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» 2018年12月03日 08時00分 公開

IT完全導入ガイド:”野球型”企業はもう古い? 「ハイパフォーマンス組織」になるためにストレスチェックをどう生かすか (1/3)

高いパフォーマンスを生み出す組織を作るには、従業員が力を発揮できる環境作りと適切な健康管理が必要だ。従業員の健康管理において、ストレスチェックは重要な役割を果たすが、実施するだけにとどまり、その結果を改善に生かそうとする企業は半数にも満たないという。企業は従業員の心のケアに対してどう向き合うべきか。

[岡垣智之,キーマンズネット]

 労働安全衛生法の改正をきっかけに、2015年12月に新設された「ストレスチェック制度」が開始して3年がたとうとする。2000年代以降、職場のストレスが深刻化する中、メンタルヘルス対策として始まった制度だ。従業員数50人以上の事業所には実施が義務付けられている。

 本来は、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止するための制度であるが、実施するだけにとどまり、形骸化してはいないだろうか。重要なのは、実施後の対応である。従業員の持つ潜在的なストレスを正確に把握できなければ、モチベーション低下の要因にもなる。この状況を放置すると、離職につながる可能性があり、これは人材不足の現在において大きな痛手となる。そこで、本特集ではストレスチェックの重要性を解説するとともに、職場の健康衛生管理を前に進めるためのコツについて紹介する。

約半数の企業がストレスチェックの実施目的を見失う現実

 ストレスチェック制度は「実施義務」と「努力義務」に分けられる。ストレスチェックを実施し管轄の労働基準監督署へ報告書を提出するところまでが「義務」とされている。ストレスチェック制度の実施目的を考えると、結果を基に、従業員の健康衛生状態を分析することが重要だが、義務化された最初の2年間は、準備や対応で精いっぱいな企業がほとんどだったという。対応項目は多岐にわたり、これを行うとなると相応のコストと人的リソースが必要となる。実施から対応までのフローをまとめたのが図1だ。

図1:実施から結果を基にしたケア(面接指導)までのフロー(厚生労働省の発表資料を基にアドバンテッジリスクマネジメントが作成と変更)(資料提供元:アドバンテッジ リスク マネジメント) 図1:実施から結果を基にしたケア(面接指導)までのフロー(厚生労働省の発表資料を基にアドバンテッジリスクマネジメントが作成と変更)(資料提供元:アドバンテッジ リスク マネジメント)

 厚生労働省 労働衛生課が2017年7月に実施した調査によると、ストレスチェック実施対象企業の82.9%は何らかの形でストレスチェックを実施しているが、そのうち、組織分析など改善に向けた取り組みまで行う企業は53%にとどまり、47%の企業がストレスチェックの実施だけで終わっている。だが、ストレスチェックの結果をケアしない企業は2019年以降、行き詰まる可能性がある。

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