「0円」でスキャナ保存制度を!弥生が目指す「会計業務3.0」とは

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「0円」でスキャナ保存制度を!弥生が目指す「会計業務3.0」とは

情報共有システム・コミュニケーションツール 2016/01/29

 「e-文書法」をご存じだろうか。これはビジネスを行う上で必要な書類を電子化し、保存するための要件をまとめたもので、会計帳簿だけでなく契約書、請求書、領収書などの電子保存が可能となるものだ。2005年に施行されたe-文書法、その要件には「スキャナが必要」「領収書は3万円以内」「改ざん防止の電子署名、タイムスタンプが必要」などの制約も多く、これまでわずか133企業のみでしか利用されていなかったという。

 その会計業務における電子保存にいま、にわかに注目が集まっている。2016年1月に「スキャナ保存制度」の要件が緩和され、より簡易な方法でも電子保存が利用できるようになったのだ。

規制緩和も会計業務3.0を後押し

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規制緩和も会計業務3.0を後押し
2016年1月の規制緩和で、金額の要件、電子署名が不要となり、スキャナによる電子保存が中小企業でも現実のものとなった。

 会計ソフトを提供する弥生は2016年1月19日、企業の「ペーパーレス経理」を推進するため、新たなキャンペーンを行うことを発表した。中小企業や個人事業主など“スモールビジネス”における会計業務を進化させ、業務時間を8割短縮させるべく「会計業務3.0」を目指す。

会計業務3.0を実現する機能、それは「スキャンデータの有効活用」

 弥生では、PCにインストールする会計ソフト「弥生会計」「やよいの青色申告」を販売しており、弥生の独自集計によると現在業務ソフトメーカー別の販売本数シェアは55%という老舗だ。2014年10月にはWebブラウザから利用可能なクラウド版「やよいの青色申告オンライン」もサービスを開始した。

 弥生では、PCにインストールする会計ソフト「弥生会計」「やよいの青色申告」を販売しており、弥生の独自集計によると現在業務ソフトメーカー別の販売本数シェアは55%という老舗だ。2014年10月にはWebブラウザから利用可能なクラウド版「やよいの青色申告オンライン」もサービスを開始した。

 今回発表した「スキャンデータ取込」機能は、企業のペーパーレス化を進めるだけでなく、自動化が難しかった「レシート」「領収書」を、小さなスキャナで読み取るだけで仕訳に変換し、作業の自動化を目指すというものだ。

弥生株式会社 代表取締役社長 岡本氏

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弥生株式会社 代表取締役社長 岡本氏
会計業務の進化

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会計業務の進化
弥生が考える「会計業務3.0」。取引発生後、多くのサービスと「YAYOI SMART CONNECT」経由で連携することで仕訳の作成を「自動化」する

 弥生会計における「スキャナ取り込み活用」は2段階のフェーズがある。まずはスキャナ読み込みによる仕訳の自動生成だ。これは弥生の会計ソフトが他のサービスと連携する機能「YAYOI SMART CONNECT」に新たに「スキャンデータ取込」機能を追加することで実現している。一般的なスキャナを使い、レシートや領収書をスキャンしデジタル化したデータをYAYOI SMART CONNECTを経由し取り込む。この時、画像のOCR処理を行うことで自動で取引データを生成、更にその取引データを自動で仕訳データにすることで、面倒な入力業務を削減することができる。

ハンディスキャナでレシートを読み取る

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ハンディスキャナでレシートを読み取る

 この機能では、単なる文字認識だけでなく、レシートに特化した処理も行っているとのことだ。ほとんどのレシートは店名を「ロゴ」化しているため、そのままでは文字認識ができない。そこでレシートの読み取りでは「電話番号」を認識し、そこから店名を検索し、その結果を取引データとして記録する方式を採っている。

「やよいの青色申告オンライン」での取込の様子

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「やよいの青色申告オンライン」での取込の様子
レシートの店名はロゴ画像になっているためOCRできないが、電話番号を元に店名が摘要欄に正しく入力されているのが分かるだろうか…

 更に、弥生は「スキャナ保存制度」の要件に必要な「タイムスタンプの付与」「証憑(しょうひょう)の検索機能」「承認機能」の提供を2月に開始、更にはスキャナ保存制度の申請のための支援機能も提供する。これにより、レシート、領収書の原本を破棄することが可能となる。中小企業を含むスモールビジネスでもスキャナ保存制度の恩恵を受けることができるようになり、処理時間はこれまでの年間24時間から5時間へと、8割の短縮が目指せるという。

サービス利用者には「5年間スキャナ無料貸出」「タイムスタンプ使い放題」を提供

 この仕組みを更に推し進めるため、弥生は思い切った戦略に出る。岡本氏は「それでも初期費用に180万円、運用費用に30万円かかる、それを弥生は思い切って“0円”にする」と述べ、スキャナメーカーのPFUとオリックス・レンテックとの協業で「スキャナを無償レンタル」するだけでなく、セイコーソリューションズとの連携で通常従量課金が一般的なタイムスタンプを、弥生ユーザーへ“無償” で提供すると発表した。

対象者全員にもれなく“スキャナ無償レンタル”

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対象者全員にもれなく“スキャナ無償レンタル”
あんしん保守サポート トータルプラン加入ユーザーに、PFU製スキャナ「ScanSnap iX100」を5年間無償でレンタルする
運用費用であるタイムスタンプも“無償”

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運用費用であるタイムスタンプも“無償”
通常はスキャン画像ごとに従量課金されるタイムスタンプも、弥生の保守サポートに含む形で無償提供する

 これは弥生会計16、やよいの青色申告 16、やよいの青色申告オンラインのサポートプランへ加入している利用者、および会計事務所経由でのサービス利用者が対象となる。

 弥生はこれらの機能で、業務全体のペーパーレス化を推進する。スキャナ無償レンタル利用者には、協賛した「Evernote」「Sansan」「スキャンマン」「Dropbox」「筆まめ」のサービス特典も利用できる。

協賛各社の特典内容

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協賛各社の特典内容
協賛各社からも特典が

クラウド会計サービスで他との差別化を図る弥生、次は更なる規制緩和がポイントか

 現在、会計ソフトの市場では大きな存在感を誇る弥生だが、クラウド会計ソフト市場ではやや出遅れた感もあったのは事実だ。マネーフォワード(MFクラウド会計)やfreeeなど、特に個人事業主を対象としたクラウド会計ソフト市場では機能も成熟し、今ではやよいの青色申告オンラインを含め、大きな差が無いという状況だった。そこにハードウェアを無償提供する戦略が、今後のシェア争いにどう影響するかは楽しみだ。レシート、領収書の処理は会計業務においても手作業による部分が多く、これを改善できるとした本機能は注目に値するだろう。

 そしてこのスキャン取込/スキャナ保存制度の活用については、更なる規制緩和も期待されている。現在は規則として「適性事務処理要件」に「相互けん制」「定期的なチェック」を「各事務について、それぞれ別のものが行う体制」を採るべしとしており、個人事業主はこの点でそもそもスキャナ保存制度の要件を満たしていない。
(参照: 電子帳簿保存法Q&A(平成27年9月30日以後の承認申請対応分)>適用要件〜スキャナ編 問54、55

 また、スキャン作業が「スマートフォンのカメラ」で代用できるようになれば、より多くの企業で利用が進むだろう。将来的にさらなる規制緩和が進めば、レシートをスマホで撮影するだけで会計業務が終わる時代が来るかもしれない。

 なお、個人事業主であってもいますぐ「レシートをスキャンし、自動で会計処理をする」ところまでは利用可能だ(現時点では「原本保存」は必須)。会計処理に携わる従業員は、面倒な「紙」の対処としてこのような機能、制度をフルに活用してみてはいかがだろうか。

長谷川 達海氏、岡本 浩一郎氏、宮本 研一氏

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長谷川 達海氏、岡本 浩一郎氏、宮本 研一氏
左からセイコーソリューションズ株式会社 取締役専務執行役員 長谷川達海氏、弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎氏、株式会社PFU 執行役員専務 イメージビジネスグループ長 宮本研一氏

(宮田健)

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