「リソース(KR)」価値を生み出す物や人【第9回】

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「リソース(KR)」価値を生み出す物や人【第9回】

2017/05/11

 前回は「主要活動(KA)」について説明させていただきました。第9回のこの記事では、「リソース(Key Resources:以降KRと略称)」について説明します。

 「リソース(KR)」は、「価値提案(VP)」を生み出すための「物」「人」のことをいいます。「主要活動(KA)」が、その名の通り「活動」であるならば、「リソース」は物理的な「物」や「人」などにあたります。

 「リソース」はKA同様に、価値を生み出すために絶対に必要で、多くの場合、自社に保有されることが多いようです。そのような「リソース(KR)」は、絶対に必要でかつ自ら保持する必要があるために、直接「コスト」に影響する要素でもあります。

リソースの種類

(1) 物理的なリソース
(2) 人的リソース
(3) 知的財産
(4) ファイナンスリソース

 リソースにもいくつかの種類があります。「価値を生み出すための物や人」という表現を冒頭でしましたが、基本的には目に見える形のあるもので、リソースそのものにも一定の価値があります。

○物理的な物・設備リソース 
 製品を生み出す工場やビル、倉庫、店舗、車両、生産機械、システム、ネットワークなどになります。物を作り、物を置き、物を流し、物を販売する一連の流れに関わる物は、全てリソースといっていいでしょう。それがなければ製品の製造も販売もできない物になります。

○人的リソース
 企業であるならば、「人的リソース」は多かれ少なかれ必要です。人的リソースの力なしに企業は動きません。特に、新製品や新機能などを生み出すための、プロフェッショナルな人材の存在は、企画・開発会社にとって価値を生み出す最大のリソースとなります。

○知的財産
 人的リソースの価値にも関連しますが、「価値提案(VP)」を価値足らしめるものに、「知的財産」があります。 所有権、著作権、特許、ブランド、といった、無形ではあるものの、その価値がそのまま製品の価値に直結するものです。特に最近はこの「リソース」をいかに生み出し、いかに育むか、それによって企業価値が問われる時代にもなっています。

○ファイナンスリソース
 現金や融資限度額、ストックオプションといった金融関連のリソースが主要なビジネスモデルもあります。

リソースをビジネスモデルキャンバスに描く

 それでは、リソースの例をもう少し見てみましょう。例によってアイティメディアの例を出します。アイティメディアの「価値提案(VP)」を繰り返しになりますが、見てみます。

・信頼性の高い記事
・月4000本の良質の記事数
・充実した専門メディア
・圧倒的なページビュー
・専門分野の読者数
・大量の会員登録データと行動履歴データからの見込み客情報

「記事」「メディア」「読者」「顧客情報」 ……こうしたものが抜き出されます。そして、これらVPを作り出すものが「リソース(KR)」ですから、

「記事」  → プロアマを問わず良質な記事を生み出す執筆者
「メディア」→ ページを企画・構成する企画者・編集者・デザイナーなど

という、人的リソースがその大半となろうかと思います。

 このリソースから生み出される作業から、「読者」も増え、結果として「顧客情報」が生み出され、これがリソースとなって、会員企業への提案材料になっていくのですね。

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 それでは、皆さんの所属組織のリソース(KR)についても考えてみることにしましょう。 KRの例を挙げます。

・大規模工場  
・物流システム
・生産技術   
・おしゃれな店舗
・特許     
・ブランド価値
・営業スタッフ 
・技術者
・企業文化   
・内部留保

などなど。

いかがでしょうか。あてはまる「リソース」を見つけてみてください。

 このように、第7回、第8回、第9回の計3回で、「エンジニアリング」要素である「パートナー(KP)」「主要活動(KA)」「リソース(KR)」を見てきました。これらは「価値」を生み出す要素でした。顧客側視点ではなく、「価値をどのように創り出しているのか?」という視点が必要になる項目ですので、簡単には出てこない要素でもあります。この3つをしっかり固めることができると、「価値」の源がはっきりとしてきます。

 さあ、9要素のうち、残りは2つになりました。次回は一度に2つの要素を解説します。 R$(Revenue Streams):「収益の流れ」と、C$(Cost Structure)「コスト構造」について説明をします。

■1.  イントロダクション 
■2.  ビジネスモデルキャンバスとは何? 描くと何が良いの? 
■3.  “価値提案”とは 
■4.  “顧客セグメント”とは 
■5.  “チャネル”とは  
■6.  “顧客との関係”とは 
■7.  “パートナー”とは
■8.  “主要活動”とは 
■9.  “リソース”とは (←今回はココ)
□10.“収益”と“コスト構造” 
□11. 全体を描いた時の気付きのポイント(付せんの数、貼りやすさ) 
□12. 全体が成長し、強くなるモデル「自己強化ループ」 
□13. 他社がまねできない! 「クリティカル・コア」 
□14. さらに顧客をひもとく「バリュープロポジション・キャンバス」 
□15. 思い切ってイノベーションの船出を! 「FORTHメソッド」

 それでは、次回に続きます。

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国内ITコンサルティング企業のコンサルタント時代は、流通・小売、製造、地方銀行、官公庁等のコンサル、プロジェクトマネジメント、運用マネジメントを実践。 国内の大規模プロジェクトも多く経験。 現在の会社を設立後は、ビジネスモデルキャンバスを駆使し、企業内改善やイノベーション創出などの事業に邁進中。

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