「作って終わり」を防ぐ,リリース後のアプリ改善のコツ【第5回】

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「作って終わり」を防ぐ,リリース後のアプリ改善のコツ【第5回】

開発 2017/02/15

 連載第5回目となる今回は、リリース後のアプリの改善で気を付けるべきポイントについてご紹介し、「作りっぱなしのアプリ」にならないためのヒントをお届けします。

アプリはリリース後の継続的な改善が重要

 これまでの連載で「自社ビジネスにアプリを活用するメリット」「自社ビジネスとシナジーのあるアプリを企画するポイント」についてお伝えしてきましたが、アプリはリリースして終わりではありません。むしろリリース後の継続的な改善こそが重要になります。

 「アプリの改善」というと、UIや新機能の追加といったアプリの使い勝手の改善や新規ユーザー獲得施策の改善などに目がいきがちですが、B2C企業のアプリにおいてはWebサイトや実店舗などアプリ以外の顧客接点も含めたマーケティングシナリオ、アプリと自社の他システムとの連動、アプリを活用するための組織体制なども継続的に改善する対象となります。

 以降でB2C企業がリリース後に考慮すべき4つの改善ポイントについてご説明していきます。

アプリで重視すべきは「DL数」よりも「継続率」

 まずチェックすべきポイントは、ユーザーに継続して使われているアプリになっているかです。

 リリース後の運用でよくある間違いとしては、アプリが成功しているかどうかをインストール数で測ってしまうことが挙げられます。新規ユーザーの獲得も重要ですが、ユーザーがアプリに価値を感じているかを測る指標としては「ユーザーの継続率」の方が適切です。

 継続利用されるアプリになって初めて、実店舗への送客や商品購入といったアプリでゴールとして定めているアクションをより多くのユーザーに実行してもらえるようになります。

 アプリが継続利用されるためには「UI・機能」「コンテンツ」「アプリ内マーケティング」の3つを改善していくことが重要です。

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アプリが継続利用されるために改善する要素は「UI・機能」「コンテンツ」「アプリ内マーケティング」の3つがあり、これら3つを改善していくことでユーザーに価値があるアプリになり、継続率上昇につながる

1. UIや機能の改善

 操作感が悪かったり、メインとなる機能が使いにくかったりするアプリではユーザーは定着しません。

 アプリの使い勝手に関する課題を発見するためには、アクセス解析ツールを用いてアクティブユーザー数や機能ごとのアクセス数などを計測し、数値を元に課題を発見する定量的なアプローチとユーザーがアプリを使っている様子の観察やユーザーインタビューなどから課題を発見する定性的アプローチを組み合わせることがポイントです。

 例えば女性向けのハウツーを提供している動画アプリの「C CHANNEL」では、アプリの使い勝手を検証するために弊社が提供しているツール「Repro」のユーザー行動録画機能(脚注1)を利用し、自社アプリがユーザーに実際どう操作されているかを参考にしてアプリのUIの改善を行っています。

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2. コンテンツの改善

 ニュース系のアプリなら記事、ECのアプリなら商材、ゲームアプリであればゲームのキャラクターなどがコンテンツにあたります。コンテンツはユーザーがアプリに価値を見いだす肝となるので、ユーザーに受け入れられていないコンテンツは見直しが必要です。

 例えば子供服のECアプリ「smarby」では、それまで委託中心だった商材写真の撮影を自社で行うオペレーションに変更し写真のクオリティーにこだわった結果、商品の購入率を高めることに成功しています。

3. アプリ内マーケティングの改善

 アプリ内マーケティングとは、プッシュ通知やアプリ内メッセージを用いてアプリをインストールしたユーザーの利用頻度や継続率、コンバージョン率などを高めて最終的に売上につなげる手法のことです。

 ユーザーの利用頻度やタイミングに応じ、適切なアプリ内マーケティングを行うことによって価値あるアプリだと思ってもらい、ユーザーのロイヤリティーを高めることにつながります。

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ECアプリにおけるアプリ内マーケティング施策の例。商品をカートに入れたタイミングで「2点お買い上げで割引クーポンプレゼント!」というアプリ内メッセージを表示し、購入単価アップを狙っている

アプリの新規ユーザー数を伸ばす取り組みの改善

 新規ユーザーを獲得するためのチャネルはB2C企業がマーケティングで用いるものとそう変わりません。リスティング広告やTVなどのマス広告、自社サイトでのプロモーション、ソーシャルメディアでの口コミやレビューサイトへの掲載などによって新規ユーザーを増やしていくことになりますが、アプリ独自のものとしては「アプリストア」があります。

 代表的なアプリストアとしてiOS版アプリの「App Store」とAndroid版アプリの「Google Playストア」があり、アプリストアで自社アプリの検索順位を改善する取り組みはASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)と呼ばれています。潜在ユーザーが検索しそうなキーワードをアプリの説明文に含めたり、アプリの魅力を端的に表したスクリーンショットを掲載することで、アプリストア経由でより多くの潜在ユーザーを獲得することができます。

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iOSの公式ドキュメントに記載されているApp Storeページのガイドライン(脚注2)

 App StoreとGoogle Playストアではアプリの検索順位に影響を与える要因が異なっていたり、利用するスクリーンショットやアイコン画像もストアごとに規定があるので、両ストアそれぞれで最適化しなければいけないという点に注意しましょう。

 アプリストアの最適化の取り組み関しては弊社メディア「グロースハックジャーナル」でも書いておりますので、よろしければそちらもぜひご覧ください。

参考:ASO (アプリストア最適化)とは?上位表示されるために重要な要素一覧

おわりに

 第5回目ではリリース後のアプリは継続率をまず高めるべきというお話と、アプリの新規ユーザーを獲得するためには欠かせないアプリストア最適化についてご紹介させていただきました。

 これらはアプリの企画、開発、運営をメインビジネスとしている企業にも当てはまるものですが、次回はアプリ以外にもメインとなる事業があるB2C企業だからこそ考えるべき改善ポイントについて説明していきます。

注1: 「Repro」のユーザー行動録画機能:ユーザーのアプリ上の操作を動画として記録し、Reproの管理画面上で見ることができる機能。実際にユーザーがどう利用しているかを観察することで、ユーザーが困っている真因を探し、より本質的な改善活動につなげていくことができる。アプリに「Repro」を組み込むことで利用可能

注2: https://developer.apple.com/library/content/documentation/LanguagesUtilities/Conceptual/iTunesConnect_Guide/Chapters/FirstSteps.html

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キーマンズネットとは
1990年新潟県生まれ。新卒で朝日新聞社に入社し、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」のWEBディレクターとしてWEBサイトとアプリの改善に従事。2016年1月にアプリの解析・マーケティングツールを提供するRepro株式会社にジョインし、マーケティング担当として見込み顧客の獲得とアプリマーケティングの啓蒙に励む。

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