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専用ツールだから簡単にできる「マニュアル作成ツール」のいろはIT導入完全ガイド(1/4 ページ)

業務マニュアルや作業手順書は、ビジネスを着実に進める上で必須の資料だ。しかし、その作成やメンテナンスは「本業ではない業務」として後回しにされがちだ。この矛盾を解消するためのツールが存在感を増している。

» 2016年05月30日 10時00分 公開
[吉村哲樹オフィスティーワイ]

 業務マニュアルや作業手順書は、ビジネスを着実に進める上で必須の資料だ。しかし同時に、その作成やメンテナンスは「本業ではない業務」として後回しにされがちでもあった。この矛盾を解消するためのツールが存在感を増している。本稿ではマニュアル作成業務の課題を解決するツールの基本機能を解説する。

多くの企業がハマる「業務マニュアル、4つの落とし穴」

 ほとんどの職場で、何らかの形で存在しているであろう「業務マニュアル」。しかし、一昔前の日本企業の多くでは、今日ほど業務マニュアルが必要とされていなかった。むしろ、業務マニュアルがなくとも問題にならなかったと言った方が正確だろう。終身雇用が当たり前の時代、若手従業員は先輩社員の働きぶりを間近にしながら業務を覚えていくものだと考えられていたからだ。

 しかし、人材の流動化が進み市場競争が激化する中で、自社製品やサービスの品質を高め、企業としての競争力を維持するためには、若手従業員を一刻も早く戦力として育て上げることが求められるようになってきた。そのためには先輩社員から少しずつノウハウを盗んでいくようなやり方では間に合わない。より迅速かつシステマチックに業務手順やノウハウを伝えるための手段として、業務マニュアルの整備と活用にスポットライトが当たるようになったのだ。

 しかし、いざ業務マニュアルの整備に乗り出したものの、多くの企業が作成や運用でつまずき、思うような効果を上げられずにいる。ここでは多くの企業がハマる「業務マニュアルの落とし穴」を幾つか挙げてみよう。

マニュアル作成に時間がかかる

 例えば、業務アプリケーションの操作方法をマニュアルにまとめるとしよう。通常のやり方であれば、実際にアプリケーションを操作しながら画面ごとのスクリーンショットを保存し、後にそれをWord文書やPowerPointスライドの中に貼り付け、さらに説明文やコメントを書き添え、場合によっては装飾を施して……。こうした一連の作業には、言うまでもなくかなりの労力を要する。

 大企業には、こうしたマニュアル作成作業を専門に扱う担当者が存在することもあるが、大抵の企業では現場の業務担当者が本業とは別に、マニュアル作成作業を兼務する。結果として、本来の担当業務の効率が悪化してしまったり、出来上がってきたマニュアルの品質が低かったりといった問題が発生する。

マニュアル作成に時間がかかる

 例えば、業務アプリケーションの操作方法をマニュアルにまとめるとしよう。通常のやり方であれば、実際にアプリケーションを操作しながら画面ごとのスクリーンショットを保存し、後にそれをWord文書やPowerPointスライドの中に貼り付け、さらに説明文やコメントを書き添え、場合によっては装飾を施して……。こうした一連の作業には、言うまでもなくかなりの労力を要する。

 大企業には、こうしたマニュアル作成作業を専門に扱う担当者が存在することもあるが、大抵の企業では現場の業務担当者が本業とは別に、マニュアル作成作業を兼務する。結果として、本来の担当業務の効率が悪化してしまったり、出来上がってきたマニュアルの品質が低かったりといった問題が発生する。

マニュアルの配布や差し替えが徹底されない

 せっかく作った業務マニュアルも、それがユーザーの手元に届かなくては意味がない。しかし、紙のマニュアルを現場にくまなく行き届かせるには時間がかかるし、一度配布した大量のマニュアルを最新版に差し替えるとなると、多忙な現場ユーザーはなかなか動いてくれない。結果として、古いマニュアルと新しいマニュアルが混在した状態となり、業務遂行に大きな支障を来たしたり、製品・サービスの品質に致命的な影響を与えたりする危険性が出てくる。

 似たようなケースとして「同じ業務のハズなのに、さまざまな『流派』が生まれる」という落とし穴がある。マニュアルの全体的なアップデートが間に合わず、担当者レベルで自己流の解釈や変更を加えたマニュアルが乱立し、引き継いだ人によってやり方が違ってしまうのだ。もしも「標準手順」よりも効率よく業務が回せるようであれば、それを標準化した方が全社的にも幸せだ。

せっかく作った業務マニュアルが読まれない

 ほとんどの企業では、WordやExcel、PowerPointといった、現場ユーザーが普段から使い慣れているOfficeツールを使って業務マニュアルを作成している。こうしたツールを使えば作成者の裁量でマニュアルの内容やデザインを自由に編集できるが、その人の技量やセンスによってクオリティーに大きな開きが生まれてしまう。その結果、「分かっている人にしか分からない」という極めて使いづらい業務マニュアルが出来上がり、自然と誰にも使われなくなるというケースが見受けられる。

どこにマニュアルがあるのか分からない

 業務マニュアルは業務の手順を記したものだが、ではこの業務マニュアルを運用するための業務手順はどのように定義し、周知すればいいのだろうか? WordやPowerPointで作った業務マニュアルのファイルを、作成者の一存でファイルサーバに放り込んでおくだけの運用ではうまくいくはずもない。マニュアルの数が増えていくにつれ、どこにどのマニュアルが置いてあるのか誰も把握できなくなってしまうだろう。「業務マニュアルを探すためのマニュアル(インデックス)」が必要になるのでは本末転倒だ。

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