第3回 これからのITエンジニアに求められるスキルとは?

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IT現場の道先案内人 Key Conductors

第3回 これからのITエンジニアに求められるスキルとは?

情報共有システム・コミュニケーションツール 2016/04/11

”攻めのIT部門”へ向けての課題

 ユーザ企業のIT部門は、基幹業務の社内システムの開発・保守といったIT利活用の基礎となる業務を長年担ってきています。米国等ではITを活用したビジネスモデルの変革によって新たな価値の創出や競争力の強化を行い、いわゆる「攻めのIT投資」を目指しているのに対して、日本の場合は従来型の「守りのIT投資」から脱却できていないと、「人材白書2015」では警鐘を鳴らしています。日本の企業においては国際競争力を拡大・維持し稼ぐ力の基盤となりうる「攻めのIT投資」へシフトしていくことが、今後の重要課題なのです。

 一方で、ユーザ企業のIT部門の皆さんは、経営者や事業部門から期待されている役割を十分理解していると思います。「業務プロセス改善」「新規ビジネス創出」「既存ビジネスの販路拡充/拡大」「顧客開拓支援」など、いわゆる攻めのIT活用の実現が必要だと感じてはいるものの、既存業務への対応や人材不足も重なり、ままならないというのが本音ではないでしょうか?

 そんな課題を解決し攻めのIT部門へシフトして行くために、今回は「IT部門で働くエンジニアに求められることは何か?」「空前の人材不足をどのように乗り越えていけばよいのか?」について考えてみたいと思います。

ユーザ企業のIT部門で必要とされるITエンジニアとは

 従来型のベンダによる受託開発の場合、開発現場ではユーザからの要望をベンダが要件化します。その後、設計、プログラム製造、テスト、導入という、いわゆるウォーターフォール型のシステム開発プロジェクトが主流となっていました。今でも、このような従来型でのシステム開発現場が大半を占めていると感じています。またこのようなスタイルにおけるIT部門の役割は、ベンダ管理、システムの受け入れ、本稼働後のシステム運用維持管理などがメインになっているかと思います。

 しかし、時代はいま急激に変化してきています。IoT、ビッグデータ時代が到来し、先に述べたとおり、各ユーザ企業では「儲けを出す仕組みを、ITを活用していかに築き上げるか?」が重要な課題になっています。イノベーションを起こすうえでIT部門は欠かせない存在であり、IT部門のエンジニアに求められるスキルも多岐に渡ってきているのです。

 開発スキルとしては、モバイル、Web、組込み、M2Mなどへの対応、また、ネットワークやセキュリティへの対応も重要です。新しい価値を創出しイノベーションにつなげていくためには、ビジネス領域の知見も必要ですし、膨大なデータの分析ができるデータサイエンティストのように、データを活用できる人材へのニーズも高まってくるでしょう。

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 1人がこれらすべてのスキルを身に付けることができれば何も言うことはありませんが、そのようなスーパーマンの出現は期待できません。それでも、ITスキル、ビジネススキル、データ活用スキル等のうち、複数の専門領域に対して深い知見と経験を有しておくことが肝心です。

 また他のメンバーや他部署を横断的にとりまとめ、チームとしてイノベーティブな活動となるようなコミュニケーション力、統合力、推進力が大切です。価値ある人材になるためには現状に甘んじることなく、高いスキルを磨くべく自己投資することです。自分への投資を続けていけば、組織に縛られることもなく自ずと活躍の場は広がっていくのではないでしょうか。

 しかしそうは言うものの、多忙を極めるIT部門においては既存業務もあるわけですし、スキル向上、スキルシフトの前に人材不足の解消が急務という声が聞こえてきそうです。これは”鶏と卵の議論”のようでもあります。

 次節では、IT部門における人材不足に対してどのような取り組みが有効なのかを考えてみたいと思います。

いかに人材を確保し、攻めのIT部門へと変革するか

 2020年の東京オリンピックに向けて、今後ますますIT投資が増えていく傾向にあります。金融系、公共/公益系、Web系ビジネスなどITビジネス市場、ITサービス市場とも拡大傾向が続いていくと言われています。

 IT人材不足が叫ばれて数年が立ちますが、人材白書2015によりますと、SIer、ソフトハウス等のITベンダ企業においては、人材不足感がリーマンショック前のレベルに達したそうです。ユーザ企業、ITベンダ企業ともに人材不足への対応としては、新卒採用枠や中途採用枠の拡大を打ち出しているようですが、そもそも少子高齢化、生産年齢の減少など我が国が抱える社会的な背景もあり、解消するまで至っていないのが実情のようです。ユーザ企業においては、IT部門以外の部署からのシフトや、他部門の人材活用や、女性、パートタイマー、シニア層活用などのダイバーシティ策を打ち出している企業も少なくないようです。

 一方で、攻めのIT投資を行い、企業のイノベーションを牽引するIT部門には、スキルが高い複数の専門領域を兼ね備えた融合的な人材が必要となるため、量的不足の解消にばかりにとらわれず、質の不足を補うことも肝要です。 


 ところで、人材不足感を感じているのは、企業側(採用側)だけではなく、ITエンジニア側も感じています。ITエンジニアの中には、長年、様々なIT現場で培ってきた経験やスキルを最大限に生かし、適正な報酬として評価してもらえる場所を探している方も少なくありません。そのようなITエンジニアの中には、どこの企業にも雇用されずに自身が積み上げてきたスキルと経験を活かしフリーランスITエンジニア(IT個人事業主)として活躍している方々の存在があります。

 当社は、プロエンジニアと呼ばれるフリーランスITエンジニア(IT個人事業主)とIT開発現場のニーズを汲み上げ、コーディネートする事業を全国レベルで取り組んでいますが、スキルが高いITエンジニアが当社に相談に来られることが年々増えてきていると実感しています。今まさにITエンジニアの流動化が進んでおり、優秀なITエンジニアが活躍の場を求めている状況なのです。人材不足と言われていますが、見方を変えると、やり方次第では優秀な人材を確保できるチャンスでもあるのです。

 フリーランスITエンジニア(IT個人事業主)は、長年IT開発現場で経験を積んでいるため、ITスキルだけではなく、ビジネススキル、マネージメントスキルなど複数の専門領域に深い知見があり、経験豊富です。加えて数々の開発プロジェクトを渡ってきているがゆえに百戦錬磨の方が多く、高いコミュニケーション力を備えていると実感しています。この空前のITエンジニア不足の時代において、攻めのIT部門を創り上げていくうえでは、新卒採用、中途採用などの従来型の解決策だけではなく、世の中で活躍しているフリーランスITエンジニア(IT個人事業主)の活用も有効な選択肢の1つになると思います。

 そのような「攻めのIT」のためのフリーランスの活用に目を向けていただきたく、当社ではユーザ企業のIT部門向けに、経験豊富で高い実力を有するITディレクターを紹介する事業を行っておりますので、最後に少しだけご紹介させて下さい。

ITディレクター紹介事業「ディレクス」とは

 現状のIT部門の役割をこなしつつ、攻めのIT部門を推進していくためには、それ相応の体制が必要となってきます。経営者からのニーズをくみ取り、事業部門の立場に立ち、IT部門のメンバーとして各種のプロジェクトを推進していくことができるポジション、すなわち「ITディレクター」の存在です。前章まで述べてきたとおり、そもそもの人材不足がありますし、また既存のメンバーを育成するにしても、時間とコストがかなりかかるでしょう。

 一方で、フリーランスとして独立したITエンジニアの中には、より上流の仕事を望んでいる方が少なくありません。ユーザ企業の業績に直結する仕事を求めています。イノベーティブに活躍できるステージこそがITディレクターのやりがいなのです。当社ではそんな強い気持ちと高い志を持ったITディレクターを集め、紹介する事業を「ディレクス」事業として推進しています。

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 ディレクスに所属しているITディレクターは以下の前提条件をすべてクリアしています。

1. ユーザ企業の立場でITエンジニアとして就業した経験がある
2. プロジェクトマネージメントの経験がある
3. ITエンジニアとしてシステム開発を経験している
4. 大規模なプロジェクトに参画していた経験がある
5. 要件定義が可能で、業務経験もある。

 また、ユーザ企業に対しては、現在以下の業務でIT部門をサポートしています。

1. 事業計画を実現させるためのシステム立案やコンサルテーション
2. RFP(提案依頼)作成支援
3. システム開発プロジェクトのマネージメント
4. 外部ベンダコントロール
5. 要件定義や要求定義
6. 他部署間における調整業務 

 IT部門をあるべき姿に変革させるうえで、優秀な人材の確保や育成は必要不可欠です。急速なIT市場の拡大、IT人材不足という時代においては、新卒採用や中途採用のみならず、優秀なフリーランスITエンジニア(IT個人事業主)の活用も有効です。各IT部門の状況に合わせて人材確保の方法をいろいろ組み合わせていくことが大切ではないでしょうか。

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キーマンズネットとは
東京都生まれ。1992年、首都圏コンピュータ技術者協同組合(現:株式会社PE-BANK)入社。2015年より同社代表取締役。フリーランスITエンジニアと企業をつなぐ開発業務コーディネート事業、および顧客企業のマイナンバーを含む個人情報管理ソリューション事業を展開している。

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