レイヤー | レイヤ4〜7 |
プロセッサ | 非公開 |
メモリ容量 | 非公開 |
内蔵HDD | 4 x 250 GB |
対応プロトコル | TCP/IP、CIFS、MAPI、HTTP、HTTPS、FTP、NFS |
スループット | WAN最適化容量 20 Mbps, 最適化TCP接続数 3500 |
LANインターフェース | 1000/100/10BASE-T/TX (注: Steelhead 100/200 には LAN インターフェース 1000 が装備されていません) |
その他特記事項 | RiOS4.0 からは HS-TCP および新規搭載の MX-TCP を全てのモデルでご利用いただけます。 |
価格情報 大規模オフィス/データセンタ向けモデル 補足説明 |
サポートエリア 全国 補足説明 |
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掲載企業
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