第3回 承認・申請ワークフローのクラウド化で競争力強化

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第3回 承認・申請ワークフローのクラウド化で競争力強化

基幹系システム 2016/04/13

 この連載では3回にわたり、企業のワークフローの現状がどうなっているのか、ワークスタイルが変わりゆく今どのような視点でワークフロー改革を行うべきなのかを考察している。第1回第2回では申請・承認ワークフローが必要な理由、「手作業」でワークフローを行う問題点、承認申請システム導入に伴って得られる効果などを解説した。

 最終回となる今回は、承認申請システムについての課題や不満の具体的な内容を確認し、ワークスタイル変革時代を迎えた今、どのようなワークフローシステムを選択すべきか考えていく。

既存ワークフローシステムの大きな課題

ワークフローが遅れる要因は利用場所の制約

 第2回の最後に、申請・承認ワークフローにシステムを利用している人の半分程度が課題や不満を持っており、なかでも「申請から承認までにかかる時間」に課題・不満を持っている人は65.1%に及ぶという調査結果を紹介した。

 それでは申請から承認までの時間は、実際どのくらい掛かっているのか。【図1】がその調査結果だ。1日以内に決裁が下りる人はわずか9.1%と、1割に満たない。逆に2週間を超える人が14.2%もいる。例えば取引先に見積を依頼された場合に、1日以内で回答できるのと1週間以上経ってから回答するのでは、相手の受ける印象はまるで違う。顧客から見れば、申請から承認までの間は単なる待ち時間であり、ビジネスは前進していない。見積回答の遅れは営業機会の損失につながる。競争力を高めるためには、1日でも1時間でも早く決裁を完了できるよう、スピードの改善に取り組むべきである。

 なぜシステムを使っていてもワークフローが停滞してしまうのか。その理由として最も多く見られたのは、決裁権を持つ上司の不在だ。

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出典:株式会社グルージェント
「申請・承認業務(ワークフロー)の実態調査」(2016年1月)

 上司が出張や外出先で承認できないので、ワークフローが滞ってしまっているのだ。申請・承認ワークフローを利用できる場所の制約は、ワークスタイルを変革するにあたり大きな妨げとなる。在宅勤務制度が整備されたり、会社からモバイル機器が貸与されたりしていても、日常的に発生する申請・承認ワークフローが社内にいるときにしか処理できなければ、結局はオフィスに縛られた働き方になってしまうからだ。

 ワークフローシステムを利用できる場所の制約をなくし、外出先でも承認できるようにすれば、スムーズにワークフローが進むようになる。

 ワークスタイルの変革に向けて環境が整備されるだけでなく、迅速な意思決定による競争力の向上も同時に実現できるのだ。    

クラウドを活用した新たな仕組みの登場

ワークフローもクラウド上で完結できる

 これまでも会社から貸与されたノートPCなどで社内LANにVPN接続し、社外から申請・承認業務を行っている人はいた。しかし、わざわざノートPCを開いて接続し、ログインするのは面倒だ。時間に続いて2番目に多かった不満はシステムの「操作性」で、49.1%の人が挙げた。その中には「ログインが面倒」と回答した人もいる。申請・承認ワークフローの手順に少しでも煩わしさがあると、それが心理的な負荷となり承認申請を先送りしがちになる。

 手間はできるだけ少ない方が良い。そこで近年注目を集めているのがワークフローのクラウド化だ。自社でソフトウェア開発やサーバ構築を行うのではなく、インターネットを経由してアプリケーションの提供を受ける仕組みは、SaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)と呼ばれ急速に広まっている。必要なときに必要なだけ利用できる柔軟性や、初期費用の安さなどコストメリットがその大きな魅力だ。

 ワークフローシステムも例外ではない。Google Appsなどのクラウド製品と連携するワークフローシステムなら場所を選ばずにできるので、決裁権を持つ上司が外出していても申請・承認のワークフローが滞ることがない。もちろんスマートデバイスからも利用可能で、小さい画面でも簡単に使えるように考慮して設計されているし、普段使っているアプリケーションと連携して動くので操作性も抜群だ。在宅勤務やモバイルワークにもうってつけで、ワークスタイルの変化にも問題なく対応できる。申請・承認ワークフローの様々な課題が一挙に解決でき、効率化や経営改革につなげられる。

承認スピードを圧倒的に短縮

 クラウド型ワークフローシステムを取り入れて承認スピードの圧倒的な短縮と、社員のワークスタイルの変革を実現した事例がある。関西地方で看板の制作や施工を請け負う、ある広告会社でのことだ。60名ほどいる社員の大半が営業職で、定例会議の月曜だけ出社。それ以外の日は取引先への直行・直帰を基本としている。ワークフローが必要になる機会は、見積や出張経費精算など頻繁にある。

 クラウド型ワークフローを導入する前は、紙でワークフローを回していた。週1回の出社日に全員が1週間分をまとめて申請。承認もまとめて行うことになるので上司も大変だ。決裁は早くても翌週で、時には2週間以上かかることもあった。しかしGoogle Appsと同時に、クラウド型ワークフローツールである「Gluegent Flow」を導入。スマートフォンも全員に支給したところ、いつでもどこでもワークフローを使えるようになり、承認までのスピードが数時間ほどに短縮されたという。その変化をまとめると次のとおりだ。

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 社員達は「ワークフロー業務のために会社に戻る必要がなくなって働きやすくなった」と話しているそうだ。クラウド型ワークフローを導入したことで、顧客対応スピード、業務効率、社員の働きやすさを同時に改善することができたのだ。不満や課題が多々あっても、業務が回っていると現状に妥協してしまいがちだ。しかし、利用頻度が高いからこそ改善効果も高いのが申請・承認ワークフローである。とりわけクラウド型ワークフローは従来のワークフローの課題を一気に解決する可能性を秘めている。クラウドならではのメリットを生かして、低コストでありながら大きな成果が期待できるのだ。

 以上、3回にわたってワークフローの必要性、手作業の問題点とシステム化のメリット、現状のシステムに見られる課題などについて振り返ってきた。ビジネスを取り巻く環境が厳しさを増す中、柔軟なワークスタイルを取り入れることは生産性や競争力の向上につながる。加えてワークフローの改善は意思決定力の強化や業務効率アップに必須といえる。ワークスタイル変革と競争力強化の足掛かりとして、クラウド型ワークフローの導入を視野に入れてみてはどうだろうか。

 なお、この記事は当社で実施したワークフロー実態調査の結果を基に作成している。調査の内容はこちらで確認いただけるので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。
”数字で見る!ワークスタイル変革時代の新しい「申請・承認ワークフロー」の形”

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キーマンズネットとは
株式会社グルージェント ビジネス開発部 統括マネージャー。Google AppsやOffice 365のアドオンサービスの展開におけるセールス&マーケティングをパートナー企業とどのように展開するかを担当。クラウドの導入によるワークスタイルの変革、テレワークの実現をすべくソリューション展開にクラウドの普及に従事。

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