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» 2018年11月26日 08時00分 公開

IT完全導入ガイド:400人の知人が採用候補――サイバーエージェントが挑むリファラル採用の軌跡 (1/4)

従業員に知人を紹介してもらう「リファラル採用」。サイバーエージェントでは、この手法によって半年で400人の採用候補を集めている。なぜ、多忙な従業員が紹介を“惜しまない”のか。その背景には、地道すぎる取り組みとあるツールの存在があった。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 採用コストが低い、企業にマッチした人材を採用できる、離職率が低い――多くのメリットを持つ、リファラル採用に多くの企業が熱い視線を注いでいる。リファラル採用とは、従業員の人脈を活用した採用手法のことだ。しかし、成功を収める企業がある一方、効果が出ないという悩みをもつ企業も多い。リファラル採用は、従業員がリクルーターとなって採用に関わるだけに、全社の認知度やモチベーションをどう上げるかという課題が多くの採用担当者を悩ませている。

 サイバーエージェントもこうした課題を抱えていた。なんとかして、リファラル採用を自社の文化として根付かせたい――こうした思いからリファラル支援ツールの導入や、地道な試行錯誤を行い、現在は半年で数十人もの人材をリファラル採用で獲得しているという。しかし、その道のりは決して平たんなものではなかった。今、多くの人事担当者が「参考にしたい」と注目する、同社のリファラル採用のトライ&エラーの軌跡を紹介しよう。

380もの求人枠をどう埋めるのか

 サイバーエージェントはインターネット広告やメディア運営を主力事業とする企業。創立から20年目を迎え、社員数は約5000人、120社以上のグループ会社を有する。平均年齢は31.9歳と若い働き手の多い会社だ。

 多様な事業を展開している同社グループは採用ニーズも多く、特に中途採用を受け入れる数は年間600人以上にのぼり、全体の採用しているポジション(求人ポスト)は約380を数える。多くの採用を短期間に実現するスピードも求められる。

 従来、同社は中途採用の1つの手段としてリファラル採用を推進してきた。しかし、同社は従業員にリファラル採用の制度が周知されない、求人にマッチしない人材の紹介が多い、部門間やグループ会社間の連携がスムーズにいかないといった課題を抱えていたとサイバーエージェント 中途採用チームの桑田友紀氏は話す。

サイバーエージェント 桑田友紀氏 サイバーエージェント 桑田友紀氏

 「メールを使った認知方法だけでは、従業員にリファラル採用の意義が届かず、紹介のアクションにまで結び付かないという障壁がありました。また、従業員が紹介する人材が、実際は採用ポストにマッチしていない問題もありました。他にも、当社グループ内での連携ができておらず、一部門で惜しくも採用に至らなかった人材を他の部門の選考フローに渡すことができないなど、機会損失につながっていました」(桑田氏)

 桑田氏は、リファラル施策を推進できる土壌やカルチャーができていないことが大きな課題だったと振り返る。こうした課題を受け、2014年に各事業部の人事部門とは別に、中途採用を専門に担当する中途採用チームを立ち上げ、リファラル採用の促進に本腰を入れた。

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