企業がアプリを最大限活用するために取り組むべきこと【第6回】

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企業がアプリを最大限活用するために取り組むべきこと【第6回】

開発 2017/02/22

 前回は、全てのアプリでリリース後に取り組むべき「新規ユーザー数を伸ばす取り組み」と「継続率改善の取り組み」を中心にお話ししました。

 連載の最後となる今回は、アプリ以外に主要事業があるB2C企業だからこそ取り組むべきであるチャネル横断的なマーケティングや、アプリを活用するための組織や業務改革について解説します。

チャネル横断的なマーケティング

 1つ目はアプリ以外の顧客接点も含めたマーケティングの実施です。

 顧客と有効なコミュニケーションを行うためには、アプリから収集できるデータだけではなくアプリ以外の顧客接点から得られる情報も活用し、顧客の興味・関心に基づいて各顧客にとって適切なコンテンツを適切なタイミング、適切なチャネルで提供することが重要です。

 例えば、Webサイトと実店舗を運営している旅行代理店であれば、Webサイトの閲覧履歴を元に顧客ごとにおすすめのパッケージ旅行をメルマガで送り、実店舗で予約した後の旅程の変更やリマインドはアプリを通じて行うなど、チャネル横断的なマーケティング施策が求められます。

 こうしたマーケティング施策を実現するためにも、まずは潜在顧客への認知から既存顧客へのフォローに至るまでの各フェーズで考えられるアプローチを顧客行動を軸に洗い出しましょう。例えば、これまではメールで送っていた新商品入荷のお知らせをプッシュ通知で送るなど、アプリの方がアプローチ方法として適切と思われるところは積極的にアプリを取り入れ、シナリオを改善するべきです。

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アプリ以外の顧客接点も踏まえ、適切なタイミングで適切なチャネルを用いて顧客とコミュニケーションすることが求められる

アプリ活用のためには「社内改革」が重要

 上記のようなチャネル横断的なマーケティングシナリオを実行するためには、組織、業務フロー、そして業務システムの改革が必要になります。

組織体制

 アプリを活用するためには、組織にも個人にも新しい考え方やスキルが求められます。

 全社横断的な分析チームの新設やデータ分析人材の育成、チャネル横断的なマーケティング施策に実績のある社外人材の登用などを行い、アプリを活用して自社事業を大きくできるような組織体制を作らなければいけません。

 外食チェーン大手のすかいらーくグループ、CCC、小売大手の良品計画などアプリを自社ビジネスにうまく活用している企業は、こうした組織改編を積極的に行っています。

アプリを活用するための業務フロー

 組織体制が固まったら、アプリを生かすために業務フローを整えることが重要です。

 まず、組織ごとの現行の業務フローを作成し、どのようなデータをどの業務で用いているかを洗い出します。

 次に、業務の中でアプリから得られるデータが活用できそうなところを見つけ、そのデータを使って新たな業務フローを作成します。

 例えば来店予約ができるアプリを提供する飲食系の小売企業であれば、アプリから来店予約があった際に、予約した顧客の過去の注文履歴や来店頻度等のデータを予約を受けた店舗に事前に送信し、顧客が来店したときの接客に生かすといった業務フローが考えられます。

アプリ以外で利用している業務システム

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 組織体制と業務フローを整えたら、最後はアプリ以外で利用している業務システムとアプリの連携です。

 必要なデータを保持しているシステムは何かを明らかにした上で、それらをアプリから得られる顧客情報や行動データと共に一元管理・蓄積するインフラを構築し、さらには蓄積したデータを利用可能な状態に分析、加工して実際にデータを扱う人が使える状態にしましょう。

 最後に、業務フローや業務システムが新しくなる組織に対して社内説明会や研修などを実施します。上記の例であれば、各店舗のマネジャーに対してアプリから得られたデータを活用した接客トークのロールプレイや新しくなったシステムの操作方法等の研修などを行いましょう。

おわりに

 連載第1回の冒頭で述べた通り、アプリがスマートフォンにおける利用の中心であることは事実ですが、アプリ活用の目的が曖昧であったり、リリース後の運用がおろそかになっていては収益につなげることはできません。

 本連載を通じてお伝えしてきた「アプリがスマホサイトにまさっているポイント」や「自社とシナジーのあるアプリを考える際のポイント」「リリース後にチェックすべき改善ポイント」を意識し、アプリの企画・開発を進めるIT部門やマーケティング部門以外も巻き込んでアプリを自社ビジネスに最大限活用するためのプランを練っていただければと思います。

 全6回にわたってお付き合い頂きましたが、本連載がこれからアプリ活用を考えている皆さまにとって実のあるものとなり、アプリ活用の一助となれば幸いです。

 弊社ではアプリの新規企画、開発、分析、マーケティングの運用までモバイルアプリの成長を総合的に支援しておりますので、アプリに関して何かお困りのことがありましたらいつでも naoki@repro.io へご連絡ください。

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キーマンズネットとは
1990年新潟県生まれ。新卒で朝日新聞社に入社し、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」のWEBディレクターとしてWEBサイトとアプリの改善に従事。2016年1月にアプリの解析・マーケティングツールを提供するRepro株式会社にジョインし、マーケティング担当として見込み顧客の獲得とアプリマーケティングの啓蒙に励む。

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