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» 2018年11月08日 10時30分 公開

イベントレポート・アーカイブ:RPA推進チームは学生、350体のロボットを操る大企業の知恵 (3/4)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

入社3年目、RPAラボの創始者が語る推進チームリーダーの資質

 RPAラボを率いる松本氏だが、講演ではRPA推進チームのリーダーどのような資質をえているべきかという見解も語った。リーダーは以下の4つの資質を持っていることが望ましいという。

(1)日々情報を仕入れているテクノロジーオタク

 AIやRPAの進化のスピードは速い。RPA推進のリーダーは、古い情報に固執せず、日々情報を仕入れて自分の頭の中を更新できなければならない。逆に、古い技術に固執するような人間はリーダーには向いていないという。また、真っ先に先端技術情報が公開される海外のサイトから知識を得られるよう、語学に堪能であることも重要だ。

(2)ビジネスの感覚があること

 ビジネス感覚を持った人でないとRPA推進のリーダーは務まらない。例えば、ロボットを100時間かけて作って1時間の業務削減できたのでは意味がないと分かるような、工数対効果の感覚を持っている必要がある。そのためには、RPAに苦手なことをRPAにさせないなどの勘所を押さえておくことも重要だ。

(3)「できる、できない」の予見ができること

 (2)の項目に通じるものもあるが、RPAをはじめ、どの技術で何を実現できるか、またはできないか、どうやって業務に適用できるかを見極められることも重要だ。

(4)単純作業に対して拒絶反応にも似た嫌悪感を持っていること

 単純作業が嫌い、地味な作業はやりたくない、という気持ちをモチベーションにできる人がリーダーに向いている。逆に、単純作業を目の前にするとコツコツやってしまうような真面目な人は向いていないという。

 松本氏は、この見解について「上司の受け売りだが」と前置きしたが、人材スカウトを中心事業とする同社ならではの知見だといえる。

まずは技術力を身に付ける、RPA推進の優先順序

 松本氏はこうして得た人材をプロジェクトの各フェーズで活用し、RPA推進をスムーズに進めている。具体的には、以下の3つの段階を踏んだ。

(1)技術力の強化

 最初にさまざまな業務のロボット化に挑戦し、知識を増やすことを実行したという。業務は業務部門に迷惑が掛からず、またコストがかからないものを選んだ。しかし、これは技術評価のために必要な作業であり、採算は度外視して多様な業務に取り組んだという。このフェーズは松本氏が一人で臨んだ。

(2)組織人員の拡大

 RPAで実行できると分かった業務が増え、技術を標準化できた段階で、学生インターンを採用し、ロボット開発のキャパシティーを増やすことに取り組んだ。

(3)仕入れ

 「仕入れ」とは各業務部門からRPA化の依頼を受けることを指す。この段階では、RPAラボメンバーが業務部門に赴き、社内営業を行ったり、RPA社内報でRPA活用のPRを行ったりした。この段階では、RPAラボの技術力もあり、開発体制も整っていたため、短期間で品質の高いロボットを開発し、実務に適用することが可能になった。依頼した部署で高評価が得られれば、評判が口コミで他部署にも伝わり、RPA化の依頼件数が増えていくという。

 松本氏によれば、技術力を身に付けてから、仕入れを行うという「優先順位」の付け方が非常に大切だという。

 「自分自身がロボットで何ができるかよく理解しないまま業務部門に社内営業をかけても、『その仕事はロボットには無理』といわれてしまいます。まずは、自分で技術力を高めて、ロボットにできることを説明できるようになってから営業をしなければなりません。また、RPAを採用した部署からの評価はとても重要です。技術力や開発体制が不十分なまま、複雑で大規模なプロジェクトにとりかかれば、開発スピードの問題、品質の問題などが生じやすくなり、最悪な場合は計画が頓挫します。このようなことが起これば、社内に『RPAは使えない』という評価が広がってしまう。それではRPAは根付きません。早期に大型プロジェクトに取り組むと、期待が大きいだけに失敗した場合のリスクは非常に大きくなるということです。まずは、RPA推進チームが技術力を付けるところから始める必要があります」(松本氏)

 逆に、依頼した部署で高評価が得られれば、評判が口コミで他部署にも伝わり、RPA化の依頼件数が増えていくと松本氏は話した。

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