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SNSのブラックボックスをどう開く? JALが実践したデータドリブンなチームの作り方事例で学ぶ!業務改善のヒント(2/5 ページ)

» 2017年07月27日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

共通指標で評価できる環境が必要だった

 課題はデータの取り扱いだった。SNSはサービスが変われば取得するための指標や取得できるデータも変わる。例えば、Aという施策とBという施策を実行したときは、FacebookやInstagramとTwitterとでは異なる反応が起こることがあるため、それらを評価する指標やデータが変わってくる。

InstagramとTwitterでの情報発信の例 InstagramとTwitterでの情報発信の例 画像左から、Instagramの公式アカウント、Twitterの公式アカウント、Twitterの運行情報発信用アカウント。複数のチャネルで目的ごとに情報を発信している(SNSアカウントの画面を編集部で加工)

 「まず、A、Bそれぞれの施策について、異なる機能やサービスを持つSNSを横断してどう違うのかを可視化する作業に難しさがある。また、それらを施策単位でまとめて定量的に比較するのも難しい。共通の指標やスコアを作るには、手動でのデータ収集や加工が必要だった」と山名氏は振り返る。

 従来は、詳細な分析が必要な場合は、SNSやソーシャルリスニングツールなどからデータをダウンロードして、その都度Excelで加工してから分析にかけていたという。分析に時間と手間がかかることもあり、分析よりも都度の投稿作業に関心が向いてしまうことも弊害になっていたという。

 「投稿することに集中して分析を怠ると、次にどんな投稿をすれば高い効果を期待できるかといった判断がつかない。投稿への反応を簡単に分かるようにしたり、必要な場合は自分たちで作り込みができたりする環境の整備が必須だと感じた」(山名氏)

 そこで目をつけたのが、SNSやソーシャルリスニングなどのデータなどを統合して分析できるツールだ。2016年11月頃から実際に利用しているユーザーに話を聞いたり、セミナーに参加したりして情報を収集、まずは7製品ほどに絞り込んで評価を始めた。

 選定にあたって重視したのは、クラウド(SaaS)型で簡単に利用できること、必要な場合は独自にデータ加工ができること、ツールベンダーのコンサルタントがSNSのAPIに対する知見を持っており、かつ独自の作り込みをサポートしてもらえる体制があること、対象データの種類や件数が増えてもコストがかさまないこと、などだ。

 選定の過程で2候補にまで絞り、PoCを実施。その結果を受けて採用されたのが「Domo」だった。

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