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第2話:日本の働き方の問題点って?

2016/05/31

前回は「なぜ、ワークスタイル変革が必要か?」と題し、現在の日本が抱えている課題からワークスタイル変革の必要性についてお話いたしました。

今回は、労働力人口が減る中で“日本人”の働き方に対する問題点についてお話したいと思います。

働き方に対する問題点

「長時間労働は悪です!」ということです。

先に答えを言ってしまいましたが、なぜ長時間労働が悪なのか?
そして、長時間労働が日本人の働き方にどう関わっているのか?を考えていきます。

突然ですが……

「24時間働けますか。」というCMをご存知でしょうか?

1988年から1992年まで放送されていた、某栄養ドリンクのCMで「世界に誇る強い日本のサラリーマン」が描かれていました。バブル全盛期を象徴していたCMといっても過言ではないと思います。

なぜ、このCMの話を持ち出したかというと、バブル全盛期の働きは「24時間(長時間)働くことで、個人・会社・国が発展するのが日本社会の構造だった」からです。

今の日本はどうでしょうか。日本の1人あたりの労働生産性は何と、OECD加盟諸国の37カ国の中で21位です。また、とても残念な結果ですが先進主要7カ国で最下位という結果になっています。この結果は、今年度だけではありません。年々日本の労働生産性は下がっているという事実を表していると思います。

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  出典:公益社団法人日本生産性本部「日本の生産性の動向2015年度版」

人口ボーナス期と人口オーナス期

「人口ボーナス期・オーナス期」という考え方をご存知でしょうか。

「人口ボーナス期・オーナス期」という考え方は、ハーバード大学のデービッド・ブルームという学者が10年前に唱えた学説です。

最近、株式会社ワーク・ライフバランスの小室社長がメディアなどでよくお話されている
ので耳にしたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

ごくごく簡単に説明させていただきます。

■人口ボーナス期
 労働力人口が多く、高齢者が少ない国の状態

■人口オーナス期
 支えられる側(高齢者)が支える側(労働力人口)より多くなっている国の状態 
 
人口ボーナス期を迎える国は「経済発展するのは当たり前」とデービッド・ブルームは唱えています。

それはなぜか?
 
2つの理由があります。 
 
   1.若者が多く、高齢者の数が少ないため「社会保障費用」が全然掛からない 
 2.労働力が沢山あり、また人件費が安いため、世界中からビジネスが集まり、
    早く安く大量に生産する事が出来る

実は東アジアの奇跡は、すべてこの人口ボーナス期で説明が付くとまで言われています。
今、人口ボーナス期なのは「中国、インド、タイ、ベトナム」といった国が挙げられます。

残念ながら、日本のボーナス期は1990年代で終わってしまい、現在人口オーナス期に入っています。人口ボーナス期が一度終われば、二度と来ないと言われています……。

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出所:日本経済研究センター「人口が変えるアジア」

もう少し、人口オーナス期の説明をさせていただきます。

「オーナス」というのは「負荷」「重荷」といった意味で、人口構造がマイナスに働く時期を意味しています。
 
それはなぜか?

支えられる側(高齢者)が支える側(若者)より多くなっているので、「社会保障制度」の維持が困難な状態になります。そして、その国の経済自体が伸び悩んでいくという状態になります。

今の日本の人口構造をイメージしていただくと非常に分かりやすいと思います。国の予算も未来への投資ではなく、社会保障費用の歳出が多くなっています。

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出所:財務省

日本が問題なのは、人口ボーナス期から人口オーナス期になった事ではなく、超ハイスピードで人口オーナス期になってしまった事だと言われています。
※人口ボーナス期を経験した国は、必ずオーナス期になると言われています。

なぜ、超ハイスピードで人口オーナス期になってしまったのか?
それは、少子化対策に失敗したことにあります。
子供が生まれ続ける社会作りに、国・企業が取り組まないことで、超高齢化社会に超ハイスピードで突入してしまい、国の成長が伸び悩んでいるという事が起こっています。

それぞれの時期の最適な働き方

●人口ボーナス期の最適な働き方

この時期の最適な働き方を3つのポイントで説明したいと思います。

 [男 × 長時間 × 均一条件]
 
まず、なるべく「男性」が働く。
なぜなら、重工業の比率が高く(社会インフラなど)、筋肉が多い男性がこれらの仕事内容に適しています。

そして、なるべく長時間で働くことが成果につながります。

なぜなら、市場は「モノ」に飢えているため、作れば作っただけ売れ、「時間=成果」として直結します。例えば、同業他社が明日納品という事であれば、自社は残業してでも今日納品!という事をすれば競争に勝っていける時期だということです。
 
また、マネジメントの観点は均一な条件のメンバーを揃えることが重要です。この時期、労働力は余っているので、分かりやすい一定条件で足切りをするのが納得させやすくなります。
 
「転勤」「残業」「出張」で人材をふるい落とし、出世するために、必死になることで「忠誠心」を高める事が経営者としては最適なマネジメント手法とされており、この人口ボーナス期に発展する働き方が、まさに日本の国民性とてもマッチしていたと言われています。

日本は、同じ人口ボーナス期に中国が稼いだ額の、約3倍も稼いだとも言われています。

人口オーナス期の最適な働き方

 [男女 × 短時間 × 不均一条件]
 
この時期になると、重工業から「頭脳労働」の比率が高くなります。
労働力が不足するので「男女」問わず、人材をフル活用する必要があります。
 
また、徹底的に短時間で働く必要が出てきます。
なぜなら「人件費」が高騰するからです。

日本に目を向けてみると、今日本人の人件費は中国人の8倍、インド人の9倍となっています。そして市場は均一なモノに飽きているため、常に違う価値を短サイクルで提供していく必要があります。1つのヒットに甘んじていると、企業は売上が下がるため、また違った人材が違った価値観で新しいサービスを生み出しヒットさせるというサイクルを、しかも短いサイクルで実施する必要があります。

今の日本の働き方の問題

それぞれの時期において最適な働き方、マネジメント手法があるという事をお分かり頂けたかと思います。

では、どうするべきなのか?

人口オーナス期における日本の働き方の問題は何なのか?

人口オーナス期にも関わらず、人口ボーナス期の成功体験を引きずり、当時(人口ボーナス期)活躍したプレイヤーが意思決定層におり、価値観を若い層にも伝承し続けていることではないかと考えています。

「若いうちは3日間ぐらい寝ないで働け」や「俺の若い時には土日も働いた」など社内で言われたご経験があるのではないでしょうか。今でも、長く働くことで「何となく評価」されたり、「企業に忠誠心」があることで、自己成長につながるという人口ボーナス期の働き方から脱却できていないということが問題だと感じています。

また、人口オーナス期で一番の問題は、「人材不足」がどの企業にも発生するということです。

前回もお話したとおり、今後は介護離職の問題が男女問わずにつきまといます。
・女性は出産・育児があるから長期的には雇えない。
・介護離職の人材は雇えない

昔ながらの企業方針だと、今後、誰を雇うのか?という事に直面します。

今後、企業は短時間で働く事を徹底的に実施し、ありとあらゆる人材が活躍する場を設け、人口ボーナス期の価値観からいち早く脱却する事を切に願っております。

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ワークスタイルエバンジェリストとして、「企業へのテレワーク推進、ワークスタイル変革の活動に邁進中。私生活ではイクメン(自称)として主に食事を担当して、家事にも邁進!子育てと仕事の両立を日々楽しんでいます。「パパ・ママが笑って働ける日本を」をモットーに日々活動中です。

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