AWS Summit 2016事例(2)金融機関に学ぶクラウドの使いこなし方

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AWS Summit 2016事例(2)金融機関に学ぶクラウドの使いこなし方

サーバー 2016/06/21

拠点に散在する重要情報を集約して、スピードと低コストを追求しながら、安全で堅牢な仕組みを実現した国内金融機関の事例を紹介する。

 2016年6月1〜3日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン主催のイベント「AWS Summit Tokyo 2016」が開催された。6月1日は「Enterprise Day」と銘打たれ、エンタープライズIT分野におけるAmazon Web Services(AWS)の導入事例や最新技術の紹介が行われた。本稿ではその中から、ジャパンネット銀行 執行役員CIO IT本部長 出口剛也氏および同社 IT統括部部付部長 JNB-CSIRTリーダー 二宮賢治氏による事例セッション「ジャパンネット銀行におけるクラウド活用への取り組み」の模様を紹介する。

 ジャパンネット銀行は、2000年9月に設立された日本初のネット専業銀行。同社が掲げるIT戦略は、出口氏いわく「『高いセキュリティ』『24時間365日サービス』『スピード・低コスト』の3つ。特にスピード・低コストの実現にはクラウドを活用する必要がある」というのが二宮氏の考えだ。

業務のコア部分ではない周辺システムからクラウドインフラに移行

 現在、同行では、情報システムのうち、勘定系を「コアシステム」とし、それ以外の部分を要件によって「セミコア」「ノンコア」に分類している。そのうち、「セミコア」「ノンコア」システムを、順次それぞれの適性に応じてオンプレミス環境からクラウドへの移行を進めている。

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 同社がこうしたクラウド活用の具体的な検討を始めたのは、約2年半ほど前。金融情報システムセンター(The Center for Financial Industry Information Systems:FISC)が2014年に「金融機関におけるクラウド利用に関する有識者検討会報告書」を発表したことがきっかけだ。

 報告書の内容をごく簡単に説明すると「リスクをしっかり管理すれば、パブリッククラウドは外部委託の一種として活用可能」というもの。有識者の詳細な検討の結果として、金融機関においてもパブリッククラウドは有効であるとの結論が公式に示されたことで、提携先企業や他の金融機関でクラウドサービスの採用が増えたという。

 同行もこうした流れを受け、まずは、更改時期を迎えていたOAシステムをクラウドに移行することを決定した。OAシステムとはActive DirectoryサーバやExchangeサーバ、拠点ごとに設置されていたファイルサーバ類などを指す。

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 同行の場合は、重要情報を含むデータが事務拠点に散在している状況や、一部システムでの災害対応不備といった既存システムの課題も、クラウド移行と同時に解決している。もともとデータを三重化して保持するサービスであるAmazon Simple Storage Service(S3)を利用し、Availability Zoneを使ってデータセンターも二重化している。

 二宮氏によると、オンプレミスで運用した場合と比較して、パブリッククラウドを利用することで5年で2割程度のコストを削減できるとしている。

 同行は、さらに「使い勝手やレスポンスを決して低下させないこと」、そして「高いセキュリティレベルを保つこと」の2点をAWS移行時の必達項目として掲げている。

 レスポンスとセキュリティはパブリッククラウドの弱点と見なされることもあるが、ジャパンネット銀行ではキャッシュ製品を使ってWAN越しのスループット向上を図ったり、認証装置の導入やセキュリティチェック体制の構築によるセキュリティ対策強化などにより、レスポンスとセキュリティの要件をクリアしたという。

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図中の「Panzura」はクラウドストレージをファイルサーバとして利用する際のゲートウェイとして機能するサービス。Amazon S3、Microsoft Azure BLOBなどに対応しており、CIFS/NFSでアクセスできる
■パブリッククラウド「ならでは」のナレッジが成功のカギ

 二宮氏は、AWS移行の取り組みを振り返り、「何事もインターネット接続が前提であること、課金対象や課金モデルを理解して管理することが重要。サービス側の臨時メンテナンス発生に備えた冗長構成にも配慮しておく必要がある。こうしたナレッジを多く持つクラウドインテグレーターとのパートナーシップがプロジェクト成否の鍵を握る」と、講演を締めくくった。

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