【第1回】ビジネスモデルキャンバスを描いてみよう!

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【第1回】ビジネスモデルキャンバスを描いてみよう!

2017/01/05

イントロダクション

 ビジネス環境が目まぐるしく変化していく昨今、顧客のニーズは常に変わり、多くの人々が一律ではなく、「自分にふさわしい」「自分だけの」を求めるようになってきました。

 一方で、そのニーズをかなえるためのサービスを提供する企業では、さまざまな顧客ニーズに応えようとするだけにとどまらず、まだ見ない新しいことを追い求めるようになってきました。

イノベーション創出が必須の時代に

 「イノベーション」という言葉が当たり前になって久しいですが、企業は躍起になって「イノベーション創出」に取り組んでいます。

 製造業は、IoTやビッグデータという言葉を合言葉のように、新しい技術革新に取り組み続けています。しかし、その技術の向かう先では、どのような顧客ニーズと結び付いて商品化されていくのか。本当に顧客に求められているものを作っているのだろうか。といったようなジレンマとの闘いになります。だからこそ、新技術と顧客ニーズをしっかりと結び付ける「イノベーション」創出が求められています。

 小売・物流業はここ十数年間、いかに速く、安く、多くの個別商品をお客さまに届けるか、それにまい進した期間でした。結果、Amazonなどの大手企業が物流業界を掌握し、新たなサービスも打ち出し、これまでの小売業態はますます淘汰されようとしています。コンビニエンスストアでさえ、もはや三強という時代ではなくなりつつあります。小売・物流業界においても、これまでの流れではなく、新しい価値創造が必要なのです。

 不動産業は、2020年まで活況となっていく気配です。そこに「イノベーション」を代表とするようにAirbnbのような新たなビジネスモデルが生まれ、認知されるようになってきました。これまでの不動産業の在り方が――特に2020年以降の不動産業がどうあるべきなのか、問われる時代となりそうです。

 「イノベーション創出」。どの業界においても、そこに足を踏み入れなければ、今後生き残ってはいけないかもしれない、という危機感は多かれ少なかれあるかと思います。そして、さらに「イノベーション」を起こしパイオニアになることができたなら、当然のように得られるだろう先行者利益への大いなる期待もあります。こうしたことが、今、企業を「イノベーション」に狩り立たせる大きな理由に思えます。

ビジネスモデルキャンバスに注目が集まる

 それでは簡単に「イノベーション」は創出できるのでしょうか?

 もちろん、いとも簡単にできるとは誰も考えていないでしょう。しかし、全くできないとも思いたくないでしょう。

 「イノベーション創出」は、ある並外れた能力を持った人間が、突然神の啓示でもあったかのように産み出すものではありません。むしろ、愚直にさまざまな可能性とひらめきの積み重ねを検証し、出し続けたものの中に、その種が埋まっている、ということのほうが多いように思います。
 
 ここでご紹介したいツールがあります。「ビジネスモデルキャンバス」です。

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 すでに目にしたことがあり、実際に描いた経験のある方も多いでしょう。最近、一般的にも知れ渡るようになったこのツールですが、これは、イノベーションを考える上で、実に重要かつ必要で強力なツールの1つとなっています。

 ビジネスモデルキャンバスは、たった1枚のA3用紙で、自社およびそれを取り巻くビジネス環境を俯瞰して見ることができます。「鳥の目」ともいわれるこのツールで、ビジネスに必要な9つの要素を一度に見ることができ、さらにその関係性を容易に把握でき、そして、いかにして収益を生み、どこでコストが発生しているのかも見ることができるようになります。そうしてビジネスの流れや要素が把握できたことにより、気付きが生まれてくるのです。

「顧客のニーズが変化したら、当社のどこにインパクトを与えるのか?」
「仕入先からの供給が難しくなった場合に、どこを補強すれば当社のビジネスは継続できるのか?」「チャネルであるパートナーのビジネスが変化したら、物流が変わってしまうのでは?」
「制度改正の与えるインパクトがリソースに影響したら、生産計画が狂うのでは?」

 このようなことが分かると、ビジネス上の“次の一手”を考えることができるようになります。“次の一手”がどの要素を軸に考えていけば良いかが分かると、周囲の要素の改善点や追加すべき点も見えてきます。それらを1つ1つ変化させていくことで、時代にあったビジネスモデルに変化させていくことができます。

 ビジネスモデルキャンバスを描いていく過程で、こうした気付きが起こります。また、要素の関連性がしっかり頭に入ってきて、新たな方向性が見えてきます。その先にはまだ見ぬビジネスや新しいイノベーションが芽生えてくることにもなっていくのです。

 次回から、このビジネスモデルキャンバスについて解説していきます。一般の書籍でも、ビジネスモデルキャンバスの各要素がどのような意味を持つのかを知ることはできますが、それを有効に活用していく肝のような部分を分かりやすく解説したいと考えています。

目次です。
 
■1.イントロダクション(←今回はココ)
□2.ビジネスモデルキャンバスとは何?描くと何が良いの?
□3.”価値提案”とは
□4.”顧客セグメント”とは
□5.”チャネル”とは
□6.”顧客との関係”とは
□7.”パートナー”とは
□8.”主要活動”とは
□9.”リソース”とは
□10.”収益”と”コスト構造”
□11. 全体を描いた時の気付きのポイント(付せんの数、貼りやすさ等)
□12. 全体が成長し、強くなるモデル「自己強化ループ」
□13. 他社がまねできない!「クリティカル・コア」
□14. さらに顧客をひもとく「バリュープロポジション・キャンバス」
□15. 思い切ってイノベーションの船出を!「FORTHメソッド」

それでは、次回に続きます。

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キーマンズネットとは
国内ITコンサルティング企業のコンサルタント時代は、流通・小売、製造、地方銀行、官公庁等のコンサル、プロジェクトマネジメント、運用マネジメントを実践。 国内の大規模プロジェクトも多く経験。 現在の会社を設立後は、ビジネスモデルキャンバスを駆使し、企業内改善やイノベーション創出などの事業に邁進中。

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