第2回 起源はピラミッド?プロジェクトマネジメントの振り返り

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第2回 起源はピラミッド?プロジェクトマネジメントの振り返り

情報共有システム・コミュニケーションツール 2016/02/29

プロジェクトを成功に近づけるプロジェクトマネジメント

 前回は、そもそも「プロジェクト」とは何なのか?5つのポイントにまとめ、特徴を見てきました。リスクを多分に含んだ、個別性のあるプロジェクトは、油断していると失敗に陥りやすいものであることをご理解いただけたと思います。

 それを前提に、今回は、プロジェクトを成功に近づけるプロジェクトマネジメントについて、振り返りたいと思います。

プロジェクトマネジメントの起源はピラミッドだった!

 プロジェクトマネジメントの起源は、エジプトのピラミッド建設にあると言われています。建設機器などがない中で、天才プロジェクトマネジャーが采配を振るって、大勢の作業者をコントロールしていたのでしょう。

 当然、その頃は体系化されたプロジェクトマネジメントは存在していません。 現在のプロジェクトマネジメントは、アメリカで生まれ世界に拡大していきました。 1950年代に現在の形のプロジェクトマネジメントが生まれたと言われています。

 “Program Evaluation and Review Technique”(PERT)や、クリティカルパス法(CPM)と呼ばれる手法がこの時期に開発されています。その後、1969年にPMI(Project Management Institute)が設立され、プロジェクトマネジメントの拡大、発展に大きく貢献しました。1996年には、 プロジェクトマネジメントの知識体系をまとめたPMBOK(Project Management Body of Knowledge)の初版が発表され、世界中に拡大していきました。PMBOKは、現在も世界で一番広まっている知識体系です。

 日本でも、PMBOKを導入している企業が多くあります。2002年には、日本独自のプロジェクトマネジメント、P2M(Program&Project Management for Enterprise Innovation)が策定されました。P2Mは、曖昧に考えたり、人のつながりを重視したりするなどの日本独自の特性を活かした内容になっています。
 
 イギリスでは「PRINCE2」というプロジェクトマネジメントの知識体系があります。「PRINCE2」は、イギリスだけでなくEU諸国に広がりを見せています。 2012年には「プロジェクトマネジメントの手引」(ISO 21500:2012)が発行されました。PMBOKもP2Mも、PRINCE2も、すべてISO 21500に準拠する内容になっています。

プロジェクトマネジメントの流れ

 それでは、実際にプロジェクトマネジメントについて見ていくことにしましょう。下図はプロジェクトマネジメントの流れを示しています。プロジェクトを「構想」「計画」「実施」「終結」の4つのフェーズに分けて考えていくのが一般的です。

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 それでは、各フェーズの概要と要点について見ていきましょう。

「構想」フェーズ

 何のためのプロジェクトか、どのようなプロジェクトか、実現性はどうか、生み出す  価値はどのようなものかなどをしっかり考えます。

 構想フェーズは非常に重要です。構想が十分に行われないと、実施フェーズで計画フェーズあるいは構想フェーズに戻り、必要以上の時間を浪費することになってしまいます。

「計画」フェーズ

 プロジェクトのさまざまな計画を行います。具体的には、次の「マネジメント活動の概要」で説明します。  

「実施」フェーズ

 計画どおり進んでいるか、必要であれば是正し、プロジェクトを成功に導きます。

 主な内容としては、進捗管理、課題管理、変更管理などがあります。また、主要ステークホルダーへの報告も行います。

 更に、プロジェクトチームをまとめ、成功に導くリーダシップも重要です。

「終結」フェーズ

 成果物の引渡し、プロジェクトの評価、教訓の整理・蓄積を行います。

マネジメント活動の概要

 それでは、プロジェクトマネジメントの計画フェーズ中で、どのような具体的な活動を行っていくのか、見ていくことにしましょう。

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 引用 日本プロジェクトマネジメント協会:
 「改訂3版 P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」
 図表3-1-11:プロジェクト遂行のマネジメント活動の概要

(1)プロジェクトの使命、目的、目標の明確化
 まず、プロジェクトの使命、目的、目標を確認します。不明確であれば、明確にしていきます。成功基準も明確にします。それぞれの内容は、文書化し、ステークホルダー(関係者)で共有します。プロジェクトの使命、目的、目標を明確にすることは、プロジェクトを進める中で、非常に重要な内容です。

(2)役務範囲の明確化(WBSの設定)
 プロジェクトに必要な作業を網羅したWBS(Work Breakdown Structure)を作成します。WBSは、すべての計画の基本となります。スケジュールもコストもリスクも、WBSをベースに計画していきます。WBSの完成度が高いと、プロジェクトは成功に近づきます。「標準WBS」として、参考になるWBSを組織や会社で準備することも増えています。

(3)組織編成
 プロジェクト実施体制を明確化します。

(4)WP(Work Package)と責任分担表の作成
 誰が何の作業を実施するかを明確化します。

(5)作業手順図の作成
 どの作業をどの順番で実施するかを考えます。

(6)工程管理の実施
 ガントチャートにスケジュール計画を明記します。

(7)予算管理の実施
 プロジェクト予算を策定します。計画した内容を、プロジェクト計画書として文書化します。ここまでが計画フェーズです。プロジェクトが開始したら、進捗管理を行っていきます。

 いかがでしたか?今回は「プロジェクトマネジメントの概要」について、振り返らせていただきました。

 次回は、プロジェクトマネジメントについて具体的な事例もふまえながら、更に深く学んでいきたいと思います。

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キーマンズネットとは
松下電器産業(現パナソニック)に入社後、SEとしてICTシステム構築のプロジェクトを多数担当。2008年 教育部門に転身、現在に至る。PMを中心とした企業向け教育、P2M試験対策講座の講師を担当。50歳でマラソンを始めスローランニングを楽しんでいる。PMS、PMP、ITIL foundation、情報セキュアド、阪神タイガース検定など資格を保有。

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