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» 2016年10月17日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:Facebook経由で転職の声掛け、「HR Tech」で変わる採用業務 (1/4)

いま脚光を浴びつつある「HR Tech」。最もハートを込めて管理すべき人材管理・採用の部分を、ビッグデータやAIなどの最新技術をもって管理するHR Techが注目を集める背景、メリット、主な機能を紹介する。

[小池晃臣,タマク]

 少子高齢化などで生産年齢人口が減少するなか、人材価値は一層高くなっており、人員確保に悩んでいる企業も多い。そこでいま脚光を浴びつつあるのが、「HR Tech」(採用ソリューション)だ。最もハートを込めてマネジメントしなくてはならない人材・採用の部分を、ビッグデータやAIなどの最新技術をもって支援するHR Techが注目を集めている背景や、そのメリット、主な機能を紹介しよう。

成長の最大のポイントは「金」から「人」へ

 企業にとってビジネスを遂行する上で欠かせない基幹サービスとして位置付けられるのが、財務会計、販売管理、生産管理、人事・給与などだ。これらの中でも昨今その重要性が大きく高まっているのが人事領域である。

 その理由としてまず挙げられるのが、国や経済の成熟だ。ここ最近の世界の動向を見ていると、先進国に共通しているのが、“人の質”の差が企業の成長の差に大きく影響を与えている点である。企業にとっての三大資産である“ヒト・モノ・カネ”のうち、従来のように金が最大の力の源泉だった時代から、人材こそが企業の競争優位を左右する時代となってきているのである。

 加えて日本の場合、深刻な少子高齢化も企業の人事業務に大きな影響を与えつつある。少子高齢化により生産年齢人口が減少する一方で、人材需要はますます増加していることから、多くの企業では人材不足感が急速に高まっている。いま企業の間では、より激しい人材争奪戦が繰り広げられているのである。

人手不足 図1 この数年で人材需要が大幅に増加、人手不足感が急速に高まっている(出典:内閣府「平成27年度 年次経済財政報告」)

「リファラル採用」で企業も待ちから攻めの体制へ

 人材を企業の最大の資産とみなし、人を中心に企業の成長を考えるのが当たり前となったいま、人事分野のキーワードとして掲げられているのが「戦略人事」である。戦略人事とは、経営戦略と人材マネジメントを連携・連動させた企業経営を通して、競争力を高めていくという考え方だ。そこでは、経営資源の最たるものである「人」が、最高の価値を生み出せるよう、採用の段階から従業員のライフサイクル全般をマネジメントしていくことになる。

 ただし、戦略人事と言ったところで、そう簡単に実践できるものではないのも確かだ。そこで、まず採用の段階から変えようということで、多くの企業が新しい採用方法を模索し始めている。

 その代表例が、「リファラル採用」である。リファラル採用とは、従業員の知り合いを紹介するといった、人のつながりを軸とした採用方法で、欧米企業では以前より中途採用の主流となっている。

 かつてのように電話がコミュニケーションの中心だった時代には、1人の人間がアプローチできる人間は限られていたが、ソーシャルネットワークの普及で、人と人とが広くつながるようになった。そのため、「この仕事ならあの人が向いているかも」と思い起こしやすくなり、そこからの声がけのハードルも一気に低くなっているのだ。

 また、優秀な人にはすぐに声がかかるようになり、企業はただ待っていたのでは採用するのは難しくなる。そこで企業としても、従来のように求人媒体や転職エージェント頼みの“待ち”の採用だけでなく、積極的にアクションを起こして意中の人材を“引き抜く”という攻めの方法も取り入れるようになっている。

 グローバル企業である日本オラクルでも、中途採用者は、リファーラル採用での入社比率が約8割を占めるようになってきているという。1人当たりにかかっていた転職エージェントへのコストを考えれば、その費用対効果も大きい。また、リファラル採用の方が、従業員が「スキルだけでなく、社風も合いそうだ」と判断した候補者が来る可能性が高いため、入社後のギャップも少なく、離職率も低い傾向にあるという。

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