シンクライアントの仕組み導入によって、どのような効果が生まれているのか。図4で示した通り、導入前には情報漏えい対策とコスト削減への期待が大きかったという同社。しかし、仮想PC型のシンクライアント環境が整った後は、情報漏えい対策への有効性はもちろんのこと、その他にもさまざまなメリットを実感していると千田氏は話す。以下で順番に紹介したい。
まず、導入前から期待を持っていた情報漏えい対策においては、効果を実感したという。具体的には、PC内にデータを保存できないこと、USBなどの外部端末を接続できないこと、さらに仮想化移行後は仮想デスクトップをサーバ側で集中管理できるために、セキュリティの強化が可能となったことが便利だったと千田氏は話す(図5)。
またその他のメリットとして、テレワーク推進への効果が大きかったこと、会社で配布した端末が故障しても、他の端末を仮想PCに接続することですぐに使用可能になること、各種サーバがセンターに集約することでアクセスが高速化したこと、開発環境の構築が可能になったということを挙げている。
とりわけ、千田氏が強調したのはテレワーク推進への効果だ。千田氏によれば、情報漏えいへの対策が強化されると、端末を社外に持ち出して作業をするテレワークの可能性も広がる(図6)。
「サテライトオフィスはもちろんのこと、移動時間や出張、在宅勤務の際もPCを持ち出して安全に作業することができる」と千田氏は話す。前述したように、仮想PC型はサーバ側で処理した結果を画面に転送する技術であることから、どの端末で画面を受信しても作業データがクライアントPCに残らない。加えてヤマトシステムが導入しているVMware Horizonはマルチデバイスに対応しており、WindowsだけでなくAndroidやiOSといったモバイル端末、macOSやLinuxの入った端末でも動作するため便利だと千田氏は話した。
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