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» 2017年12月14日 10時00分 公開

イベントレポートアーカイブ:RPA活用で20人×10日の作業が1日に、離職率も低下……3つの先進的な導入事例 (1/4)

「RPAを一度導入してしまえば、手放せなくなる」――そう強調するアビームコンサルティングが、RPA業界の動向や同社の知見を発表した。本稿では、同社が指揮したRPAの特徴的な導入事例や企業の導入状況を紹介する。

[溝田萌里,キーマンズネット]

 「RPAを一度導入してしまえば、手放せなくなる」――そう話すのはアビーム 戦略ビジネスユニット執行役員 プリンシパルの安部慶喜氏だ。

 RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアに人間の行う作業手順を登録することで、手順通りに仕事を進める「お仕事自動化ロボット」。データの転記や入力などの単純作業を「素早く正確に行う」ことに加え、システム開発よりも低価格で導入できるというメリットが注目を集める。

 そうした情勢の中、RPA導入を支援するアビームコンサルティングは12月7日、RPA業界の動向や同社の知見を発表した。その内容を2回に分けてお届けしたい。前編となる本稿では、同社が指揮したRPAの特徴的な導入事例や企業の導入状況を紹介。そして後編では、既にRPAを活用している企業の悩みとその解決策を解説する。

20人×10日の作業が1日に、離職率も低下……先進的な導入事例3選

OCR×RPAで売掛金消込作業を自動化

 安部氏は、同社が導入を指揮した事例の中から特徴的なものを3つ紹介した。1つ目は、OCRという文字認識技術とRPAを組み合わせ、売掛金処理を自動化した事例だ。導入後には、大幅な処理工数とミスの削減を実現したという。

図1 売掛金消し込み作業を自動化した事例 図1 売掛金消し込み作業を自動化した事例

 売掛金消し込み処理とは、売掛金での取引があった場合に、支払明細と入金データを照らし合わせ、既に入金が完了しているデータを消していくこと。これによって売掛金が請求通りに回収できているか、データ上の残りの売掛金が実際の入金でズレていないか、回収の遅れが出ていないかを確かめる。

 この作業を自動化する前は、多大な工数がかかっていたと安部氏は説明する。すなわち、支払い明細書と入金データを照らし合わせ、データが一致した場合には、売掛金の消し込み処理をし、処理が終わったタイミングで承認者に通知メールを送付、承認者が最終確認を行うという流れを人力で行っていた。

 一方、RPA導入後には人間の作業は、支払い明細書をPDF化すること、そして承認者が最終確認をすることの2つだけに縮小された。ここでは、紙の明細書をPDF化することで、デジタルデータへと変換するという最初のステップがポイントだ。PDF化された支払明細書の内容は、OCR技術を介して、RPAが読み込むことのできるCSV形式のデータに変換される。その後RPAがその内容と基幹システム内のデータを照らし合わせ、情報に食い違いがない場合には消し込み処理を行い、承認者に通知メールを送るという仕組みだ。

 「人間が行う作業の省力化につながった」と安部氏は説明する。

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