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» 2018年06月13日 10時00分 公開

事例で学ぶ!業務改善のヒント:脱オフコンが見えてきた! 10カ月で2国2社統合、旭化成はどう乗り切ったか (1/3)

突然のオーダー「2社2国をまたぐERP統合、10カ月で本稼働させてね」さてどうする? 旭化成グループのIT基盤を担う担当者に聞いた。

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]

 旭化成繊維事業本部では、「ベンベルグ」「ロイカ」などの衣料系素材、「エルタス」「ベンリーゼ」「ラムース」「ユーテック」といった資材系素材を幅広く扱っている他、伸縮電線「ロボ電」や着色セルロースナノ粒子「NanoAct」の開発を手掛けている。国内だけでなくグローバル展開も進めており、中国、タイ、イタリア、ドイツなどに事業を拡大している。.「あと10カ月で2社合弁で会社を立ち上げる計画がある」――極秘に計画が進められた合弁企業設立、IT担当者が聞かされたのは設立の10カ月前だった。


(注)本稿は、グローバルでERPシステム導入に実績を持つパシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)による、導入事例セミナー「気になる!?あの会社のシステムデザイン“業務システム構築事例”セミナーPart2」(4月11日)のうち、事例講演「海外現地法人へのMicrosoft Dynamics NAV構築事例および旭化成本社繊維事業本部としての今後のITへの取り組み」を元に編集部で再構成した。



 旭化成 繊維事業本部では、「ベンベルグ」「ロイカ」などの衣料系素材、「エルタス」「ベンリーゼ」、エアバッグなどの工業製品向け素材「レオナ」、人工皮革「ラムース」、油水分離フィルター素材「ユーテック」といった資材系素材を幅広く扱っている他、伸縮電線「ロボ電」や着色セルロースナノ粒子「NanoAct」といった、先進的な製品開発も手掛けている。国内だけでなくグローバルで製品展開を進めており、中国、タイ、イタリア、ドイツなどに事業を拡大している。

繊維事業本部のグローバル展開の状況 欧州やアジア各国に製造、販売拠点がある

拠点ごとにばらばらのシステム、見えにくい情報をグループで一元化へ

 積極的なグローバル展開につきものなのが、現地法人の立ち上げに伴うIT導入、現地関連会社との情報連携の最適化といったIT化やIT刷新だ。地域や条件によって、現地企業から事業譲渡を受けたり、あるいは現地法規に則した合弁会社を設立したりする必要があることも少なくない。

 繊維事業本部のIT計画について、旭化成 繊維事業本部 企画管理部 業務推進室 室長の深沢 修氏は、「繊維事業本部が管轄する関係会社のシステム化とIT推進が大きなテーマ。具体的には、関係会社の業務レベル向上を図るために、各社業務システムのERP化を進めている。また、本社と関係会社間の情報共有に向けて、セントラルデータベースの構築による生産、販売、在庫の見える化や、グループ連結会計システムを活用した効率化、生販在データの分析、グループ会社のネットワーク化などに取り組んでいる」と説明する。

 もともと関係会社が持つERPシステムは個別の予算で個別に導入されていたため、Microsoft Dynamicsもあれば、SAP R/3やInfor RN、FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PRONESなど、企業ごとに製品はまちまちだった。これを効率化するための方法を検討していた。

旭化成 繊維事業本部 企画管理部 業務推進室 室長 深沢修氏
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