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今さら聞けない、セルフサービスBIって何?そこが知りたい!セルフサービスBI

経営戦略に欠かせない経営データの集計、可視化、戦略の検討。ユーザー部門などの現場で簡単に確認できるようになるセルフサービスBIは、これまでのBIツールと何が違う?

» 2017年04月18日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 売上金額、利益の推移、市場シェア、稼働率、不良率など、企業にはさまざまなデータがあり、それらを分析してビジネスの意思決定に活用することが欠かせない時代になってきました。これらのデータ処理やグラフ化によって経営データを「見える化」するものとして、「BI(Business Intelligence)ツール」が知られています。しかしBIツールは比較的規模の大きなシステムが多く、情報システムに精通した担当者が設定や構築を行う必要があり、手軽に導入、使いこなせるものではありませんでした。

 このような従来のBIツールでは対応しきれなかった、柔軟で手軽に使えるBIツールとして登場したのが「セルフサービスBI」です。セルフサービスBIの基礎を簡単に説明します。

そもそもBIって何?

 ビジネスで意思決定するための判断材料として、さまざまなデータが活用されています。これまでも売り上げ、利益、損失は全て数値化されて目に触れることが多かったかと思いますが、数字ベースの情報だけでは分かりやすいものとはいえません。そこでどこの会社でも、グラフなどを使って分かりやすく「見える化」する手法が使われてきました。

 以前は、そのような情報も月に一度や週に一度更新していればよかったのですが、スピード経営が求められる現代では、日々、数字を分析し、素早く意思決定を行わなくては競争に生き残っていくことができません。そこで活用されてきたのがBIツールです。

 BIツールは、会社の基幹システムなどから収集したさまざまなデータを分析し、グラフなどに加工して、分かりやすく見せることができるものです。これらの情報は「ダッシュボード」と呼ばれる画面にまとめて表示できるため、経営者や管理職の人たちが意思決定を短時間で効率良くできるようになっています。

 しかし、このBIツールは情報システムや統計などの知識が豊富な人間が構築、加工しないと使いこなせないため、例えばダッシュボードの内容を変えるとか、新たにデータを取り入れて表示するといった場合には、時間も手間もかかってしまうという課題がありました。

セルフサービスBIは、BIがDIYでできる

 そこで登場してきたのが「セルフサービスBI」です。BIツールを使いこなすためには専門家の力が必要だったのに対し、セルフサービスBIツールは比較的簡単な操作でデータ収集、分析、ビジュアル化ができ、ダッシュボードに出力することもできます。

 このため、データを必要とするユーザーが、自分が欲しい形にデータを分析・加工することができます。欲しいデータをその場で表示することも可能です。つまりデータ分析・見える化を、ユーザー自身が素早くその場でできるということが、セルフサービスBIの最大のメリットです。

Excelとの違いは?

 しかしそれだけ聞くと、データのグラフ化ならExcelでも可能ではないかという声が聞こえてきそうです。実際、Excelでもデータベースから直接データを引き出し、グラフ化することもできます。しかしExcelでは、複数のデータを合わせて分析する、大量データを扱うといった高度な分析機能や、幾つものグラフを一画面に表示するダッシュボードの機能は持っていません。従って、BIの一番重要な機能である情報の見える化という点では力不足といわざるを得ません。

 このように、ビジネスの意思決定ツールとして最適化されたセルフサービスBIツールは、今日求められているスピード経営に非常に役立つものとして注目されています。

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