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SANかNASか議論を終結させた「ユニファイドストレージ」とは?IT導入完全ガイド(5/5 ページ)

» 2015年01月26日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]
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同じユニファイドストレージでも構成の違いあり

 ユニファイドストレージを提供するベンダーによって、ブロックストレージを元にしているものとファイルストレージをベースにしているものがあり、それぞれ構成に違いがある場合があるので気を付けておきたい。

 例えば、ブロックストレージをベースにしたものの中には、ファイルに対応するためにNASゲートウェイが個別に必要になるものがある。逆にファイルベースからきたものであれば、ソフトウェア側でブロック対応しているものが多い。当然構成が違えば内部的な制御部分でのオーバーヘッドが発生する可能性もあり、性能に影響がまったくないとは言い切れない。

 また、ファイルシステムやソフトウェアからアプローチした製品なのか、ハードウェアの筐体を基本にしたアベイラビリティを重視した製品なのかなど、それぞれのアプローチがベンダーによって異なることは理解しておこう。

効率を高める機能が考慮されているか

 ストレージ統合などの基盤として利用されることも多いユニファイドストレージだけに、CPUなどのリソース効率やストレージ容量の効率などを高める工夫が施されているかどうかはしっかり見ておきたいポイントだ。

 搭載されるコアを効率よく分散して活用する技術をはじめ、重複排除技術や1つのブロックを多くのファイルが参照するブロック共有化技術、利用頻度に応じて最適な形に配置する自動階層化機能など、効率化に寄与するさまざまな機能を確認しておきたい。

 なお、重複排除についてはアーカイブ用途を中心に重複排除するものから、日常的に参照するメインの領域でも重複排除できるものまで、重複排除の考え方にも違いがあることはしっかり認識しておきたい。

将来的な拡張を考慮した管理体系を見極める

 企業がシステムを構築する際には、最初から大掛かりなシステムを手掛けるよりも、まずはエントリーモデルから始めるスモールスタートの方が圧倒的に多いだろう。そこで気を付けたいのが、将来のストレージ拡張を考慮した管理体系が維持できるかどうかというポイントだ。

 ストレージの種類に応じて管理ツールおよび管理手法が変わるよりも、同一の管理体系でさまざまなストレージが扱える方がいいはずだ。NASであろうとSANストレージであろうと扱えるユニファイドストレージを扱う場合は、容量や管理体系の拡張性がどこまであるのかをしっかり見ておきたい。

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