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» 2017年11月20日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:クラウドWi-Fi選びのポイント (1/4)

同じように見えても、ハードウェア実装や無線制御の仕組み、無線に関する考え方など、利用するサービスごとに違いが出るのが「クラウドWi-Fi」。どんな点に注意すべきなのか。

[酒井洋和,てんとまる社]

 クラウド上で管理できる無線環境、いわゆる「クラウドWi-Fi」。見た目は同じようなサービス形態でも、実際にはハードウェア実装の相違点や無線制御の仕組み、無線に関する考え方の違いなど、利用するサービスごとに違いが出るものだ。クラウドWi-Fiを検討する上で念頭に置いておくことや注意すべき視点などについて整理してみたい。

ベンダーごとに異なるサービス実装の違い

 クラウドWi-Fiとして提供されているサービスは、提供している企業の得意分野やサービスモデルに応じてそれぞれ提供範囲が異なっている。無線LAN環境だけを提供するサービスもあれば、スイッチやルーターを含めたネットワーク環境全般、そして業務活用できる付加価値サービスまで含めたものまで千差万別だ。

 どの環境を選択すべきかは、自社の環境に求められるソリューションの範囲を見極めた上で、必要なものをきちんと精査することが重要になる。例えば拠点ごとにセキュリティ機能を実装するのであればゲートウェイとしてのUTMが役立つが、ネットワーク設計上拠点のトラフィックを全てセンター側に集中させた上で外部に抜けるような構成を取っているのであれば、そもそも拠点ごとにUTM機能を実装する必要性は薄くなる。

 機能は豊富であっても、自社の環境に適しているかどうかの判断はしっかり行う必要がある。また、必要な機能があっても、クラウドWi-Fiのサービスのなかで統合管理することが必要なのかどうかも見極めておきたい。

オープンなのかクローズドなのか

 IEEE 802に代表される無線LANに関する規格はどの企業も共通で、相互互換性は保証された形で実装されていることはご存じの通り。ただし、規格化されていない機能は実際に各サービスともに多く実装されている。

 しかも、運用管理をシンプルにするために各社独自の機能が実装されており、その部分は全てオープンな規格ばかりが採用されているわけではない。ベンダーによってはあえて自社独自のクローズな環境で、運用管理負荷を大きく軽減できるようなポリシーを持つところもある。逆に、オープンであるが故にベンダーロックインされず、将来的な投資保護につながると考えるベンダーもあるだろう。

 このような考え方の違いがサービスによって異なっていることはしっかり認識しておきたい。どちらがベストなのかは企業によって考え方が異なるが、運用に手間を掛けたくないのであれば、あえてベンダーロックインされるという考え方もあることは念頭に置いておこう。

バンドステアリングにおける考え方の違い

 無線LANは、現在2.4GHzと5GHzの周波数帯を利用したものが中心となっており、各サービスともに独自の考え方で帯域間の移動、つまりバンドステアリングを行っている。

 具体的には、2.4GHzが一般的に広く利用されていることから、あえて最初から5GHzへの比重を高めるベンダーもあれば、双方の周波数の比率を同等にし、同じ人数を振り分けるといったバンドステアリングの考え方を実装するところもある。

 他にも、現場に設置されたAP同士が会話をし、その環境に応じて最適なバンドステアリングをその都度実行するところもある。それぞれ考え方が異なっており、それぞれの考え方には一理ある。バンドステアリングの考え方に違いがあることをしっかり認識しておこう。

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