子どもや高齢者の見守りに“市内全域”で電柱にIoTを活用!

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子どもや高齢者の見守りに“市内全域”で電柱にIoTを活用!

データ分析 2016/06/22

 昨今、世界的に急速に成長を遂げているIoT(Internet of Things)は、人々の暮らしや企業のビジネスだけでなく、公共サービスにも新たなイノベーションを生み出すポテンシャルを秘めている。しかし、その実態はあまり知られておらず、結局IoTを遠いもののように感じている方も少なくないのではないだろうか。

 そこで本連載では、実際の活用例を具体的に紹介していくことで、IoTの活用イメージはもちろん、どのような用途にどのようなIoTソリューションが必要なのか、その勘所がつかめるような記事としたい。

 今回は、兵庫県伊丹市と阪急阪神HDが取り組んだ新たなIoTサービスの構築事例を紹介しさせていただく。

協業の背景にあった課題とは

 昨今、児童や生徒が被害者となる犯罪や、認知症高齢者の徘徊事案などが全国各地で増加傾向にあり、自治体では防犯、見守りの強化に向けて早急な対応が迫られている。

 そこで伊丹市は子どもや高齢者を事件や事故からどのように守るべきかという課題に対して、阪神電鉄が手掛けている子ども見守りサービス「阪神あんしんサービス登下校ミマモルメ」に注目。阪神電鉄の母体である阪急阪神ホールディングスと協働で安全・安心なまちづくりを目的とした新事業「伊丹市安全・安心見守りネットワーク事業」を開始した。

どのようなシステムを構築したのか

 伊丹市安全・安心見守りネットワーク事業では、「阪神あんしんサービス登下校ミマモルメ」のサービス基盤を基に、伊丹市内で子どもと高齢者を見守るIoTサービス「まちなかミマモルメ」を開発した。

 この「まちなかミマモルメ」は、BLE(Bluetooth Low Energy)で通信するBeaconを活用したIoTサービス。子どもや高齢者にBeaconの発信機を携帯してもらうことで、このBeaconが発信する電波を伊丹市内の様々な場所の電柱に設置した受信機が捉え、子どもや高齢者がいつ、どこにいたのかを保護者・家族が把握することができる。その規模は伊丹市内全域という広範囲に及んだ。

 また、このサービスには地域のボランティアも参加し、例えば保護者が対象者の捜索・保護を依頼した場合には、ボランティアも専用のスマートフォンアプリで対象者のBeacon位置情報を捉えることができるようになり、容姿や顔を知らなくても捜索・保護に協力できるように。保護者、ボランティア、そしてBeacon受信機、これらが一体となり地域ぐるみで子どもや高齢者の安全を守るネットワークを構築した。

「まちなかミマモルメ」のサービス概要

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「まちなかミマモルメ」のサービス概要

システムに求められた課題とは何か

 このシステムの要となるのは、間違いなく市内に設置されたBeacon受信機。その数は市内全域で1000ヵ所に及び、それら全てがリアルタイムに対象者の位置情報をサーバーへと送信している。
 
 そこで求められるのは、故障のリスクを考慮しなくても長期運用ができる高い信頼性だ。「まちなかミマモルメ」では、市内全域1000ヵ所のBeacon受信機が常に正常に動作し、捕捉した対象者の位置情報をサーバーに送信し続けることが求められる。どこか1ヵ所でも故障があれば、それは見守りネットワークの“節穴”になり、システム全体の価値が問われることになる。

 加えて、1000ヵ所のBeacon受信機に故障のリスクが付きまとえば、保守メンテナンスのコストも看過できないものになる。「安定稼働」こそが、このシステムに求められる最大のニーズなのだ。

OpenBlocksはどのように活用されたのか

 今回、ぷらっとホームの製品は市内に設置されたBeacon受信機として採用され、Bluetooth通信モジュール内蔵型のIoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT EX1」が、1000ヵ所の電柱に取り付けられた。
 
 このシステムに採用された「OpenBlocks IoT EX1」を含むOpenBlocksシリーズの製品は、本体に稼働部品を一切採用しないファンレス設計になっており、長期稼働による故障のリスクは大きく軽減されている。通信会社に数千台規模で導入し安定稼働させている実績や、10年以上という長期稼働を実現している事例もあり、こうしたハードウェアに対する高い信頼性がシステム全体の安定稼働を支えることになる。加えて、OpenBlocksシリーズの製品はLinuxベースのOSを採用し、オープンソースを活用したシステム開発が可能である。

 こうした柔軟性の高さも、長期間運用が求められるIoTサービスにおいては重要なポイントになると言えるだろう。

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キーマンズネットとは
IoTビジネス開発部部長。90年代初頭よりLinuxを始めとするオープンソース市場創成に貢献した日本を代表するエバンジェリストの1人。2000年に超小型Linuxマイクロサーバ「OpenBlocksシリーズ」を生み出し、本シリーズは累計10万台の出荷を超すベストセラーに。現在新領域としてIoT市場の開拓と普及に注力中。

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