特集
» 2014年04月14日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:税申請は可か不可か? 電子帳票システム事情 (1/3)

規制緩和の一環として施行された電子帳簿保存法だが、電子帳票システムの導入だけでは要件を満たさない。システムを活用する上で満たすべき保存条件とは?

[小池晃臣,タマク]

 既に市場が成熟している電子帳票システムだが、業務システムの刷新やスマートデバイスの普及など、ここ数年の環境の変化に伴い見直す時期が訪れている。また、電子帳票システムを導入しただけでは規制緩和の一環として施行された電子帳簿保存法への対応要件を満たすことができないという問題もある。そこで本特集では、電子帳票システムのメリットと最新動向を追うとともに、電子帳簿保存法への対応条件について専門家の意見を基に詳しく見ていきたい。

電子帳票システムとは?

 電子帳票システムは、従来メインフレームやオフコン、オープンシステムから大型プリンタを介して出力していた紙の帳票を、電子化してアーカイブすることでデータ活用を可能とするシステムだ。

 企業には、見積書や請求書などの勘定系帳票をはじめ、業務で利用する出荷指示書や棚卸表、従業員の各種申請書類などさまざまな帳票が存在している。これらの帳票がメインフレームやオフコンから出力される場合、紙の帳票として現場に配布され、そこで管理、保管、利用される。

 しかし、紙自体のコストや各拠点へ配送するための輸送費などさまざまなコストがかかることになる。そこで、出力される帳票イメージのデータを取り込み、閲覧や検索、編集などを手軽に行えるようにしたのが電子帳票システムだ。

電子帳票システムのシステム構成例 図1 電子帳票システムのシステム構成例(出典:JFEシステムズ)

電子帳票システムのメリット

コスト削減

 電子帳票システムの最大のメリットは何といってもペーパーレス化によるコスト削減効果にある。レガシー系のシステムから帳票をプリントアウトするには、専用の大型プリンタが必要となるが、1枚当たりの出力コストは4〜5円になるといわれる。

 大企業ともなると日々膨大な枚数の帳票を出力するため、年間のコストは数千万円に及ぶことも珍しくない。また、こうした大型プリンタはそれ自体も非常に高価だし、前述のように各拠点への紙の帳票の配送コストもかかる。電子帳票システムを導入すればこれらのコストを劇的に削減することができる。

 ただしペーパーレスといっても、全てをデータにするのは難しく、取引先や顧客との関係などからどうしても紙への出力が必要な帳票も一部残ってしまう。例えば、請求書や納品書、見積書などだ。それらの書類を従来同様に大型プリンタで出力していたのでは、コストも手間も十分に削減することができない。

 そこで、各拠点に置かれている複合機から帳票を出力できるような機能をサポートする製品も存在する。基幹システムから深夜にデータを取ってきて、自動的に出力するような機能も備えているため、朝の始業時には必要な帳票が手もとに用意されているというわけだ。

拠点の複合機からの分散印刷 図2 拠点の複合機からの分散印刷(出典:キヤノンマーケティングジャパン)

業務効率化

 長年の歴史の中で電子帳票システムの検索機能は十分に洗練されてきており、全文検索はもちろんのこと、インデックス検索、パラグラフ検索に対応した製品も多い。検索でヒットした結果だけを集めて別の帳票を作ることができる名寄せ検索機能を備えた製品もある。

 高速検索を売りとする製品の場合、何百万ページものデータからでもたった2、3秒で目的の帳票を探し出すことができてしまう。こうしたことを紙ベースでやろうとすれば、膨大な時間と労力を要してしまうことから、その業務効率化への貢献度は大きい。

 また、紙の帳票のメリットとして、手軽に赤ペンなどで付加情報を加えられることなどがあるが、画面上で電子的に付箋を貼ったりマーカーで書いたりと、紙同様の利便性を備えた製品もある。

モバイル活用

 BYODやワークスタイル変革などで近年注目を集めるモバイルデバイスの活用だが、電子帳票システムでもタブレットに対応する製品が登場しだした。外出先で帳票を参照したり、社内での打ち合わせに利用したりと、その活用シーンは多様だ。サーバ上の帳票データを参照する方式であれば、端末にダウンロードして持ち歩かずにすむため情報漏えいを防止することもできる。

タブレットへの帳票配信 図3 タブレットへの帳票配信(出典:JFEシステムズ)
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