「主要活動(KA)」価値を生み出す営み【第8回】

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「主要活動(KA)」価値を生み出す営み【第8回】

2017/04/24

 前回は「パートナー(KP)」について説明させていただきました。第8回のこの記事では「主要活動(Key Activities:以降KAと略称)」について説明します。

 「主要活動(KA)」は、「価値提案(VP)」を生み出すための、まさに「主要な」活動になります。当然のことですが、企業がこの「活動」を止めてしまったら、VPは生まれないことになります。「主要活動(KA)」は、ビジネスモデルの種類により異なり、いくつかに分類できますが、おおむね次のように分類されるようです。

主要活動の種類

(1)製造・開発
(2)マーケティング
(3)プラットフォーム/ネットワーク
(4)問題解決

○製造・開発
 メーカーを筆頭に、VPを生み出す主要な手段が「製品開発・製造」であるモデルです。多くの産業の「主要活動」がこれにあたります。自動車産業、造船業、製鉄・鉄鋼業、その他、物を生み出す仕事が当てはまります。

○マーケティング
 営業活動も「主要活動」の1つになる場合があります。マーケティングは、製品の仕様に関わる重要な活動で、それがVPを決める要素になることもあります。「チャネル(CH)」要素とも重複しますが、製品の機能・仕様に関わる大事な活動です。

○プラットフォーム/ネットワーク
 この活動は、大きな一連の経済活動の中で、下支えする活動を表します。例えば、クレジットカード会社の収益はクレジットカードの普及・販売と手数料が主となりますが、活動は顧客と小売店と銀行とを「つなぐ役目」であり、その「維持と管理」が主たる活動であることが分かります。

○問題解決
 この活動は、顧客の困りごとに対して解決方法を提供する活動です。コンサルティングや病院などは、この活動が主になります。常に新しい課題と向き合うこと自体が活動なので、継続的かつ新しい技術やノウハウの蓄積も含めた活動になります。

主要活動をビジネスモデルキャンバスに描く

 では、例によって、アイティメディアの例を続けていきます。アイティメディアの「主要活動」とはいったい何でしょう?

 このとき「価値提案(VP)」は何だったかを、いま一度思い返します。この連載の第3回。アイティメディアのサービスが選ばれる理由をひもといています。

・信頼性の高い記事
・月4000本の良質の記事数
・充実した専門メディア
・圧倒的なページビュー
・専門分野の読者数
・大量の会員登録データと行動履歴データからの見込み客情報

 このように見ると、大きく2種類、もしくは3種類程度の「主要活動」が想像できます。

 1つは「プラットフォーム/ネットワーク」のカテゴリーでしょう。アイティメディアのWebサイトは、記事提供側にも記事閲覧側にも充実した機能をそろえており、 Webメディアを「プラットフォーム」としてより強固なものにしているように見えます。そしてその充実したプラットフォームだからこそ、「読者」「顧客情報」といった、VPにつながる価値を生み出している(集めている)ということにもなるのでしょう。

 「良質で大量の記事」を生み出す活動もまた「主要活動(KA)」といっていいでしょう。もちろん、記事はアイティメディアだけが生み出しているわけではありません。そこには記事・コンテンツを生み出してくれる人々、「執筆者」がいるわけです。この「執筆者」を一定数以上確保することもまた、VPを支える活動といってもいいでしょう。そうすると、「人材開発・発掘」という「製造・開発」に近い活動カテゴリーが当てはまるのかもしれません。

 そう考えると、前回の第7回の「パートナー(KP)」のところで、どうして「執筆者」をパートナーにしなかったんだろう、という気付きも出てきます。
 
 そうです、これでいいのです。1つの要素を検討し、また別の要素を検討している過程で、それまで検討してきた要素に立ち戻って付け加えたり、外したりする――。こうした捉え方ができるのも、「ビジネスモデルキャンバス」の利点です。

 後のトピックでも再度触れますが、「ビジネスモデルキャンバス」はあたかもルービックキューブを解くように、要素の変化を組み合わせていくのです。

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 それでは、皆さんの所属組織の「主要活動(KA)」についても考えてみることにしましょう。 KAの例を挙げます。

・低コスト仕入れ
・多品種小ロット製造
・カスタマイズ製造
・単一大量生産
・ドミナント出店
・他頻度配送
・戸別宅配
・対面販売
・先端技術研究
・生産技術開発
・経営管理
・人事労務

などなど。

いかがでしょうか。あてはまる「主要活動」を見つけてみてください。
 
次回は、KR(Key Resources):「リソース」について説明をします。

■1.  イントロダクション 
■2.  ビジネスモデルキャンバスとは何? 描くと何が良いの? 
■3.  “価値提案”とは 
■4.  “顧客セグメント”とは 
■5.  “チャネル”とは  
■6.  “顧客との関係”とは 
■7.  “パートナー”とは ■8.  “主要活動”とは (←今回はココ)
□9.  “リソース”とは 
□10.“収益”と“コスト構造” 
□11. 全体を描いた時の気付きのポイント(付せんの数、貼りやすさ) 
□12. 全体が成長し、強くなるモデル「自己強化ループ」 
□13. 他社がまねできない! 「クリティカル・コア」 
□14. さらに顧客をひもとく「バリュープロポジション・キャンバス」 
□15. 思い切ってイノベーションの船出を! 「FORTHメソッド」

それでは、次回に続きます。

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国内ITコンサルティング企業のコンサルタント時代は、流通・小売、製造、地方銀行、官公庁等のコンサル、プロジェクトマネジメント、運用マネジメントを実践。 国内の大規模プロジェクトも多く経験。 現在の会社を設立後は、ビジネスモデルキャンバスを駆使し、企業内改善やイノベーション創出などの事業に邁進中。

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