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» 2018年03月20日 10時00分 公開

事例で学ぶ!業務改善のヒント:「RPAをお祭り騒ぎにはしない」三菱東京UFJ、RPAへの全力投球 (1/3)

RPA活用の国内での先駆者として知られているのが三菱東京UFJ銀行に導入のいきさつと活用ノウハウを聞いた。企業規模問わず参考にしたいRPA活用の極意や、序盤では「RPAとマクロとの決定的な違い」も紹介しよう。

[小池晃臣,タマク]

 働き方改革の一助になるとして熱い視線を集めているRPA(Robotic Process Automation)。そのRPA活用の国内での先駆者として知られているのが三菱東京UFJ銀行だ。「RPAを一時のお祭り騒ぎにしては意味がない」の言葉にもあらわれた確固たる意志を持って、全力投球の改革を見せる。

 本稿では、同社のRPA導入のいきさつと、そこから得られた活用ノウハウなどについて、三菱東京UFJ銀行デジタル企画部 上席調査役の西田良映氏に話を聞いた。同氏が語った、企業規模問わず参考にしたいRPA活用の極意や「RPAとマクロとの決定的な違い」も紹介しよう。

マクロとの違いが、RPAの本質

 ところで、「RPAとマクロプログラムを決定的に分かつものは何か」という疑問に答えられるだろうか。西田氏は、その違いこそがRPAについての議論で見失いがちな「本質」だと強調する。

 「RPAというのは“Robotic Process Automation”という名が示す通り、本質は“Process(業務のフロー)”の自動化であって、単なる“Operation(操作)”の自動化ではありません。そこが、細切れの操作を自動化するマクロプログラムとは決定的に異なる点だと考えます。また、管理機能やエラーなどに対する制御機能によって、プロセスを安定的に実行できるようになったものがRPAだといえるでしょう。こういったRPAの本領を発揮させるためには、まず既存の業務における一連のフローを可視化し、必要に応じて変化させ、どのプロセスならばロボットに任せられるかを検討しなければいけません。この『一連』に目を向けることがポイントになるのです」(西田氏)

西田良映氏 三菱東京UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役 西田良映氏

ブームに先立つ2013年からRPAに着目

 西田氏らがRPAのようなプロセス自動化ロボットに注目し始めたのは2013年ごろ。西田氏は、最初から業務効率化に照準を当てていたわけではなく、デジタルマーケティングの一環として、Web上でさまざまな情報を集めワンストップで提供するサービスに使用したいと考えていた。すなわち、情報を集めて統合するエンジンとしてRPA活用の可能性を探っていたのだ。

 西田氏は、2013年7月にこの分野のリーディングカンパニーの1社である米国Kapow(現Kofax)本社を訪問している。「導入事例などを聞くうちにイノベーションを促すツールになる」と確信したという。

 その後、具体的にRPAが何に活用できるのかを調査するため、さまざまなPoCを実施していった。とりわけ、2014年ごろから全社的に業務改革の意識が高まったことを受け、同年7月に国内外の拠点や事務センターに残る手作業を効率化する施策が立ち上がった。

 同年末には、早くもパイロットプロジェクトが動き出す。検証の対象になったのは、融資事務センターにおける住宅ローン団体信用生命保険申込書の点検業務だ。従来、担当者が紙で1枚ずつ確認していた、保険会社へ提出する書類と住宅ローンの明細との突合作業をRPAで自動化した。その結果、際立った作業時間削減が確認されたという。この成功を受けて、2015年春には同様に効率化が可能な手作業事務にもRPAを展開していった。

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