第1回 未曾有のITエンジニア不足時代がやってきた!

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IT現場の道先案内人 Key Conductors

第1回 未曾有のITエンジニア不足時代がやってきた!

2016/04/01

エンジニア不足時代がやってきた

 ここ数年、企業の採用環境が様変わりしています。少子高齢化による生産年齢人口の減少という社会的背景とともに、景気の回復傾向、短期的には2020年のオリンピック開催などと相まって、あらゆる分野において深刻な人材不足が叫ばれています。

 就職支援サービスを行うエンジャパンが2016年1月に発表した「企業の人材不足実態調査」では、調査した578社の人事担当者のうち、実に84%の企業が「人材が不足している部門がある」と答え、また転職情報サービスのDODAによる同年2月の転職求人倍率レポートでも、求人数が14ヵ月連続で調査開始(2008年1月)以来の最高値を更新していると報告されました。

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 有効求人倍率は二十数年ぶりの高水準を維持したまま推移、先のDODAの調査でも転職希望者数が前年同月比154.0%と大幅に増加していること、また日本経済団体連合会が会員企業を対象に行った新卒採用に関するアンケート調査でも、2016年4月入社の新卒採用が「売り手市場だった」との受け止めが91.1%にのぼるなど、空前の「売り手市場」「人材不足」と言って良い状況が続いています。

ユーザ企業のIT部門への影響・問題点

 どの調査でも上位には「IT・情報処理・インターネット関連」分野がランクインします。

 IT分野の有効求人倍率は、ゆうに2倍から3倍を超え、様々な転職イベントを覗けば、多くの企業がIT技術者を求めており、獲得競争も過熱。中には高額の入社準備金やお祝い金を用意するなどの試みを行う企業も現れました。

 このような現状が企業のIT(情報システム)部門にどのような影響、あるいは問題を引き起こしているのでしょうか。それはひとえに「守りのIT」だけに人とお金が割かれているということではないかと思います。ここで言う「守りのIT」とは、簡単に言えば「保守・運用」です。企業のIT部門が完全なコストセンターと化しているのです。

 あらゆる業種・業態、様々な製品・サービスにITが不可欠な現在。そしてグローバルな経営環境の中にあって、本来求められるIT部門の役割とは「攻めのIT投資」であるべきです。しかしながら実態は、限られた貴重な人材が日々の保守や運用に割かれ、新たな提案や先導ができていないのが実態なのではないでしょうか? 

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 どのようなビジネスもITを活用せざるを得ない中で、本来担うべき役割が果たされていない現状は、すなわちユーザ企業のIT部門における最も顕著な問題点になっているのではないかと考えています。

空前の売り手市場は人材の流動化を促している

 それでは、問題改善の突破口はどこにあるのでしょうか?キーワードは「人材の流動化」にあるのではないかと考えます。 

 「記録的な売り手市場」「空前のエンジニア不足」というニュースは当事者であるエンジニア自身の耳にも届いています。これまで半ば自虐的に「3K」や「7K」といった否定的なワードを呟きながら、長く現状に疑問を抱いていたエンジニアが、昨今の報道に触れるなか、自身の待遇や環境に改めて疑問を持ち始めています。

 「自身のスキルに対する評価は正当なものなのか?」あるいは「今こそキャリアアップ・キャリアチェンジの好機なのではないか」というある種の“目覚め”です。

 先の調査による転職意向でも明らかですが、実際、当社の相談会や説明会にも、現状に疑問を抱いていたり、あるいはキャリアアップやキャリアチェンジを考えていたりする多くのITエンジニアが、自身の市場価値、正当な評価を知りたいと訪れています。

 空前の売り手市場は、一方で人材の流動化も促しています。これは優秀な人材、求める人物像と出会えるチャンスでもあります。

効果的なIT人材獲得の手立てとは

 昨年9月末、企業のIT部門にも大きな影響をもたらす「改正労働者派遣法」が施行されました。改正派遣法はIT業界にも多大な影響が予想される“特定労働者派遣の廃止”“専門26業務の廃止”が含まれています。

 この“専門26業務の廃止”には、これまで期間制限を受けなかったシステム開発などのIT分野も対象になるので、いわゆる”3年問題”として企業のIT部門にも様々な混乱をもたらしています。改正派遣法によるIT現場への影響について、詳しくは次回に譲ることといたしますが、この法改正も先の”人材の流動化”に拍車をかけている大きな要因の1つです。

 企業サイドは「空前の人材不足」という表層ばかりに目を奪われるのではなく、つとめて冷静に市場を見ていくことが肝要なのではないでしょうか。応急処置的な単なる補充ではなく「攻めのIT」へ向けた改革の好機と捉え、効果的な人材獲得の手立てを図っていくべきでしょう。

 次回からは、先に挙げた仮説あるいは現状の課題について更に掘り下げて考えていきたいと思います。

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キーマンズネットとは
東京都生まれ。1992年、首都圏コンピュータ技術者協同組合(現:株式会社PE-BANK)入社。2015年より同社代表取締役。フリーランスITエンジニアと企業をつなぐ開発業務コーディネート事業、および顧客企業のマイナンバーを含む個人情報管理ソリューション事業を展開している。

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