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» 2018年03月05日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:脱Excelに効く「業務アプリ開発プラットフォーム」 (1/4)

Excel作業は何がダメなのか? Excel方眼紙や集計、分析、進捗管理などでExcelを活用すると何が問題なのか。業務アプリ開発プラットフォームによる脱Excelの方法を紹介する。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 「働き方改革」の掛け声は現場に歓迎されているだろうか。「業務を合理化しましょう」と言うのは簡単だが、実行するのは難しい。そこで今の業務を少しでも効率化するために、現場の課題を専用アプリで解決できる「業務アプリ開発プラットフォーム」に注目したい。

 これは開発現場の合理化の話ではない。業務現場で抱えている不合理を、業務部門自身の手で解決するためのツールである。従来はこれにExcelが利用されてきたがこれには問題が幾つもあった。今回は「脱Excel」すべき理由と業務の移行先としての「業務アプリ開発プラットフォーム」の有望性について考えてみる。

Excelを業務システムとして利用するメリットとデメリット

 ビジネス現場での情報共有や業務結果の集計、報告に利用できるツールは数多い。だが最も普及しているのはExcelに違いない。Excelは表計算ソフトといいながら、マクロも組めればデータベースといった使い方にも対応でき、帳票設計・利用のプラットフォームとしても使い勝手が良い。しかしそんな多機能性が時に裏目に出ることがある。例えば次のような使い方をされていないだろうか。

Excel方眼紙という使い方

メリット

 Excelの列の幅と行の高さを同じにして、方眼紙のような正方形のマス目をつくり、必要なセルを結合して帳票フォームを作るのが「Excel方眼紙」だ。フロー図を描くのも簡単、図版や写真データをきれいにはめ込むのも容易。少数のメンバー間での情報交換や共有、1回限りの会議資料作成などには好適だ。

デメリット

 帳票を作るときにはいいが、帳票を運用したり、データを分析したりするのには難がある。例えば、業務報告のフォームを作ってメールで配り、スタッフが指定セルに数字や文字を記入して返信し、管理者は返信された各ファイルを開いて、中身を管理用のExcelシートにコピーして保管する。検索性は紙の運用より多少良いとしても、データハンドリングの自由度は極めて限定的だ。

進捗(しんちょく)管理表としての使い方

メリット

 作業単位(WBS)ごとに予定工程と進捗をグラフィカルに描くガントチャートがプロジェクトの進行管理によく使われている。Excel方眼紙ではチャートを描くのが簡単なので、プロジェクト単位のExcel工程表を作って共有するのが一般的なやり方。プロジェクトの立ち上げ時には便利である。

デメリット

 一部の工程が遅れたり、追加タスクが発生したりした場合、チャートの作り替えには細心の注意が要る。1つのタスクが1日遅れるだけでも、多くのタスクが並行していると影響範囲がすぐに分からない。少しの変更でもそのたびに作り替えになるため、運用面で利便性が高いとはいい難い。

報告、通知などの入力フォームとしての使い方

メリット

 最終的には集計や分析したいデータを、Excelを利用して集める使い方もある。例えば売上金額などを店舗でExcelに入力してセンターに送り、複数店舗の結果を集計、分析するというような使い方だ。社外パートナーからの情報取得にもよく使われる。入力規則やフォーム機能で入力ミス予防もできる。関数やマクロを使って作りこんだシート使って集計、分析するのも簡単だ。

デメリット

 Excel入力フォームを相手に送り、記入して戻してもらう手間はExcel方眼紙の報告書と同じ。シートのコピーや、戻りが遅い場合の督促などの負担がかかる。リアルタイムでの集計、分析は難しく、多人数で長期間運用すると管理者の負担が増える。

グループ内の共有

メリット

 各種資料や業務データを記載したExcelファイルをファイルサーバに置き、グループメンバーがアクセスして内容の更新、追加ができるようにする。データのコピー、転記の必要がないので管理者の手間がかからない。

デメリット

 同時に複数のメンバーが同じファイルを編集できず、業務効率を落とす可能性がある。Excelの共有機能もあるが、効果的に利用できている例は少ない。またメンバー全員が使い方を熟知していないと、修正してはいけないマスターデータを改変、削除してしまうようなミスが起こりやすい。またローカルPC上やファイルサーバ上に同一書類の異バージョンが複数できてしまうのが常で、ルールを決めていないとバージョン管理が煩雑になる。

集計分析などBI的使い方

メリット

 多数の関数とVBAが利用でき、豊富なグラフ機能が備わっているので、データ集計や分析を多様な角度から行える。作り込めば基幹系システムからのデータ抽出や活用も可能。

デメリット

 関数とVBA活用を前提にすれば、いわば万能のツールではあるが、どのようなロジックを組み込んでいるのかの解析が困難。全体を把握しないまま一部の関数を直せばそれが思わぬ部分に影響してエラーが出るようなことが起こりがちだ。結果として作成者だけがメンテナンスできることになり、異動や退職などが生じると、ほとんどブラックボックス化してしまう。

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