自社事業とシナジーあるアプリを企画開発するポイント 【第3回】

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自社事業とシナジーあるアプリを企画開発するポイント 【第3回】

開発 2017/02/01

 連載第1回第2回では、ここ数年でも大きく変化したスマートフォンを取り巻く環境と、その中でも中心的な役割を果たすモバイルアプリについてスマホサイトと比べたときのメリットをご紹介しました。

 モバイルアプリはB2C企業にとっても大きなビジネスチャンスであり、顧客と接点を増やすために不可欠な存在ですが、自社の事業を伸ばすためにはどのようなアプリを作るべきでしょうか? 第3回ではB2C企業においてアプリが果たすべき3つの役割と、それぞれの役割においてアプリを成功させるにはどうすべきかについて考えていきます。 

B2C企業でアプリが果たす役割とは

 前回はB2C企業がモバイルアプリの開発に取り組むべき理由とアプリの特性や開発するメリットについてご紹介しましたが、「自社の事業にプラスとなるのはどのようなアプリなのか」を考えるのが一番難しいところでもあります。

 B2C企業でアプリが果たす役割は「プロモーション」(集客)、「セールス」(販売)、「リテンション」(顧客維持)の3つに大別され、このうちどれを主要な役割にするか決めてからアプリを企画することが重要です。

 なぜアプリが担う役割を先に決めるべきかというと、3つある役割のどれを果たすかに応じて、重視すべきKPIや実装すべきアプリの機能などが変わってくるからです。

 小売企業で「プロモーション」が役割のアプリと、「セールス」が役割のアプリを例にとって考えてみましょう。

 「プロモーション」を役割としたアプリの場合、ゴールは店舗やECサイトの来訪者を増やし、売上に貢献することです。アプリ単体で収益を上げることは重要ではなく、アプリの役割はキャンペーンを認知してもらうことや、アプリ経由で商品を予約してもらうことなどになります。

 対して、「セールス」を役割としたアプリにおけるゴールはアプリ内での売上そのものになります。この場合はアプリ単体で収益を上げるために、ユーザー数やコンバージョン率アップのための施策や、アプリに掲載している商品の最適化などをしていく必要があります。

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B2C企業のアプリが持つ役割は大きく分けて3つあり、3つのうちどれを役割としたアプリにするか決めてからアプリを企画することが重要

ここからはB2C企業でアプリが果たす3つの役割について順に解説していきます。

「プロモーション」(集客)としてのアプリの役割、求められる機能とは

 アプリのゴールを「プロモーション」と位置付けた場合、アプリは企業広報や自社商品の宣伝など、潜在顧客を見込み客にするマーケティング活動の一手段として用いられます。

 実店舗を持つ小売企業のアプリを例に考えてみましょう。アプリに期待されている役割はアプリ経由で店舗に来店する顧客数を増やし、店舗売上の増加に貢献することです。アプリ単体で収益を上げることは重要ではなく、アプリの役割はキャンペーンを認知してもらうことや、アプリ経由で商品を予約してもらうことなどになります。

 アプリ経由の店舗売上を構成する要素を分解すると以下のようになります。

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実店舗を持つ小売企業のアプリで「アプリ経由での店舗売上」がゴールの場合のKPIツリー

KPIの説明と施策の例

 アプリ経由の店舗売上をアプリのゴールとした場合、店舗売上を構成する要素はアプリ経由での集客数、店舗での商品購入率(CVR)、1ユーザーあたりの平均購入単価(ARPPU:Average Revenue Per Paid User)に分解することができます。

 この中でも特に来店者数は集客を役割としたアプリを活用して高めるべき指標であり、アプリをきっかけとした来店者の数を高めるためには、位置情報を用いて店舗の近くをユーザーが通りかかるとプッシュ通知を送る施策や、店舗で使えるアプリ限定のクーポンを配信するといった施策が考えられます。

「プロモーション」(集客)を役割としているモバイルアプリの事例

ここからは集客を役割としたアプリの事例をご紹介します。

結婚準備情報アプリ「ゼクシィ」

 リクルートホールディングスが提供するアプリ「ゼクシィ」では、サ―ビスのゴールである結婚式場や指輪ショップへの送客数を高めるために、挙式予定日や準備段階に合わせた情報の配信や結婚式までのチェックリスト機能を提供し、ユーザーに実際の行動を促しています。

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式場の見学予約機能だけでなく、予約を促すためのチェックリスト機能や予約の動機付けとなる結婚関連のニュース閲覧機能を提供している

中古車情報アプリ「グーネット」

 業界最大級の中古車掲載数を誇るポータルサイト「グーネット」を運営しているプロトコーポレーション社は、ポータルサイトに加えて同名の中古車検索アプリを提供しています。希望条件の車の新着物件情報だけを受け取ることができるプッシュ通知や、車の詳細画面からワンタップで電話をかけることができる機能などによって、来店促進のチャネルとしてアプリを活用しています。

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中古車検索アプリ「グーネット」の画面。アプリから簡単に中古車の検索・見積もりができる

 今回は、アプリを企画する際は「プロモーション」(集客)、「セールス」(販売)、「リテンション」(顧客維持)という3つのうち、「プロモーション」をアプリの役割とした場合についてお話しました。次回は残りの2つの役割「セールス」と「リテンション」について、重視すべき指標や成功しているアプリの事例などについて解説していきます。

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キーマンズネットとは
1990年新潟県生まれ。新卒で朝日新聞社に入社し、ニュースサイト「朝日新聞デジタル」のWEBディレクターとしてWEBサイトとアプリの改善に従事。2016年1月にアプリの解析・マーケティングツールを提供するRepro株式会社にジョインし、マーケティング担当として見込み顧客の獲得とアプリマーケティングの啓蒙に励む。

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