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» 2018年11月07日 16時30分 公開

直前になって慌てないための「改元対応虎の巻」:リスク山盛りで情シスは大丈夫か "改元システム対応"の近道とは? (1/3)

今回の元号改正による既存システムへの影響は限定的だと楽観する企業もあるだろうが、中には想像以上に時間を要するケースもある。本特集では、「いつまでに何が必要か」をまとめ、対応が厄介なケースと注意点について説明する。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 2019年4月30日で「平成」の時代は終わり、同年5月1日から新元号の時代が始まる。昭和から平成への切り替えを経験した企業は、当時、システムの改元対応を済ませたからと楽観してはいないだろうか。昭和から平成に変わったのは、もう30年も前のこと。それからずっと同じ状態でシステムを使い続けていれば、心配もないだろうが、30年もたつとその間に改修や機能追加を行っている可能性は大いにある。昭和から平成への改元時にシステム対応したエンジニアが今も在籍しているとも限らない。そのため、前回の改元で対応した企業も、後になってトラブルが発生しないように、改めて自社のシステムを見直す必要がある。

 そこで、本企画では2019年の改元に備えて対応前に考えるべきポイントや対応スケジュールの組み方、対応が“厄介”なケースなどについて2回の短期集中連載で情報を整理、今から確認しておくべき事柄をまとめる。

経産省が発信した「改元に伴うシステム対応」に必要な基礎項目

 平成への改元を経験した企業は、既に西暦和暦の変換処理を組み込むなど、何かしらの対応を施した企業も少なくないだろう。だが、前回の元号改定を経験していない企業では、まだ具体的な対応を考えていないケースもあり得る。円滑なシステム対応を進めるために、経済産業省は各業界団体に向けて、「改元に伴う情報システム改修等への対応について」という周知文書を発信した。その要点は次の通りだ。

改元に伴う情報システム改修等への対応について

1.情報システム改修等の対応

(1)元号をデータとして保有している場合、元号データの変更や追加または西暦データへの統一化

(2)書面やシステム上に元号や「元年」を印字・表示している場合、印字・表示内容の変更

(3)西暦と和暦との変換処理を行っている場合、変換ロジックの変更または変換テーブルへの登録

(4)他の事業者や関係機関のシステムと情報連携している場合、当事者間での対応策の必要性確認

(5)その他、必要な対応

2.事務・運用面の対応

(1)元号の記載が含まれる証書・帳票等の記載の変更

(2)旧元号が記載された状態で利用が想定される契約書等の証書や帳票等の取扱の明確化

(3)運転免許証等の官公署発行の証明書等に旧元号が残る場合でも、有効な証明書等として受け付ける措置

(4)顧客に影響が生じうる事項への対応策等に関する顧客への十分な周知

(5)その他、必要な対応

出典:「改元に伴う情報システム改修等への対応について」(経済産業省)

 この文書には、情報システムの新元号対応に必要な基礎事項が記されている。ただし同文書では、新元号対応が間に合わないことも想定しており、優先順位を付けた対応が必要と付記してある。その場合には、旧元号と新元号が混在することを想定した運用が必要になることも留意すべきだとしている。

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