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» 2018年08月06日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:約7000人の従業員に活用を促した、電通のRPA導入成功の鍵 (1/3)

全社約7000人の従業員を抱える電通では、全社を対象とした大規模導入を行い、約600もの業務へのRPA大規模適用させ、継続的な効果を創出している。同社の大規模導入の手法、スケールのポイントは?

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 RPAの導入が進む中で、PoCを終え、本格導入に進もうという企業が増えてきた。しかし、多くの企業が苦心するのは、社内でRPAが普及する環境を整えることだ。

 全社約7000人の従業員を抱える電通では、全社を対象とした大規模導入を行い、継続的な効果を創出している。異例ともいえる大規模導入を成し遂げた鍵は、同社のRPA推進エンジンである「ロボット人事部」だ。本稿では、ロボット人事部のマネジメントを担う電通 ビジネスプロセスマネジメント局 局長の小柳 肇氏に、同社の大規模導入の手法、スケールのポイントなどを聞いた。

約1年で600業務の自動化――類を見ない大規模プロジェクト

 小柳氏は「RPA導入はトップダウンで決まり、全部署に対して一斉にRPAの活用を呼びかけました」と振り返る。2017年3月から同年末までにRPA適用業務を400業務まで急速に増やし、「月間で1万2000時間を創出」「媒体社ヒアリング集計作業が3時間から数秒に短縮」といった効果を発表した。さらに現在も拡大しており、大きな時間が創出されている。

 背景には、働き方改革への取り組みがあった。改革に伴う業務量の実態調査では、業務部門の多くの時間が煩雑で単純なオペレーション業務に費やされていたことが明らかになった。部署によっては実に47%がオペレーション業務だったという。単純作業に追われることで、生産性が落ち、さらに思考を伴う業務の時間が少なくなる。この負のサイクルを抜け出し、思考を伴う業務の拡大によって、付加価値を生むためにRPAが導入された。

 トップダウン型のRPA導入事例は少なくないが、このように初期から大規模導入を実施するケースは類を見ない。また導入後1年に満たない段階で大量のロボットを稼働させ、定量的成果を示すケースもまれだ。

 しかし、同社の導入手法や社内啓蒙への取り組み、運用体制には、RPAのスケールを目指す企業が見習うべき点が多々ある。

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