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最新LANスイッチ事情、枯れた技術と思うなかれIT導入完全ガイド(1/4 ページ)

当たり前のように使っているLANスイッチだが、ここにきて規格化を目指す高速化技術やSDNへの挑戦など、新たな動きがある。LANスイッチの最新動向を追う。

» 2015年03月30日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]

 ネットワークを構成する要素として欠かすことのできないLANスイッチ。既に枯れた技術としてご存じの人も多いと思われるが、実はネットワーク高速化の動きやSDNに関連した新たなスイッチ群の登場など、あらためて学んでおきたい話題は少なくない。今回は、LANスイッチの基本に触れながら、LANスイッチの最新動向に迫ってみたい。

LANスイッチの基礎知識

 企業がネットワークインフラを敷設する際に欠かせないLANスイッチ。LANスイッチには、一般的にOSI参照モデルにおけるレイヤー2(データリンク層)で動作するMACアドレスでスイッチングする「レイヤー2スイッチ」(以下、L2スイッチ)やレイヤー3(ネットワーク層)で動作するIPアドレスでスイッチングする「レイヤー3スイッチ」(以下、L3スイッチ)がある。

 L2スイッチではフレームと呼ばれる単位で通信が行われるが、PCなどが接続されているポートの宛先が対応表としてスイッチ内に記憶される。ハブのように全てのポートに対してブロードキャストフレームを流す必要がなく、効率的にデータ通信を行うことが可能だ。

 L3スイッチはパケットと呼ばれる単位で情報が扱われ、相互接続されたネットワーク全体で識別可能なIPアドレスが各端末に割り振られる。このIPアドレスをベースにスイッチングが行われるようになる。

 PCの周辺に設置するエッジスイッチとしてL2スイッチが、複数のスイッチを束ねながらLAN間接続するフロアスイッチやコアスイッチなどにL3スイッチが利用されるのが一般的だ。

上位レイヤーのスイッチも存在する

 今回は、L3までの下位レイヤーでのスイッチがターゲットになるが、実際にはL4からL7までアプリケーションを中心に制御するスイッチも存在する。上位レイヤーで動作するスイッチは、HTTPやFTPなどのプロトコルを認識してパケットの具体的な内容を基に制御を行うことが可能だ。

 パケットの中身を見ることで攻撃を検知し、実際に防御まで行う「セキュリティスイッチ」という名称で呼ばれたり、ネットワークを通過するデータをアプリケーションに応じて円滑に配信するという意味で「ADC(Application Delivery Controller)」と呼ばれたりする。

 役割は違うものの、ネットワーク機器として中身を判断してスイッチングするという意味では類似カテゴリの製品になる。

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