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» 2018年03月26日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:徹底解説!総務アウトソーシングの導入ステップと注意点 (1/3)

間接部門の仕事を外注する総ウトソーシングサービスへの注目度が高まってきている。導入の際に検討すべき事項や、アウトソーサーを選ぶ際のポイントを説明する。

[小池晃臣,タマク]

 深刻化する人材不足や本格化する働き方改革などを受けて、間接部門である総務の仕事の一部を外注する総務アウトソーシングサービスへの注目度が高まってきている。とはいえ、自社業務を切り分けて外部に任せる以上、何も準備せずに丸投げするわけにもいかない。総務アウトソーシングは、思い立ってすぐに始められるようなものではなく、経営的な視点での戦略が必要だ。まずは、導入するに当たって具体的に検討しなければならないことを挙げる。

経営戦略の1つとして、総務のコア業務を定義する

 総務アウトソーシングの検討を進める前に、まずは自社における「総務」の存在意義について見直すことが必要だ。前編でも解説したように、アウトソーシングの目的は、総務がコア業務に集中できる余力を捻出すること。そこで、企業として「総務部門に何を担わせるのか」を熟考し、ノンコアな業務は何か、外注してもよい業務は何かを決めていく

 この過程を省いて既存の仕事をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に任せてしまえば、単に総務という組織と仕事を縮小するにすぎず、社内での総務の存在意義を失うことにもなりかねない。総務部門の価値が下がれば、やがては会社そのものの弱体化にもつながってしまう。

 アウトソーシングを行う前には、総務部門が自ら中心となって、経営者とコミュニケーションを重ねながら既存の業務を洗い出し、切り出す業務を詰めていくべきだろう。余剰となった人材の具体的な活用方法なども決めておくようにしたい。

業務改善の王道は1やめる2減らす3変える

 総務アウトソーシングを行うということは、業務改善を進めるということに等しい。業務改善は、「やめる」「減らす」「変える」の三段階で進めるという鉄則がある。まず、不要という結論に達したものは止める。次に、やめられなくても縮小できる業務であれば全体のボリュームを減らしたり、質を落としたりする。そして最後に、やめることも減らすこともできない業務は、根本的にやり方を変えるのである。この「変える」の段階で、選択肢の1つとして浮上するのがアウトソーシングだ。外部で任せられることは積極的に外出しすることが推奨される。

「定型業務」と「判断業務」を1つの指標に

 では、アウトソーシングに向いている業務をどのように判断すればよいのか。一般的には、「定型業務」なのか「判断業務」なのかといった区分をし、定型業務を外部へと切り出す方法がある。しかしながら、その区分は、企業によって異なってくるはずだ。例えば、ルーティンワークであっても、プロセスの途中で経営者の判断が必要なものであれば、外注することで逆に効率性が落ちるかもしれない。判断が難しい際には、アウトソーサーが提供するコンサルティングを受けることをお勧めする。

 その場合、コンサルタントがヒアリングを行い、既存の業務をドキュメントに落とし込んで、定型業務か判断業務かの切り分けを行う。これだけでも、既存業務の可視化ができるので、業務改善の第一歩となる。

セクショナリズムを打破し、部門をまたいで業務を切り取る

 総務の仕事をアウトソーシングする際には、各部門をまたいだ業務全体を最適化するという意識が必要だ。総務部門の仕事は広範に及ぶため、同じ仕事が別の部署で重複していることもある。これでは人的リソースの無駄遣いだ。そこで、アウトソーシングを利用する際には、総務部門に限らず会社全体を見渡して「重複している業務はないか」「アウトソーシングに向いているノンコア業務がどこにあるか」を洗い出し、まとめて外注することが好ましい。これによって、全社的な最適化を図ることが可能だ。

 また、総務部門で各業務をそれぞれの担当者が専任している場合には、他部門から見て依頼する窓口が複数存在することになり、手続きが複雑になりやすい。結果的に、会社全体の業務の流れを阻害することにもなるだろう(図1左)。この対策として、アウトソーサーによっては、総務部門内に運用チームを立ち上げ、企業のコンシェルジュセンターとして運用を行うような場合もある。他部門からの窓口が1本化されるため、会社全体としての最適化にもつながる。

独立コンシェルジュセンター化の例 図1 独立コンシェルジュセンター化の例(出典:NOCアウトソーシング&コンサルティング)

 自社にとって適切なアウトソーサーを選ぶことも重要な課題だ。単に安いというだけで業者を選びに失敗するケースも多い。コストだけでなく、アウトソーサーごとの性質や、これまでの実績もきちんと見極めねばならない。また、ビジネスパートナーとしての関係性を構築することも大切だ。

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