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マーケティング支援ツールの導入状況(2015年)/後編IT担当者300人に聞きました(2/2 ページ)

» 2016年03月31日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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アクセス解析ツールの課題は、使い勝手よりも「コスト」

 アクセス解析ツールを「導入済み」もしくは「導入を検討中」と回答した企業に、解析ツールの選定において重視するポイントを尋ねた。

 最も多かったのは「導入・運用コスト」で86.8%に達した。その後に「導入後の運用のしやすさ」(67.0%)、「操作性」(57.1%)、「導入のしやすさ」(36.3%)、「カスタマイズのしやすさ」(27.5%)、「機能の豊富さ」(26.4%)といった項目が続いており、使いやすさも重要な指標となっているようだ。

 実は、導入済み企業のフリーコメントを見ると、使い勝手に課題を感じている企業は少ないようで、「問題なく使えている」というコメントが目立った。前述の通り、「得られたデータをどのように解析し、今後のマーケティング活動につなげていくか」という部分に課題感を持っている企業が多いようだ。

75%が「よく分からない」と回答、認知度の低いマーケティングオートメーション

 最後に調査したのは、「マーケティングオートメーション」だ。マーケティング活動の各プロセスを人力に頼る代わりにITの力を使い、リードデータやキャンペーン効果の管理といった作業を自動化し、最適なタイミングでキャンペーンを実施できるよう支援するソリューションで、特に米国では積極的に取り組む企業が多い。

 しかし、日本ではまだあまりなじみのない言葉のようだ。マーケティングオートメーションの認知度について尋ねたところ、全体の75.5%が「よく分からない」と回答した。「名前は知っている」と回答する割合も21.8%にすぎず、「効果も含めて詳細を理解している」と答えたのはわずか2.8%で(図2-1)、マーケティングオートメーションの導入も日本ではまだこれからという段階のようだ。

 また、マーケティングオートメーションの導入状況について尋ねたところ、全体では87.6%の回答者が「必要性を感じていない」と回答しており、「検討中」という企業は9.3%、「導入済み」という企業はわずか3.3%という結果になった(図2-2)。

マーケティングオートメーションの認知度と導入状況 図2 マーケティングオートメーションの認知度と導入状況

 CRMやWeb解析ツールに対するコメントと同様、マーケティングオートメーションを導入しない理由として目立ったのが、「現状に問題がないため、特に必要性を感じていない」という回答(48.9%)だ。また「知識が少ない」という理由も43.5%に達している。まだ認知度も高くなく、導入効果も理解されていないため必要性を見いだせていない状況にあるといえる。

 しかし、今回調査対象としたマーケティングツールを活用してデータを解析してみると、今まで見えていなかったマーケティング活動中の課題が見えてくるかもしれない。ツールの価格や機能も重要だが、いかに分析を行い、今後のマーケティング活動にどのようにフィードバックしていくかという運用部分を考慮し、それに合ったツールと人材をどのように確保するかが、マーケティング活動を効果的に進めていく上での真の課題といえるだろう。

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