第4話:テレワークのコミュニケーション術

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第4話:テレワークのコミュニケーション術

情報共有システム・コミュニケーションツール 2016/06/28

愛息が5歳になり色々な事を一緒に出来る喜びを噛み締め、テレワークを活用しながら、日々子育てに奮闘しております。

さて、前回(第3話:働き方の問題点と改革王者までの道のり)では、企業のワークスタイル変革の軌跡を当社がワークスタイル変革を行なった背景とテレワークを導入した経緯についてお話させていただきました。

今回は、「もう少し具体的な内容を教えてほしい」、「結局どうやってワークスタイル変革を行なったのか」などのコメントを頂いたことも踏まえ、より具体的な業務の改善内容などをお話したいと思います(コメントありがとうございます)。

全員がテレワークするべきなのか?!

去年から今年にかけて、テレワークに関するニュースを耳にする機会が増えたと感じませんか?「テレワーク環境を全面導入」「全社員に在宅勤務を導入」などのニュースが大変増えております。

例えば、トヨタ自動車では在宅勤務制度を「一定の資格以上を持つ約1.3万人の社員」にまで拡大することが6月に発表されました。リクルートホールディングでは、去年の8月に“全社員”を対象とした在宅勤務制度の導入が発表されました。

そのほかにも、パナソニック、日産自動車、マイクロソフトなどの大手企業でもテレワークの導入が進みニュースになっています。

当社のお客様からもテレワークの対象範囲を「どこまで対象を広げるべきか?」「全社員にすべきか?一部のメンバーにすべきか?」というテレワークの対象範囲に関して、よくご質問いただきます。

これに対する回答は……

『会社により違う』

という回答が正しいと思います。

テレワークを利用する利用者の対象範囲ではなく、『テレワークを必要としている従業員』がどれぐらいいるのか?が重要だと思います。

では、『テレワークを必要としている従業員』がどれだけいるのでしょうか?

ソフトクリエイトがとった方法とは?!

『テレワークを必要としている従業員』がどれだけいるのかを測るために、当社がとった方法は「テレワーク設計書」を作成する方法でした。

「テレワーク設計書」を利用して、対象者の見える化を図りました。

下記、4点について見える化を図り、テレワーク適正度を導き出しました。

1.個人の見える化
2.担当業務の可視化
3.担当業務の場所
4.業務を行なうツール

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■個人の見える化

テレワークを導入しても、

・特別感があり、テレワークを実施しずらい雰囲気がある
・制度があっても、結局周りの目を気にして利用しない

このような理由で失敗するという事例がよくあります(聞きます)。

当社でも、導入初期にはこういった社内の雰囲気があり、積極的に利用するのがはばかられる状況にありました……。テレワークの導入にあたり、当社内で誰がテレワークの業務を行なうのに適しているかをはかるために、この「テレワーク設計書」を利用し、見える化を図りました。

まず、各個人のバックグラウンドを全員でシェアします。各人が各人のバックグラウンドを理解する。そして、特別感をなくすというのが目的でした。

やはり、その人が持っている事情(バックグラウンド)をチーム・社員全員が理解することがカギとなります。

導入当初は、「なぜ男のくせに子どもを迎えにいくんだ」と思われていたかもしれませんが、雰囲気は“ガラリ”と変わり、今はメンバーから「今日は、○○くん(私の子どもの名前)早く迎えにいってあげなさい」と声をかけていただけるようになりました。

このように「テレワーク設計書」で見える化を図ったことで、私が何よりも感じたのが各人の「思いやり」です。

■担当業務の可視化・担当業務の場所・業務を行なうツール

各人の担当業務をできる限り細分化して、可視化を行ないます。
この業務は、どこでどんなツールを使って行なっているのかということを可視化します。

例えば、
○販売企画が担当業務の場合

[業務のおおまかな流れ]
1.リサーチ
2.社内の有識者へ相談
3.関係者をアサインしてミーティングを実施
4.企画書の作成
5.企画レビュー・承認
6.実行

上記のような流れで業務を遂行されるかと思います(実際はもっと細分化されていると思います)。そして、各業務を「どこで」「どんなツール」を利用して行っているか場所とツールを
「テレワーク設計書」にまとめます。

1 .リサーチ:
  場所→自席or社内
  ツール→PC、オフラインイベント(セミナー参加等)
2 .社内の有識者へ相談
  場所→会議室
  ツール→電話、メール、チャット
  ※対面によるコミュニケーションが必要
3 .関係者をアサインしてミーティングを実施
  場所→会議室
  ※対面によるコミュニケーションが必要
4 .企画書の作成
  場所→自席
  ツール→PC、紙
5 .企画レビュー・承認
  場所→会議室
  ツール→PC、プロジェクター
  ※対面によるコミュニケーションが必要

各業務を行なう場所とツールの可視化を行ないます。

可視化を行なうことで、テレワークで同業務を行なった場合、「できる」か「できない」かが分かり、課題が見つかります。

前回の第3話でお話したとおり、【ツール先行型】では業務の可視化ができていないため、課題が抽出できておらず、課題に直面する・したことで失敗します)

業務の洗い出しをしてみると、対面によるコミュニケーションを多くとっていることが分かります。テレワークを導入し、在宅勤務をすると対面式のコミュニケーションは通常取れなくなります。電話やメールを利用したコミュニケーションの手段はあるにしてもです。

会議室で行なう業務をテレワークで行なうとした場合、この対面式のコミュニケーションをどのように行なえばできるかということを考えました。様々なツールを検討した結果、Web会議を行なうツール利用するという結論に至りました。

ここでようやく、ITツールを導入するという決定がなされたわけです。

他にも対面式のコミュニケーションを実現する方法として、テレビ会議などの手段はありますが、コストがかかります。テレワークを行なう対象者が増えた場合、環境構築だけでコストが膨らんでしまいますので、ますますテレワークの導入が難しくなると考え、Web会議を選択しました。  

ほんとに仕事してるの???

実際にテレワークを導入したとしても『ほんとに仕事してるの?』と思われがちなテレワーク。

「テレワークしているメンバーはさぼるのではないか?」「ほんとに仕事をしているのか分からない」などのお声を聞くことがとても多いです。

これは、マネジメントをどのように行い、予定と実績をどのように管理するかということにつきます(※労務管理などの整備も必要です)。

私のチームで、行なっているマネジメントの方法をご紹介いたします。

■朝スペースと夜スペース

【朝スペース】【夜スペース】という仕組みを利用して、マネジメントしております。運用は下記のルールで行なっています。

[運用ルール]
・9時30迄に当日の実施項目を宣言
・30分単位で当日の実施項目を記載  
・18:00迄のスケジュールとする
・タスクの期日を明記しておく
・優先順位を明記
・全員分のタスクを見ておく 
・宣言したことの結果を明記
・虚偽の報告はしない
・1つコメントを入れる(自由)

どんな感じで記載するかというと、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
例)
  9:00〜  9:45   →上長への報告時間(施策関連)
  9:45〜10:30 →移動(メール確認作業)
10:30〜12:00 →○○様打ち合わせ(☓☓案件)
12:00〜13:00 →移動(出来れば大阪セミナーの連絡@各メーカー)
13:00〜14:00 →○○企画打ち合わせ
14:00〜15:00 →移動(○○案件フォロー確認をメールで実施)
15:00〜16:00 →△△様訪問
16:00〜17:00 →移動
17:00〜18:00 →☓☓企画の社内打ち合わせ

優先順位
・○○施策の合意形成を取る
・△△案件の提案書を確認!
一言コメント
18:00に帰って、家族で御飯食べます!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上記のように作業時間とタスクを明記します。各人のタスクをメンバー全員が見れる状態となっており、各人が各人のタスクが把握できます。
また管理者は、メンバーの当日のタスクを把握することができ、タスクの優先順位を変更してほしい場合は、その旨を伝え軌道修正します。

個人でその日の戦略を立てるように習慣化することで、自ずとセルフコントロールができるようになり、マネージャー側もよりマネジメントしやすいという副産物まで生まれます。

この「朝スペース・夜スペース」は、当社でテレワークを導入にあたり、取り入れた仕組みです。取り入れたことで、より効率的な予実管理を行なうことができました。

あるメンバーが、資料作成するのに、2時間のタスクを入れていた際、共有していたメンバーが「この資料を使えばいいのでは」という気付きから、わずか10分でそのタスクが終わってしまったというような実績があります。タスクや資料を共有することで、効率化が促進できたと思います。これも業務改善の1つです(小さいかもしれませんが、積み重ねが重要)。

当社のチームで利用しているマネジメントの一例をご紹介いたしました。
テレワークを行なう上でも、“コミュニケーション”、“情報共有”はとても重要です。

今回は、「テレワーク設計書」を利用したテレワークの対象者の選定方法、テレワークによる在宅勤務をした場合に必要なコミュニケーションの手段とタスクの共有とマネジメントについてお話しました。

当社では対面式のコミュニケーション手段として、Web会議というツールを選択しました。情報を共有する手段は、やりたいことにより異なり、必要ツールもたくさんありますがツールのお話は最終回も紹介します。

テレワークを導入する上で検討すべきことは、テレワークを利用する範囲ではなく「テレワークが必要な人」です。本当に必要な人がテレワークを利用して業務を行なうことで、誤った考え方を是正した結果、テレワークの導入に成功するのではないかと思います。

次回は、テレワークに不可欠なツールを利用する上でのセキュリティについてご紹介いたします。

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ワークスタイルエバンジェリストとして、「企業へのテレワーク推進、ワークスタイル変革の活動に邁進中。私生活ではイクメン(自称)として主に食事を担当して、家事にも邁進!子育てと仕事の両立を日々楽しんでいます。「パパ・ママが笑って働ける日本を」をモットーに日々活動中です。

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