全体を描いた時の気付きポイント【第11回】

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全体を描いた時の気付きポイント【第11回】

2017/09/27

 これまで10回の連載をもって、ようやくビジネスモデルキャンバスの9つの要素を説明し終わりました。

 ここまでの自分のビジネス(あるいは新規ビジネス)をキャンバスに落としていく過程で、さまざまな気付きがあったと思います。ビジネスモデルキャンバスは、完成したものを見て考えるより、実際に手を動かして描いてみる方がはるかに有効です。描く過程で気付くことのほうが、説明できないほど大きな影響があるのです。皆さんも、ぜひここまでの連載記事を参考に、9つの要素を埋めてみてください。

 さて、全ての要素を埋めるとどのようなキャンバスになっているでしょうか。ここまで例として出してきた、アイティメディアの場合は、以下のようになります。

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9つの要素を埋めたビジネスモデルキャンバスの例

 ……付箋が多すぎて、キャンバスに入りきれません。

 このように、キャンバスを描いていくと、得てして付箋の数は多くなります。アイティメディアの例では25枚もの付箋が貼られていますが、このくらいは平均的な数です。人によっては、30枚、40枚と貼ることも珍しくありません。
 
 では、振り返りとして次のようなことを思い出してください。

  ・付箋が貼りやすく、たくさんのキーワードが出た要素はどれか。
  ・逆に付箋が貼りにくく、なかなかキーワードが出なかった要素はどれか。

 このように9つの要素の中で、比較的描きやすかったものと、そうでないものとがあったかと思います。

 比較的描きやすかった要素については、さまざまなアイデアや機能があり過ぎて、実際には統一が取れていないのではないか、と疑ってみてください。無駄で非効率なものもあるかもしれません。

 また、なかなか出にくかった要素は、そこがウイークポイントになっている可能性もあります。その要素がなくても成り立つビジネスであれば良いですが、重要な要素であるにもかかわらず、なかなか描けないということは、ビジネス上の二の手、三の手を必要としているのかもしれません。

 さあ、こうして貼った付箋を眺めながら、ここまでの作業を振り返り、要素1つ1つに思いをはせてみると、何かが見えてきます。

 実際の業務でキャンバスを作成したときは、次に説明する作業をする必要はない場合がほとんどなのですが、ビジネスをシンプルに考えてみるために、やってみてもらいたい作業があります。

 それは、「この付箋を全部で12枚にする」という作業です。

 では、皆さんも考えながら、付箋を12枚に減らしてみてください。

 減らすということは、取捨選択。重要度や優先度を自分なりに決めて外すわけですね。アイティメディア社の例でも、12枚に減らしてみました。

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 もちろん、実ビジネス上では、メディア広告サービスに関わる要素も十分大事なのですが、今回はリードジェン事業にフォーカスを当てて切り出してみました。こうすることによって、この事業をシンプルに見つめ直すことができます。

 不足と思われる要素は、ここからまた付け加えてもいいですし、検討途中で外部環境が変化し、新たな登場人物が現れれば、それも追加すれば良いでしょう。いずれにしても、このように貼りまくったものを12枚に減らし、また改めて追加していくという作業を繰り返します。すると、だんだんとこの事業の行く道、つまりは、どこをどのように改善したら良いかが見えてきます。コスト構造の見直しや、あるいはターゲット(顧客セグメント)の見直し、ということにもなるかと思います。

 「12枚」という数の制限は、理由があってのことではありません。この12枚という数は、ぎりぎりビジネスモデルを維持できる数、と認識すれば良いかと思います。9つの要素しかないわけなので、各要素は1枚か2枚程度。ここに落ち着かせる過程でも、自分の中で気付きがあることでしょう。

 次回はビジネスモデルキャンバスの「描き方」から離れます。いくつかの実際のビジネスモデルを参考に、このようになるとうまく回るのだ、という事例を見ることにしましょう。

■1.  イントロダクション 
■2.  ビジネスモデルキャンバスとは何? 描くと何が良いの? 
■3.  “価値提案”とは 
■4.  “顧客セグメント”とは 
■5.  “チャネル”とは  
■6.  “顧客との関係”とは 
■7.  “パートナー”とは
■8.  “主要活動”とは 
■9.  “リソース”とは 
■10.“収益”と“コスト構造” 
■11. 全体を描いた時の気付きのポイント(付箋の数、貼りやすさ) (←今回はココ)
□12. 全体が成長し、強くなるモデル「自己強化ループ」 
□13. 他社がまねできない! 「クリティカル・コア」 
□14. さらに顧客をひもとく「バリュープロポジション・キャンバス」 
□15. 思い切ってイノベーションの船出を! 「FORTHメソッド」

それでは、次回に続きます。

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キーマンズネットとは
国内ITコンサルティング企業のコンサルタント時代は、流通・小売、製造、地方銀行、官公庁等のコンサル、プロジェクトマネジメント、運用マネジメントを実践。 国内の大規模プロジェクトも多く経験。 現在の会社を設立後は、ビジネスモデルキャンバスを駆使し、企業内改善やイノベーション創出などの事業に邁進中。

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