今後の情シスとマーケの関係性、MAは何をもたらすか:後編

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今後の情シスとマーケの関係性、MAは何をもたらすか:後編

情報システム 2016/08/04

 キーマンズネットをご覧の読者の皆様、株式会社フロムスクラッチ取締役の佐藤です。前回より『今知るべき、今後の情報・システム部の働き方の変貌』として、数回に渡ってマーケティングとITの接点についてお話ししています。

 第1回はマーケティングオートメーションとは何か、マーケティングオートメーションの歴史をお話しました。まだ見ていない方はこちらからぜひご覧ください。

●今後の情報シスとマーケティングの関係性、MAは何をもたらすのか

 第2回はマーケティングオートメーションの分類、今プロダクトに求められていること、マーケティングオートメーション活用で変わる情報システム部の方の働き方が今後どのように変貌するかをお伝えします。  

1.マーケティングオートメーションの分類

 皆様が考えるマーケティングオートメーションはそれぞれどのようなイメージがありますでしょうか。市場には様々なマーケティングオートメーションがありますが、まずはマーケティングオートメーションの大分類からお伝えしたいと思います。  

 マーケティングオートメーションは大きく2種類に分けることができます。「マーケティングオートメーション(BtoB向け)」と「クロスチャネルキャンペーンマネジメント(BtoC向け)」です。ではそれぞれどのような違いがあるのかをご説明します。

図1:機能重要度比較表

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図1:機能重要度比較表
図1:機能重要度比較表

 リードタイムが長いBtoBでは顧客が購買に至るまで様々な情報を収集します。その顧客の情報収集の行動、顧客の属性に合わせてスコアリングし、顧客をホットリード化し営業マンへパスすることがBtoB向けマーケティングオートメーションの特徴です。
 
  一方BtoC向けのクロスチャネルキャンペーンマネジメントはクロスチャネル対応に強みを持っており、メール・アプリ・ソーシャルなど顧客の可処分時間まで網羅することで、顧客へのタッチポイントがBtoB向けマーケティングオートメーションよりも大幅に増加します。タッチポイントを増やし、適切な情報を適切なタイミングで送信することで購買まで導いていきます。

上記のような特徴がBtoB向け、BtoC向けであります。

 さらにここから5つの分類にツールを分けることができます。

図2:機能別分類表

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図2:機能別分類表

 まずコンテンツマーケティング型ですが、機能としてはオウンドメディア、平たく言うとブログを作成し、そこに潜在顧客が気になるテーマで記事を作成し、WEB上で検索され、潜在顧客をサイトに流入させ、CVさせる方法を取ります。自社の潜在層を取り込めるため、リードジェネレーション、いわゆる新規集客に長けています。デメリットとしては記事を書く工数がなかなか掛かるため、マーケティングに割ける人員の多い企業でなければ工数的に厳しいかもしれません。

  次にメールマーケティング型ですが、細かくターゲットセグメントを設定でき、大量のメールを送信できるため、より顧客に最適な情報を一斉に送ることができるメリットがあります。デメリットはメールを送る先が自社のハウスリストのため、新規の集客ができません。また、スコアリングできる範囲がメールの中のみ、サイトに顧客が移動してからのスコアリングは他のツールとの連携が必要になります。  

 インテグレーション型はいわゆるマーケティングオートメーション、集客した顧客をホットリード化させ営業へパスしていきます。この型はほかのツールとの連携が幅広くできるので広範囲にわたってマネジメントすることが可能です。デメリットとしては広範囲をマネジメントするためには他のツールを購入する必要があるため、単純にコストがかかってしまう、また連携の際に違うベンダーのツールを連携させるため、ツールのデータに対する定義が違う恐れがあるため、かなりの工数をかけなければ連携は難しいという点もあります。
 
  マーケティングクラウド型はそれぞれのツールをクラウドで連携させることで全てを統合し、マーケティングをより効果的に行うことが可能なものです。しかし、実際は違うツールなので、連携面で使い辛さが生じる恐れがあります。  

 プラットフォーム型は1つのツールの中にマーケティングで必要な集客・販促・顧客管理の機能が網羅・接続されているツールです。十分な機能が実装され、データも集客から顧客管理まで統合されているのでROIに基づいたより本質的なマーケティングが可能です。デメリットとしては設計に時間をかけなければ効果を出すことは難しいため、スタートまで時間がかかる恐れがあります。  

 以上が代表的な機能分類です。次に、現在のプロダクトはどのようなことが求められているのかをご紹介します。

2.今プロダクトに求められていること

 日本におけるマーケティングオートメーション市場のシェア8割が海外のプロダクトといっても過言ではありません。そのような市場の流れの中でマーケティングオートメーションに求められることが浮き彫りになってきました。それは「マーケティングオートメーション単体でROIを求めることができること」、「顧客データ・ログデータ、広告データを統合・活用ができること」。この2つが実際に求められていることです。それではなぜこの2つが求められ理由をご説明します。

■マーケティングオートメーション単体でROIを求めることができる

 マーケティングオートメーションを利用されるお客様でよく聞かれるお悩みとして、ROIを求めるのが困難であるという声をよく聞きます。マーケティングオートメーションの役割としては、BtoBの場合、集客した見込み顧客をホットリード化させ、営業へパスするというのが主な役割です。BtoCの場合は自社の商品を購買してもらう、リピートしてもらうようにするのがマーケティングオートメーションの役割です。機能としては上記のものしかありませんので、営業へパスしたあとの動きはSFA、商品を何回リピート購入してくれたかはCRMと連携しなければマーケティングオートメーションの本質的なROIは求めることはできません。要は、「本当にマーケティングオートメーションは意味があったのか?」がわからないということです。なので、上記の連携が必要不可欠になり、SFA・CRMツールとの連携コストが掛かってしまいます。お客様の要望としてはマーケティングオートメーションとSFA・CRMが1つのツールにインクルードされているものが求められているようになっています。

■顧客データ・ログデータ、広告データを統合・活用ができる

 こちらも先ほど書いたものと同様にユーザーの実際にツールを使った時に出た要望です。マーケティングオートメーションは顧客データ・ログデータ、広告データなどを取り込んで使用していきます。これらのデータを統合して顧客の動きを追い、その動きや顧客の属性から判断してシナリオが動いていきます。しかし、これはデータが統合されたときの話です。マーケティングオートメーション自体はデータを統合する機能がありませんので、他でデータを統合する必要があります。この統合作業でさらにコストがかかってしまうので、マーケティングオートメーションでデータ統合できる機能が今、求められています。  

上記で必要なデータは情報システム部での管理だったりもするので、マーケティングで必要なデータをすぐに引き出せる、連携できるということが求められてきます。マーケティング部と情報システム部の連携が、今後のデータドリブンでのマーケティングに必要な動きになってくるでしょう。

3.マーケティングオートメーション活用で変わる情報システム部の働き方

 第2章の最後で少し書きましたが、今後データドリブンでのマーケティングに移行するのであれば、情報システム部との連携は必要不可欠です。弊社も120社以上の企業様に導入させていただいておりますが、導入しやすい企業様は総じて連携がスムーズで、情報システム部から必要なデータがすぐに出てくる企業様です。

 必要なデータがすぐに出てくるということは、情報システム部の担当の方が、マーケティングの業務を理解している、データの知識があってデータを扱えるスキルがあるからです。どのデータをどのように組み合わせればどういうことができるかが分かっている、自分たちがメンテナンスしていたものがどのようなデータでどういう風にマーケティングで使われているのか分かっているという点は大きな強みになります。

 データはシステム的にも業務的にもコアになる部分なので、うまく扱えるかどうかで大きく価値が変わっていきます。マーケティングオートメーションを導入するといっても、どういうデータを使わなければいけないか、使ってどういうことができなければいけないか、データ視点で考えられる人がいないと導入はなかなか難しく、売上につながる業務の効率や収益が上がっていきません。情報システム部にはマーケティング業務寄りの人はいてしかるべきだと思っています。これができれば「攻めのIT」ができるようになってきます。 

  前章で書きました「マーケティングオートメーション単体でROIを求めることができる」、「マーケティングオートメーションで顧客データ・ログデータ、広告データを統合・活用ができる」はマーケティング、情報システムが連携して初めて成功します。つまり、データを使ってマーケティングに活用するということは、その企業のビジネスや業務プロセスを理解する必要があるということです。

 まとめますと、今後求められる情報システム部の人材は「業務プロセスを理解し、そこでデータをどのように使えばいいのか?」このような人材が求められる、尚且つそのような人材にならなければならないということです。上記のような人材になれば、情報システム部だけでなく、プロフィット部門のIT担当者という新しい道も開けてくると思います。マーケティングオートメーションを活用して、「攻めのIT」を実現できる働き方にシフトしていくことが今後は求められる時流であると考えます。

 今回は以上となります。次回は弊社の商品を実際に導入して頂いているお客様の事例をお届けしたいと思います。実際の働き方のイメージが湧きやすくなるかと思いますので、是非お楽しみに!

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キーマンズネットとは
2005年にアクセンチュア株式会社へ入社、金融機関を中心に、コンサルティングからシステムの開発、導入に従事。上海・ホーチミンでのオフショア開発拠点立ち上げを担当、帰国後大規模システム開発プロジェクトのマネージャーに就任。2014年株式会社フロムスクラッチへ入社、現在は同社取締役、「B→Dash」開発責任者。

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