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» 2017年10月26日 10時00分 公開

イベントレポートアーカイブ:「午後の体調は“土砂降り”でしょう」体調予報で休憩が増える? (1/3)

体調を予言できるシステムがあったとしたらどうだろうか。「午後のあなたの体調模様は“土砂降り”です」と予報されようものなら、休憩時間が増えるのか。安全運行サポーター協議会の取り組みを紹介する。

[溝田萌里,キーマンズネット]

 商用車の運転を務めるプロドライバーの健康状態を予言できる技術があるとしたらどうだろうか。プロドライバー不足問題が深刻化する中、繁忙期には1人のプロドライバーにかかる労働負担が重くなり、心身への負荷が事故を誘発する危険性も高まる。昨今ではプロドライバーの健康疾患に起因した痛ましい事故が発生していることも事実だ。企業がプロドライバーの健康状態を把握し、事故を予防するための対策を打つことは必須だといえるだろう。

 そうした時勢の中「プロドライバーの健康状態を予想し、安全運行に役立てる『体調予報』システムの開発に力を入れている」と話すのは、安全運行サポーター協議会、安全・健康プラットフォームWGで主査を務める北島洋樹氏だ。同氏は、「CEATEC JAPAN2017」(幕張メッセ、10月3〜6日)のカンファレンスに登壇、同ワーキンググループで福主査を務めるタニタの新藤幹雄氏とともに「事業用自動車の運転者の安全・健康管理におけるヘルスケアウェアラブルなどの活用」と題する講演を行った。

 本稿では体調予報システムよって企業がプロドライバーの体調や健康を管理し、事故を防ぐ方法について、講演会の内容を基に紹介する。また、後半ではCEATECの展示会ブースに展示された自家用車も含めた車両ドライバー用のウェアラブル機器や車載センサーなどに注目したい。

高血圧になりやすい? ドライバーの健康実態

 講演では、新藤氏が運転者の健康に起因した事故の発生状況について説明。プロドライバーにおいては、一時の不調だけでなく、生活習慣病など日常生活に起因する不調が大きな事故の直接的な原因となり兼ねないことを示し、日頃からプロドライバーの健康や体調を管理することの重要性を訴えた。

 同氏がその根拠として示したのは、国土交通省が公表する「自動車運送事業用自動車事故統計年報」(平成25年度/平成27年3月発表)。平成25年度において事故を誘発した運転者の疾病を見ると、脳疾患や心疾患、糖尿病や高血圧といった生活習慣病に起因したものが多く並んでいることが分かるという。

図1 平成25年に発生した重大事故のうち、運転者の健康に起因した事故の発生状況 図1 平成25年に発生した重大事故のうち、運転者の健康に起因した事故の発生状況

 ドライバーは生活習慣病を患う傾向にあるのだろうか。安全運行サポーター協議会が40代のプロドライバー41人を対象に行った調査では、全体の40%以上が生活習慣病の1つである高血圧に分類され、同年代の一般男性と比較しても高い割合の数字であることが分かっていると新藤氏は説明する。

図2 ドライバーの健康状態 図2 ドライバーの健康状態

 「生活習慣病を患っているプロドライバーにおいては、過労やストレスといった二次的要因が脳疾患や心疾患などの症状を引き起こし、結果的に突発事故を招く」と新藤氏は考察。こうした事故を防ぐためには過労運転の防止や運転状況の監視といった労務管理に合わせて、ドライバーの健康管理を行うことが重要だと主張した。

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