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» 2019年01月09日 10時00分 公開

事例で学ぶ! 業務改善のヒント:チャットbot導入で念願の“ハワイ旅行”に、激務すぎる担当者の喜び (1/2)

1000以上の項目がある社内規定について、従業員からの問い合わせが殺到していたメタルワン。チャットbotによって担当者の業務はがらりと変わった。同社のチャットbot導入プロジェクトとは。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 働き方改革が叫ばれ業務を自動化するツールが多く登場したが、いまだに人海戦術に頼る企業も少なくない。ツールは魔法の道具ではなく、導入して効果を出すまでに高いハードルがあるからだ。

 大手鉄鋼総合商社のメタルワンも業務の効率化が長年の課題だった。特に数千ページにも及ぶ社内規程への問い合わせ対応は、専門チームをもってしても大きな負担だった。「チャットbotで回答を自動化できたら……」。

 道のりは決して平たんなものではなかった。当初は「膨大な選択肢が表示されるだけで、求める正解に行きつかない」「日常的に使う言葉では、規程用語や専門的な内容を検索できない」といった課題が山積したのだ。

 だが、ある工夫を施すことでチャットbotの回答精度が、まるで問い合わせ対応のエキスパートの頭脳を移植したかのように改善した。その鍵は意外にもAIによる機械学習に頼り切らないことだった。

数千ページの社内規程、似たような質問が全社から殺到する

 2003年に三菱商事と日商岩井(現、双日)の鉄鋼事業を統合して生まれたメタルワンは、複雑な社内規程への問い合わせ対応に課題を抱えていた。規程や権限の項目は1000以上もあり、1つの手続きについて調べるにも複数の項目を参照しなければならない。営業現場の社員が自力で答えにたどり着くことは難しい。

三菱商事 炭元成介氏 三菱商事 炭元成介氏

 当時、同社の事業投資総括部に出向していた三菱商事 鉄鋼製品本部 戦略企画室長の炭元成介氏は「窓口として専門チームを設けましたが、例えば『こういうケースの投資案件の決裁権限はどうなるのか』など何度も同じ問い合わせが殺到して業務負荷が増大しました」と振り返る。

 社内規程はコンプライアンスやガバナンス、サービス品質に関わることだけに正確な回答が必要になる。一方で、ノウハウの属人化や人事異動などで回答の品質がぶれる可能性もあった。これは事業全体に関わる大きなリスクだ。

 業務の折々に生じる疑問に対し、チャットbotが社内規程の中から適切なものを選んで応答すれば、長年の課題を解決できるのではないか。同社のチャットbot導入プロジェクトが始まった。

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